十三 フォースバレーキャンブ
グリーゼ歴、二八一五年十一月十五日午後。
オリオン渦状腕外縁部、テレス星団、フローラ星系、惑星ユング。
ダルナ大陸、ユング、ダナル州、フォースバレー、テレス帝国軍警察フォースバレーキャンプ。
このフローラ星系惑星ユングに、マリー・ゴールドというコード名のテレス帝国軍装甲武装兵士・アーマーは存在しない。
コード名マリー・ゴールドは、テレス帝国軍警察重武装戦闘員・コンバットのフォースバレーキャンプ総司令官で総指揮官のマリー・ゴールド太尉だ。マリー・ゴールドはカプラム(惑星カプラムのネイティブヒューマ)だ。彼女は、ニオブのニューロイドJ(ジェニファー・ダンテ)の精神共棲体だ。
「妹か?」
C(カール・ヘクター中尉)が、遺体安置台に寝かされたヒューマから覆いを取った。
カール・ヘクター中尉はテレス帝国軍警察重武装戦闘員・コンバットのヒューマでカプラムだ。ニオブのトムソC(カムト・ヘクトスター)の精神共棲体だ。
「ああ、そうだ」とJ。
横たわっているカプラムのヒューマはマリー・ゴールドの妹のジュディーだった。
ジュディーは眠るように穏やかな顔をしていた。身体を揺すれば今にも目覚めて、眠そうなまなざしで、おなかすいた、と言いそうだった。
「ここから下は見ない方がいい」
Cはジュディーの覆いを首まで取って目を伏せた。今までこの惑星ユングで、クラッシュを扱う数々の組織と戦い、ヒューマノイドを屠殺するように処分してきたCが、Jにジュディーの遺体を見せようとしないのは、損傷の酷さを示している。
「いいから全部見せろ」
JはCに覆いを取らせた。アコーディオンの蛇腹のように、グシャグシャに圧縮された下半身を無理に引きのばしたらしく、はみ出たであろう内蔵と、千切れたと思われる脚は、強靱な人工皮膚の内部に納められていた。それでも身体変形が激しかったのか、変形を矯正できなかった骨格が、人工皮膚の局所を内側から外へ変形させている。
「下半身が衝撃を緩和した。奇跡的に顔は無傷だった」
Cが呟いた。
「何階だ?」
マリーは隣の遺体安置台へ視線を移した。
「十二階から落下した」
Cは、飛び降りたとは言わなかった。
「こっちもか?」
「そうだ。妹の友だちか?」
Cは隣の遺体の顔から覆いを取った。頭部の右半分が人工皮膚と人工髪で細工してあり、右肩から下も同様だった。
「ポールの娘だ。ジュディーの友だちのアマンダだ」
アマンダの父ポール・カッターは、ここテレス帝国軍警察フォースバレーキャンプに勤務する帝国軍警察の一等事務官だ。
妹とアマンダは理想に燃えてユニベルジテイトを目指していた。どうしてこいつらがクラッシュに手を出した?もしかして・・・。
「二人の他にコンバットの親族に被害者がいないか確認してくれ。
今までクラッシュで死ぬのは、この惑星のユンガ(ネイティブヒューマ)だけだった。
今度はヒューマのジュディーとカプラムのアマンダだ。
商会は我々コンバットに戦いを挑んでるんだろう・・・」
Jはコンバットの関係者の安否が気になり、遺体の二人を見つめたままCに指示した。
Jは、マリー・ゴールドの身体からJの意識で対象を見ている。マリーの精神と意識は、Jの精神と意識に共棲し、J同様、妹の死を嘆くより被害者を出さないようにするのが先だ、と主張している。
「了解!」
『コンバット全員、親族の安全を確認しろ!
