廃課金勢の末路〜トップを目指すため今日も重課金する「それって課金する意味ある?!」〜
病深 ねる
第一章<初心者編>第一話廃課金勢のチュートリアル
≪配信を開始しますか?≫
俺の名は神藤凛(しんどうりん)。神藤一閃流の当主にして、つい最近株で3億もの配当を得た金持ちである。
はいそこ自分で金持ちとかwとか言わない。俺だって使い道ないんだよ3億とか言われても。
は?納税で50%取られる?知らんがな。ふるさと納税で結構使いましたが何か?
さて。俺は今20歳を迎え、先代の父親から神藤一閃流の当主をしろと言い渡された身ですが、無駄に金がある上当主としても指導代でお金が入ってくるから生活は何不自由していない。
そして、暇を持て余した俺はVRMMO、EMO[Elder Magic Online]というゲームに目をつけた。
この時代、剣道の入門は減ってきた。かつて最強の刀鍛冶八目総司と最強剣士神藤秋霜(しんどうしゅうぞう)が手を組み名門として名を馳せた神藤一閃流も1300年の時を経て廃れてきて、現在、俺は先代当主に勝ってしまい、調子に乗って日本中の道場の道場破りをしてなんの間違いか果たしてしまい、刀をはじめとした、薙刀、フェンシング、細剣、双剣、柔道、空手、合気道、ボクシング、キックボクシング、護身術、古武術、そして全く関係のない水泳や短距離、中距離、長距離走、マラソン、駅伝、バレー、バスケ、サッカー、ラグビー、フットサル、野球、ソフトボールなどなど、それから本当に何の繋がりかわからない忍術までもが達人級になるほど身につけてしまった。
そうして、学校に通いながら習い事をしているうちに気がついてしまったのだ。あれ?ゲームではテッペン取ってなくね?と。
馬鹿だとわらわば笑え。マジで暇なんだよ。どんな習い事もある程度の時間を費やせば教える側が驚愕する程に上手くなった。いや、なってしまうのだ。
暇すぎる。暇すぎるのだ。暇には勝てん。そうして辿った道が、何故か株に行き、総資産が100億を超えた辺りから働かなくても金が入ってくる、Fireを達成してしまった。
あぁ、暇だ。ならば今度は幾ら金を使っても、幾ら力や能力を費やしても頂点の見えない。クリアなど無い、MMOというジャンルを極めようでは無いか。と、思い、ついでにまだ手を出してなかった動画配信者というジャンルにも手を出してみようでは無いかと考えて、今に至る。
≪動画配信、YouTubeのライブストリーミングを開始します≫
≪リンのゲーム実況チャンネルで動画配信を開始しました≫
≪では、キャラクタークリエイトを開始します。≫
お前は誰だよ。
≪私はサポートキャラクターのエルです。≫
L、だと?俺はキラじゃないぞ。
≪プレイヤー名はキラでよろしいでしょうか≫
違うって。まぁいい。くだらないことは置いといて。プレイヤー名はリンだ。
≪プレイヤー名リンを、サーバーに登録しました。性別は如何しましょうか≫
男で。
≪身体モジュールで、リアルとほぼ同じ特徴の身体にできますが如何しますか≫
じゃあ、めんどくさいからそれで。
≪それでは初期スキルを選択してください。≫
ふふふ。初期スキルだって?俺は公式サイトを見ているから知っているんだぞ。初期スキルは最大10の枠があって、ステーポイントは最大50。し・か・し、課金すれば別だ。初期スキルは1万課金すれば1つ枠が増えて、最大30まで増える。ステータスポイントは1ポイント1000円で最大200。ならばっ。
≪課金ショップを開きます。初期スキル枠を20、ステータスポイントを150購入しますか?≫
≪合計35万円です。≫
既にブラックカードに10億ものお金が入っている。コードの入力は済ませてあるのであとは購入するだけだ。
≪決済が完了しました。スキルとステータスを決めてください≫
