獄落蘇生
一条 楓士
序 章 歴史の終幕と地獄少女
第1話
クレーターになった地面を踏み締め、二人は向き合っていた。
能力者の、最上位の死闘はそこに築いた全てのものを消し去るほどに激しいものであった。
『————』
お互いの息の音が混じりながら、その闘いは最終局面を迎えていた。
そして、二人の能力が交差する。
叫び、吠える。お互いの全力を持った能力を使い、潰し合う。
閃光の斬撃が、空を切り裂き首を、急所を狙うように放たれる。
黒く、暗く、全てを飲み込むような球体を、全ての力を入れた攻撃が放たれる。
斬撃は球体に吸い込まれるように威力が減少していく。
笑った。――勝ちを確信した。その刹那だった。
斬撃が蒼く変わった。一瞬だった。だが、その瞬間に威力が、技の練度が変わった。
気づいた時には、【
最後の数秒に見たのは、奴の悲しげな顔だった。
――なぜだ。お前は勝ったのになぜそんなに悲しい顔をするのか。
そんな思考は虚しくも、意識ごと遠のいていった。
その瞬間。歴史の幕は、ようやく引くことが許された。
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