Jと事務官の身内がクラッシュでヤラれた。
Jは、商会が我々に圧力を加えた、と判断した』
Cが精神波で連絡した。
『了解した』
各コンバットからの応答後まもなく、
『コンバット関係者にクラッシュの被害者は出ていない』
と伝えてきた。
「被害者はジュディーとアマンダだけか・・・。
C。辛いことを頼んですまない。ポールにアマンダのことを知らせてくれ」
「今日は、本部へ出かけてる。夕刻まで戻らない。連絡するか?」
フォースバレーキャンプはアシュロンから西に二十キロメートル(テレス帝国の単位で約二十キロレルグ)ほど離れたアシュロンキャニオンのフォースバレーを臨む砂礫地層内部にある。
惑星ユングの帝国軍本部は、アシュロンから北へ二百キロメートル離れたダナル州ダナルのダナル軍事基地にあり、ここに、惑星ユングのテレス帝国軍警察本部が同居している。 首都機能がアシュロンから、北西に五百キロメートル離れたアシュロンキャニオン地下の硬い岩盤プレート内のニューアシュロンへ移転して以来、アシュロンは急速にさびれた。
「帰ってからでいい」
いずれ知らねばならない悲しみは、たとえ数分でも知らずにいられるなら、後まわしのほうがいい・・・・。早く知ったところで、耐えられない悲しみを時は解決してくれない。解決するのは己の心なのだから・・・。
「悪いが、独りにしてくれるか」
Jはマリー・ゴールドの悲しみが表面化するのを感じてCに伝えた。
「すまなかった、J。遺体確認は職務上の努めなんだ」
「わかってるさ。立場は理解してる」
「じゃあ、またな・・・」
CはJに会釈して遺体安置室を出た。
自動ドアが閉じると、マリーは唸るように嗚咽して、大声で泣いた。
父母を亡くし、伯母一族を亡くし、これで独りだけになった。今はジュディーの事を何も思いだせない。記憶が真っ白だ・・・。
Jはマリーの深い悲しみを知り、彼女の記憶の一部を一時的に消去した。なぜなら、マリーはジュディーの表面的な事しか知らなかった。事実を知れば、彼女は悲しみに浸って心を閉ざし、二度と心を開こうとしないだろう・・・。
Jはマリー・ゴールドに精神共棲してジュディーと暮し、ジュディーのちょっとした日常の異変からジュディーの異常を知った。
ジュディーは脳血管の一部に動脈と静脈が直結して毛細血管が無いという異常があった。そのまま放置すれば、いずれ動脈に直結した静脈が破損して死亡する可能性があった。
医療用再生培養装置で培養できるのは、患者の遺伝子情報による再生だ。ジョーの吹き飛んだ右手を再生したのは、ジョーの遺伝子が持つ右手の遺伝子情報から右手を再生したにすぎない。
ジュディーの脳血管異常は両親からの遺伝結果ではない。ジュディー自身の突発的な遺伝子欠陥による奇形だ。ジュディーの遺伝子欠陥のため、医療再生培養装置による正常血管組織の再生は不可能だ。異常な脳血管を排除して、脳組織内に新たに毛細血管を作ることも不可能だ。
可能なのは、動脈と動脈に直結した静脈の破損を防ぐことだけだ。このような医学処置を行った場合、血液が通わなくなった脳細胞はそれまであった機能を失う。ジュディーが生まれてこれまで維持してきた機能を、他の脳細胞に再構成させねばならなくなる。運動機能の損失や意識機能の損失は免れず、他の脳細胞に機能を代行させるには長期のリハビリが必要だ。
ジュディーの遺伝子欠陥は遺伝する可能性はあったが、ジュディーが故人となった今、もはや遺伝することはない。だが、マリー・ゴールドがジュディーのように、遺伝子欠陥が起こりうるという遺伝情報を受け継いでいる可能性はある。
マリーに精神共棲しているJは、ジュディーの異常をマリーに話すべき機会をみていた。
