(二)-4

 三人は、Tシャツとジャージ姿で、それぞれパイプ椅子に座って、置いてあったドリンクボトルを手に取り水分補給をした。

 一息つくと、アンナはテーブルの上に山になっている物を見つけた。有名洋菓子店の包みにくるまれた箱や、カワイイ封筒などだ。ファンによる差し入れだ。

 アンナは椅子の上でぐったりしつつも、「私宛てのはないかなー」と言いながらその中の手紙を手にとってみては山に投げ戻しを数回繰り返した。

「いいなあ。マキは。たくさんファンレターもらえて」

「アンナちゃんだっていっぱい来てるでしょ」

「でもいつも私より多いじゃん」


(続く)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る