第48話 アウトサイダーアート ややこしいの2
アウトサイダーアートというのは、聖なるものであって、それに対し既成のアートは俗なるものと書きました。
アウトサイダーアートは、基本聖性の塊なのですが、聖と俗の往来も見られます。
また、そこも魅力だったりします。
◇
アウトサイダーアートは72年にロジャー・カーディナルに英訳されたもので明確な定義はありませんが、アール・ブリュットは47年に既にジャン・デュビュッフェによって詳細に定義されており、違いがありますのでそこはご注意ください。
・デュビュッフェの定義では、子どもの絵にも独自の芸術性はあるのですが、そういうものは違うそうです。もう既に文化の中に位置することや、親子のコミュニケーションに使われたり、画材も親から買い与えられる点などで。
・西洋絵画にも影響を与えてるプリミティブ・アート、アフリカの彫像やお面なども違うそうです。フォーク・アート、民族工芸なんかもですが、集団においての文化的価値に帰属するということになるようです。
でも先史時代の洞窟壁画はアール・ブリュットだそうです。
・アンリ・ルソーなんかは独学ですのでアウトサイダーアートと言えそうですが、そもそもアール・ブリュットというのはルソーのような素朴派、ナイーブ・アートとの区別のため提唱されたという歴史があります。
ルソーを元祖ヘタうまと言う人もいますが、ヘタうま作家は意図的で狙ったものを描いてるのに対しルソーは天然なので、ヘタうまではないと思うけど。
美術手帖のアウトサイダーアート特集号(いつのだったかわかりません)によれば、ダウン症の作家によるものはアール・イマキュレというそうです。
もう余計な言葉作ってややこしくすんな!
たぶん、その後も色々新しい造語が作られてるかと思いますが……。
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