Jたちが完全なる精神生命体のニオブとなって、ジュディーの患部に手を加えることも考えられたが、Jたちはケイト・レクスター系列のようなニオブのクラリック階級のプリースト位ではなく、医学について詳しくない。この惑星ユングの静止軌道上にいる巨大球体型宇宙戦艦〈オリオン〉のAIのPDの協力を得ることも考えた。
PDは、『他星系の生態系に、必要以上の手を加えてはなりません。Jたちは星系の管理者にすぎなのです』とJに深入りしないよう忠告しただけだった。
今回の事件でジュディーは解剖された。いずれ、マリーは事実を知るだろう。マリーが知らなかったジュディーの病状を・・・。
涙を拭いたマリーは遺体安置室を出た。
「カール!二人の解剖スキャンを見せてくれ!」
コントロールフロアに向って叫んでいる。マリーは気づいた・・・。
コントロールフロアで、Cはカールを装った。デスクのバーチャルコンソールを操作し、デスク上方に現れた解剖スキャンの3D映像を示した。
「クラッシュで拍動量が増えて静脈が破損した。
こっちは心臓停止だ・・・」
「クラッシュによるショック死か・・・。
ジュディーもアマンダも、脳血管と心臓に持病を持ってた。
いずれ発病して死ぬってことか・・・」
「そうだ・・・。二人が見つかったのは北地区のビルの間だ」
Cは解剖スキャン映像を、監視映像に切り換えた。
二人の遺体の映像と、時間をさかのぼった周辺ビルの映像が現れた。
「映像を見てわかるように、二人は突然ビルの十二階の窓に現れて落下した。
二人がいた周囲のビルにヒューマやユンガがいた形跡はない。
つまり一時間前に・・・」
一時間前は二人ともアカデミアの授業を終えて、アシュロン旧都市へ移動している時間だ。
「アシュロン新都市のアカデミーで拉致されて、こっちに時空間スキップしたってか?」
マリーはバーチャルコンソールを操作し、監視映像をアカデミアの監視映像に切り換えた。
授業を終えてアカデミアから出てくるジュディーとアマンダの背後にジョーがいる。
「拉致したのはコイツか」
Jがマリーに代って、監視映像が記録された時刻を確認した。
「そういうことになる」
とCも時刻を気にしている。
「この時刻、ジョーは商会に狙撃されて銃撃戦になった。
Cも、PeJが送った映像を確認したはずだ」
「ああ、確認してる。だが、コイツはまちがいなくジョーだ。
同一時刻に同一人物は二箇所に存在しない」
「映像をスキャンできるか?」
「やってみよう・・・」
Cはアカデミアの監視映像とPeJが送ってきた4D映像から、波動残渣を探査した。
「どっちもジョー本人だ」
「双子か?」
「それはない。双子になったとすれは最近だ」
「レプリカンか・・・」
「そういうことだ」
Cもレプリカンを考えている。
レプリカン技術はテレス帝国政府が管理する技術だ。惑星ユングのネイティブなヒューマノイドのヒューマ・ユンガも、アシュロン商会のアシュロネーヤも手を出せない。
惑星ユングはアッシル星系惑星ナブール同様、鉱物資源が豊富な惑星だ。
惑星ユングは、恒星フローラに焼きつくされたかのごとく地表は砂漠と岩ばかりでオアシスはないが、豊富な鉱物資源が存在する。テレス星団中心部、テレス帝国の惑星テスロンからの移住者のヒューマ・テスランは、その多くがユンガとともに、惑星ユングの鉱物資源採掘に従事し、硬い岩盤プレートをくり抜いて築かれたニューアシュロンで生活している。水も鉱物資源に含まれる物質の一つだ。
テレス帝国から派遣されたテレス帝国軍・アーマーと、テレス帝国軍警察・コンバットは特殊ヒューマだ。他星系からの侵略者から惑星ユングを守備するとの名目で駐留しているが、実態はユンガと移住したテスランの管理だ。
「レプリカンを誰が作ったと思う?」
JはCの意見を求めた。
「主なユンガの探査ファイルに、知的なヤツは皆無だ」
Cはバーチャルコンソールを操作して、アシュロン商会の商人アシュロネーヤのファイルを表示した。