==============================
モード<未>
<名前>リン
<種族>人間
<状態>良好
<職業>
<レベル>1
<STR>
<AGI>
<VIT>
<INT>
<DEX>
<LUK>
<ステータスpt>200
<スキルpt>300
<スキル>
<称号>
<加護>
==============================
因みに俺は幸運極振りにしてガチャ運をあげようと思っている。スキルポイントは得点で300になっているが気にしないで欲しい。
モードは極めようと思っているのでヘルモードにして、難易度を爆上げする。このゲームはVRMMOでも特殊な難易度のモード選択という項目がある。この項目は、取得経験値とドロップ率とドロップレアリティ、遭遇敵のレベル、ユニークの排出率に影響して、難易度が上がるごとにそれらが上昇し敵の強さも爆上がりする。
勿論他のプレイヤーと共闘する際は、自分から見える敵のレベルと他の人から見える敵のレベルは違い例えばその敵のHPが100でイージーだった場合ヘルモードになると1万になる。これで難易度の説明は終わりだ。
職業はLUKに影響するエージェント。うん?コレクターやシーカー、蒐集家、ダンジョンインストラクターの方がドロップ率がいいだろって?舐めんな。エージェントの方がかっこいいだろ。メン・イン・ブラックの様に敵を抹殺してやる。因みにこのエージェント。メインジョブとしてはレアリティが高い。さっき10万追加で課金してジョブガチャしてきた結果★5で出たのがエージェントだ。
お、レアスキルが選べる。
スキルはレアリティがポイントで変わってきて、中には50ポイントものスキルがある。それが、今言ったレアスキル。
うん。【テイム】と【召喚術】と【転移魔法】辺りがレアスキルかな。全て50ポイントだ。次は10ポイントの【剣術】、【抜刀術】だ。そして、【料理】、【鍛冶】、【錬金術】、【隠蔽】、【探知】、で50ポイント。最後に【回復魔法】で50ポイントだ。持ってけ泥棒。
種族の説明はまだしていなかったか。種族は、エルフ、ドワーフ、小人族、獣人族等が選べる。俺は人間でいいがな。
さぁ、みるがいい俺のステータスを。
==============================
<名前>リン
<種族>人間
<状態>良好
<職業>メイン・エージェント
<レベル>1
<STR>10
<AGI>100
<VIT>10
<INT>10
<DEX>10
<LUK>160
<ステータスpt>0
<スキルpt>30
<スキル>
ーアクティブー
・テイムLv.1
・召喚術Lv.1
・転移魔法Lv.1
・回復魔法Lv.1
・剣術Lv.1
・抜刀術Lv.1
・隠蔽Lv.1
・探知Lv.1
ーパッシブー
・料理Lv.1
・鍛冶Lv.1
・錬金術Lv.1
<称号>なし
<加護>なし
==============================
≪ステータスが決定されました。職業により、ユニーククエストが発生しました>
ーコメントが届きました
『今北産業。初見です。』
『何このジョブ。初めて見るんだけど』
『てか、初配信で300人きてるのやば』
『ユニーククエストって初じゃね?』
『このゲーム世界的人気の神ゲーだけどβ版から言われてるのが廃課金勢には勝てんのよな』
『LUK極振りはゴミと聞きますが』
『それwてか45万直ぐに出せるとか何者』
『廃課金勢には50万円などワンコインです』
「それな。てか、1000万円まではワンコインだわ」
『1000万あったら何年遊んで暮らせると』
『廃課金勢は課金しないと禁断症状が出るのでな』
『あぁ、課金、課金、課金してぇぇぇぇ』
『重症者一名入りまーす』
