第3回 愛別離苦

車は草原を走っていた。



「江流。お前が16歳になって、もし僧侶になることを選んだなら、連れて行こうと思っていた場所がある。今こそに向かっているのだ。」


「これは無限泡影経の力で生み出した立体映像だ。この塔の扉と同じように、強い理力の持ち主が現れたときに自動的に話し始めるようにプログラムされている。」


「原典の夢幻泡影経の力は写本の比ではない。原典の夢幻泡影経の力を引き出せば文字通りありとあらゆることが可能になる。錆びた鉄くずを黄金に変えることも、ただの石ころを宝石に変えることもできる。」


「そして」


「死んだ人間を蘇らせることもできる。」


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