ひさかたのそらより松のこのはふり地にしづかさ満てりけるかも

【読み】

ひさかたのそらよりまつのこのはふりつちにしづかさみてりけるかも


【語釈】

ひさかたの(久方の/久堅の)――「天(あめ・あま)」「空」「月」「雲」「雨」「光」「夜」「都」などにかかる。

[デジタル大辞泉]


【大意】

空からマツの葉が降ってきて、土(=地上)に静かさが満ちあふれているのであった。


【付記】

「松」を「竹」などに換えても良いのかもしれない。ただタケは草と木の中間的な存在のようで、その葉を「このは」とすることには一抹の疑問が残る。


【例歌】

ひさかたの光のどけき春の日にしづ心なく花の散るらむ 紀友則


【例句】

清滝や波に散りこむ青松葉 芭蕉

散り松葉昔ながらの掃除番 一茶


禅寺の松の落葉や神無月 凡兆ぼんちょう

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