≪ユニーククエスト『エージェント入門(極道ではない)』≫
「知ってるがな」
てかコメントつくの早いな。頭の中に流れてくるのは嬉しい。一々ウィンドウで除くのは怠いからな。
『(極道ではない)ww』
『別もんな。』
『とうとう入門か、初任務ですねー』
『エージェントの任務とは』
≪ユニーククエスト『エージェント入門(似たようなもんでしょ)』≫
『(似たようなもんでしょ)ww』
『かっこのなかがうるさいww』
『エージェントってβでも見つかってない職業だよ?』
『てかこのゲーム職業多すぎるんだよな』
『それwスキルもな。テイムとか召喚術とかも取れなかった人多いって聞くし。』
「では、早速始めて行こうと思います。さぁて、俺はこのゲームが初というか、ゲーム自体する事がなかったので、完全に初心者ですが、よろしくお願いします」
『マジかよ、初めてのゲームに何万注ぎ込む気だww』
『廃課金勢はな、課金に限りなどないんだよ(悟り)』
『まぁ、この世界的ゲームもユーザー3億超えてるのに廃課金勢が上位を牛耳ってるからな』
『廃課金勢達のゲーム』
『無課金勢でも有名プレイヤーはいます!』
『あぁ、『無心』のゼロな』
『あの人他のゲームでもプロだから参考にならんでしょ』
「因みに公式サイトはちょろっと見てますけど、攻略ページとかは一切見てないからそのつもりでよろ」
『りょー』
『りょ』
『りょーかい』
『てか同接1000人超えたぞ。はやっ。』
『ユニーククエストですね。情報料[5000円]』
「初スパチャあざす。これでまた課金ができる」
『こいつ、スパチャを課金する気だ』
『初スパチャなのにw』
『人の金で課金するのは嬉しいですかw』
コメント盛り上がってんなー。それじゃ、始めて行きますかね。多分クエスト開始からだから開始地点どうなるんだろ。
≪ゲーム開始いたします。それではElder Magic Onlineをお楽しみに≫
「この世界に帰ってきた!」
『いや、初ゲームって言ってただろw』
『β版やってたやつのセリフw』
『つかちょくちょくネタ挟んでくるな』
「いや、言ってみたかったセリフなんですよねー。」
「そうか。元々裏世界にいたんだな。貴様」
「むっ、何奴。俺の背中に立つな。殺すぞ」
『だからネタを挟むなww』
『いつのまに背後に?此処はどこ?』
『最初の職業選択でエージェントを選んだ奴が飛ばされる地点なんだろ』
『ユニーククエスト様々だな。』
「何を言ってるのかわからんが。貴様が入門者だな。試験を開始する。そこのロボットを5秒以内に無傷で倒せ。できなければは破門。クリアすれば暗殺ギルドに入れてやる。どうだ受けるか?』
「舐めないでください。俺はテッペンを目指す男ですよ。代わりにこれをクリアしたら、貴方に弟子入りさせてください。それが条件です」
「何?俺に弟子入りだと。面白い事を言うな貴様」
「だって貴方相当やるでしょう?今まで何人ヤってきたんですか?」
『やべぇ、心が汚いのか変な当て字に見えてくる』
『もしや貴様、そっち、なのか!?』
『リン男色疑惑』
『そんな人だとは思いませんでした(白目)』
コメントがうるさいな。この人に弟子入りすれば、暗殺者としても、エージェントとしても極められそうだ。それは俺の理念に沿う。だから、弟子入りしたいのだ。
「ふ、100から先は数えていない。いいだろう。貴様を弟子にとってやる。だが、その鉄屑をゴミに変えられたらの話だ」
「ええ、ゴミだめに帰して肥やしにしてやります」
「いい威勢だ。存分にやれ」
ふ。ヘルモードの初戦闘、やってやるぞ。
「では。開始っ!!」
ロボットがロケットパンチを繰り出してきた。早い……が、AGI100もあれば、パンチの速度は亀より遅い。鉄屑に帰してやるわ!!