レプリカン培養装置は、帝国軍警察重武装戦闘員・コンバットやテレス帝国軍装甲武装兵士・アーマーが装甲装備内に携帯する簡易再生培養装備とは違う。長期睡眠を行
う冷凍睡眠カプセル以上の大きな培養カプセル(通称カンオケ)と、レプリカン培養をバックアップする大量の機器類(ソウチ)があり、高度な知識と技術を必要とする。惑星ユングのネイティブであるユングが、レプリカン培養に関する高度な知識と技術を持っているとは思えない。
アシュロネーヤにいたっては、禁止薬物売買でクレジットを得て、ここより辺境な惑星を買い、共和国を作ろうと考えるのが関の山だろう・・・。だが、そんな事をしたらテレス帝国の思う壷だ、とCは思った。
「何だって?もういちど伝えてくれ」
JはCに言った。
「何の事だ?ヤツラに対していつも思ってる事だろう?」
CはJを見て妙な顔をしている。
「最後の思考がいつもと違ってた。もういちど伝えてくれ。そう考えた根拠も含めてだ」
JはCに精神思考を促した。
「ユンガはクラッシュ売買の利益で辺境な惑星を買い、共和国を作ろうと考えてる。そんな事をしたらテレス帝国の思う壷だ。
根拠は、かつてユングが支配していたこの惑星ユングに帝国軍が駐留して、今は支配状態にあることだ」とC。
「一理あるな」とJ。
惑星ユングは鉱物資源の宝庫だ。
かつて、惑星ユングのヒューマ・ユンガは独自に資源を採掘回収し、鉱物資源とともに食糧から宇宙艦や惑星など不動産に至るまで、手広くテレス星団の各星系に交易していた。その中心となって活動していたのがアシュロン商会だ。惑星ユングは鉱物資源の惑星であり、テレス星団辺境星系の商取引の惑星だった。
ユンガの能力は商取引の面で長けていた。他の事は他のヒューマより劣っていた。有能な人材が不足していたため、惑星ユンガの鉱物資源採掘は効率が悪かった。テレス帝国は大量のヒューマ・テスランをテレス帝国から惑星ユンガに移住させ、惑星ユンガの資源採掘の管理監督にあたらせた。
採掘効率が上がるにつれ、惑星ユングにおけるテスランの経済支配が高まり、ユンガは採掘労働力になった。経済面からユンガは精神的肉体的に抑圧を感じるようになり、徐々に精神的安定や肉体的緩和を一時的に促す薬物、麻薬のクラッシュに、付加価値を求めるようになった。
アシュロン商会本部はユンガの要求に応じ、テレス帝国政府が禁止するクラッシュを扱った。物質的付加価値の高い商品を扱うより、クラッシュ取引の方が利益率が遥かに高かったのである。
テレス帝国政府はテレス帝国軍を惑星ユングに駐留させ、帝国軍警察コンバットにクラッシュ撲滅に当らせて支配体制を布いた。クラッシュはジョーが持っていたあのカプセルの内容物だ。
「売人がレプリカンである必要性はなんだ?」
そう言って、Cが考えこんでいる。
「PeJの4D映像を見ただろう。おそらくクラッシュ解毒能力だ」
JはPeJの4D映像を確認した。廃墟ビルの一郭で、ジョーは、カプセルの三分の一のクラッシュを身体に圧入しても自分で解毒した。
「売人がクラッシュ中毒になったら商売にはならないか。
レプリカンを作ったのは誰だと思う?」
そうJに訊くCの精神思考域に、結論が見え隠れしている。
「カンオケ(レプリカン培養装置)を持っているのは帝国政府だけだ。
何人ものジョーを作るのに政府が関与している。
政府内にアシュロン商会に通じている者がいてカンオケを横流ししたと考えられる。
それとも、商会が独自にカンオケを開発したと思うか?」
JはCの精神思考を探った。
「ユンガに設計図解読能力はない。独自開発はない」
Cは、あのボンクラなユンガに機器の開発や製作ができるはずがない、と考えている。
「商会に通じるフィクサーが政府内にいて、レプリカンを作ったか、あるいはカンオケを横流ししたことになる。