「神藤一閃流 一の型 牡丹」
神藤一閃流の基本にして初歩。縮地術を使い一気に敵の間合いに入り一閃、敵を通りすぎて振り返り一閃し、十字型を作り、敵の剣を思いっきり薙ぎ払う反則級の技。
<経験値を取得いたしました>
「ふ。おめでとう。見事な腕前だ。貴様を暗殺ギルド会員、いや、エージェントとして認めよう。そして、我が弟子としてもまた、認めようではないか」
「ありがとうございます。こんな鉄屑、私の剣の錆にもなりませんでしたよ」
『な、何者だこいつ』
『剣の立ち筋が全く見えんかった』
『十字に裂かれたロボが、我らのロマンが……』
『てか、この世界にロボットなんてあったんですね。それをチュートリアルで薙ぎ払うリン………おそろしあ』
『スロー再生にしても何してるかわからん。このプレイヤー大物になるのでは』
『上位陣をぶつけてみたいって思うの俺だけ?』
「では、期待のルーキーである貴様に初任務を言い渡そう。何、簡単な事だ。この地ファストルージュに蔓延る不遜な輩共、貴様の様な例外はいるが、異界人と呼ばれる奴等の犯罪者を100人抹殺して来い。いいか、其れが貴様の初の任務だ。それが終われば我が秘術の一つを伝授してやろう。期待しておれ」
「は。つまりはプレイヤーども、いや、羽虫共をバチボコにしばき上げ、二度と口も聞けない体にしてくればいいと言う事ですね」
「分かってるではないか。一つ忠告しておく。彼奴らは生き返るのでな、これを着て行け。それが有れば二度と我等に刃向おう等とは考えぬ筈だ」
<スターエージェント『ブラック』から『極秘任務の黒服』と『極秘任務のグラサン』を入手しました>
ーーー極秘任務の黒服ーーー★4
それは気づいたら現れる。それが現れたが最後任務を遂行するまで命を狙われるのだ。奴等に刃向おうなどとは考えてはいけない。奴等は人間など羽虫同然の様に消し去るのだから……
・AGI+100
・この装備者が倒したプレイヤーの装備、アイテム、スキルを20%の確率でドロップ。尚、これはLUK値100事に20%上昇。
・『極秘任務のサングラス』を装備時倒したプレイヤーのドロップ率40%上昇
・この装備は略奪、破壊、消滅しません。
・この装備は外せません。
ーーー極秘任務のサングラスーーー★4
黒服に黒のサングラス。それらを纏った極めて特徴のない、すれ違っても"覚えられない"謎の組織は気づいたらそこにいる。彼らに会った者は皆こう言う、『死ぬかと思った』。そう、彼等は死の象徴なのだ。
・LUK+100
・このアイテムの装備者が倒したプレイヤーの装備、アイテム、スキルを20%の確率でドロップ。尚これは、LUK値100ごとに20%上昇。
・『極秘任務の黒服』を装備時倒したプレイヤーのドロップ率40%上昇。
・この装備は略奪、破壊、消滅しません
・この装備は外せません。
ーシリーズ装備得点。対象者の特徴、気配等に大きな隠蔽効果が掛かります。
ーPvP勝利時経験値の取得が可能になります。
『えええええええええ!?強すぎん??』
『よし。俺エージェントになってきます』
『エージェントやばない?こんなんPvP最強やん』
『いやまて、あのロボットに勝てないとエージェントになれないと考えたらきつい』
『しかも、★5だから職業ガチャの排出率は0.01%。無課金ではリセマラせな無理なレベル』
『いや、リセマラしても無理だろ。そんな確率じゃ廃課金でもせな当たらん。』
『10000回引いてやっと当たるレベルだからな。★5職業は余程運が良くなければ……』
『ん?』
『あ!』
『そうか、運に、極振りしなきゃ、当たらないのか……』
『運に極振りして、廃課金して、ようやっと★5職業が出るってことね。きつ』
「それは我等エージェントの制服だ。これを着たら外せないが、任務時はそれを着るのが掟だ。破れば、死が降りかかる。決して脱ごうなどとは考えぬ様に』
「ふ、分かってますよ。奴等に恐怖を与えるために。ですよね」
「よく分かっているではないか。この世界では破っては行けない事が三つある。一つはその制服を脱いではいけない。二つは我等に逆らってはいけない。三つはおやつにバナナは入らないだ。」
「え…………おやつに、バナナは」
「入らない。」
『何言ってんのこの人………』
『会話がww』
『先生、それはあんまりだと思います』
『おやつは300円までオッケーですかー?』
この人これから遠足にでも行くのだろうか………いや、考えては行けない。
「では、さっさと行くのだ。あ、因みにおやつは300円までだ」
「了解」
神藤一閃流の師範代にしか使えない初歩にして極地、縮地術と、忍術の瞬間移動と古武術の足音を消す歩き方などを応用し瞬時に移動した。これが現代の忍者だ。
………何言ってんのって?現代に受け継がれてきた忍術は忍者の里に入門、道場破りをして無事マスターしてきたからな。こんなの朝飯前なのだ。
「ふ、面白いルーキーが入ったものだ。是非朗報を待たせてもらおう」
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