ソイツが何を考えてると思う?」
売人はここより辺境な惑星を買って、自分の王国を作ろうと考えてる。そんなことをしたら、テレス帝国の思う壷だ。Cはふたたびそう考えながら、
「このフローラ星系を足がかりに、帝国はテレス星団の周辺境星系へ進出する気だ」
苦虫を噛み潰すような顔をした。
Jはバーチャルコンソールを操作して、クラッシュを自己解毒するジョーの4D映像を消去し、コントロールフロアを飛びまわっているPeJを呼んだ。
「PeJ、アシュロン商会本部にいたジョーを探してくれ。
簡易再生培養装備で身体を再生したジョーだ。
ジョーのレプリカンがいるから、右手が新品かどうか確認するんだ。
見つけたら連絡してくれ。私とCはチームと作戦会議をする」
「了解。ここから探査していいよね」とPeJ。
「ああ、いいぞ」
ハエに小型化していたPeJがサッカーボールほどになった。
「フウーッ、元に戻れたあ~。探査開始~」
トルクンのようにプルプル震えている。あい変らず妙なヤツだ・・・。
トルクンは、惑星ガイアの地球防衛軍ティカル基地にいた、リスに似た小型の有袋類だ。
「妙じゃないヨ。オイラPeJだよ。
アレッ?ボクだっけか?
オイラだっけか?」
PeJの色彩が微妙に変化した。
PeJは悩みのパラドックスへ突入する気か?突入すれば、また言葉遊びが連鎖する。
「ボクだろう、PeJ。早く探査してくれ」
PeJは陽気だ。自己特性さえ遊びの要素にしてしまう。PeJはヒューマにたとえれば一歳にも満たない。全てに興味を持つのは無理もないが、攻撃用球体型宇宙戦艦〈オリオン〉のAIPDとシンクロしているのだから、PDなみの理性が備わっているはずだ。やはり妙だ。コイツの特性か?
「了解しました!それは、ボクの個性であります。
総指揮官、総統J!」
PeJの色彩が思考中の薄いブルーになった。小刻みにプルプル震えて探査している。
やっぱり、コイツ、何でも遊びの要素にしてしまう。おもしろいヤツだ・・・。
「頼むぞ、トルクン!」とC。
「ラジャー、C指揮官!」とPeJが答礼する。
Cもニオブのカムト・ヘクトスターの記憶から、惑星ガイアの地球防衛軍ティカル基地にいた小型の有袋類を思いだしている。
「C、あとからゆく。また、マリーを独りにしてくれ」
「マリーが納得するまでいっしょに居てやれ。作戦はオレが指揮しておく」
マリーの大切なジュディーが失われた。マリーの精神や心がジュディーの死を受けいれるまで、マリーの意志とは別に、悲しみの波にマリーは襲われる。時間をかけたって解決しない。そうCの思いが伝わってきた。
「ありがとう。C・・・」
Jはオフィスを窓辺へ移動し、フォースバレーキャンプから見えるアシュロンキャニオンを見おろした。
意識は精神の上に構成された思考形態だ。精神や心を基盤にしているが、意識そのものは精神や心ではない。異なる存在だ。私たちニオブはそのことを理解している。
マリーは意識と精神と心の関係を理解していない。理解不可能なのだ。マリーの意識は精神や心のダメージをダイレクトに受けいれてしまい、精神と心からジュディーの存在が薄れてゆかなければマリーの意識は救われない。
精神共棲しているヒューマの精神と心がダメージを受けて意識が苛まれているのに、そのヒューマの精神も心も意識も癒してやれないのは辛い。
私たちは精神生命体ニオブだ。時空間の管理者だ。私たちは悪しき芽を摘むだけで、特定固有種の保護育成を許可されてはいない。それが、あの「存在」から、私たちがニオブとして存在することを許された定めなのだ・・・。
Jはニオブのニューロイドとトムソの存在を再確認していた。
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