第45話 画材を買えないアーティスト(後編)
アニメイトに入れないかった発達障害の大学生の男の子。
マンガやイラストを描くために画材を買う必要があるでしょう。
もう今の時代、アナログ画材を扱ってるお店自体すっかり少なくなってしまってます。ネットの時代になりデジタルに移行する人が増えたためでしょう。
アニメイト以外となると、大きなショッピングモールになります。
そちらですとますます人混みが激しくなり感覚過敏ですと難しいでしょう。
同人誌用原稿用紙A4サイズ(プロ用はB4)でも良いなら、わたしは印刷所から貰ったものが大量にありましたので、とりあえずそれをあげました。
他、アナログ画材もわたしも半分はデジタルでの制作に移行したため大量に余ってますので、幾つか見繕ってそれも彼にあげましたが、デジタルと違って全て消耗品です。
使い切ったあとは、ネットで買う方法を教えてましたが、その辺がうまくできなくて、その後はどうしてるのかわかりません。
彼はパソコンではYouTubeを視聴するくらいしかわからない感じでした。
そんな画材を分けたことより、彼がいたく感謝していたのは物語の組み立て方の基礎を一通り書いたものを渡したことでした。余計なことをしたかなと思ったのですが。
マンガのタイトルから考えたはいいけど、どういうストーリーにしていいのかわからないなどよく相談されてたというのもあって。
別にタイトルから物語を考えるのも変じゃありませんよね。
「『漂流探偵』というタイトルで描きたいんですけど、ストーリーが思い浮かばなくて」
彼、梅図かずおの『漂流教室』も好きだったんですね。それと『名探偵コナン』をミックスしたものです。
コラボになってしまうけど、わたしがそのタイトルで原作書く? わたしの趣味も多分に入ってしまうけど。
で、そのシナリオ書きました。わたしギャグばかりなんですけどギャグにしませんでした。彼の作風を想定して考えました。マンガにしたら24ページに収まるかどうか。彼にしてみたら長いと思うんですよね。まぁ好きなようアレンジするなどして使ってくれたらと。
アウトサイダーアートの価値は年々高まっていってる傾向がありますが、それでもなかなか一般のかたにはまだ理解され難い現状もあります。
彼のご両親は今ひとつ理解がありませんでした。
まぁ、当たり前とも言えます。確かにそっち方面で生活できるようになるかというと、また別の話になりますので。
そっち方面で良い支援者が見つかると良いなと切に思います。
『名探偵コナン』のようなマンガが描きたいのに、こちらとしてはアウトサイダーアートを推奨してしまうのもエゴになってしまいます。
それもどうかというところでしょう。
彼が自身の思うまま突き進んでくれたらな、と。
地域によってはそういった支援が進んでる障がい者支援事業所もあるとも聞きます。奈良や滋賀など。
確かに滋賀には、発達障がいのかたでヴェネツィア・ビエンナーレに作品を出展していた方がいました。
2年に1回、イタリアのヴェネツィアで開催される世界ても最も大きいんじゃないかと思われる現代美術の国際美術展覧会です。
そうそうたるアーティストも出展されてます。
障がい者の方の支援事業所のほうから出展する手続きをされたのかと思います。めっちゃ進んでますね。
毎回、各美術雑誌でも特集が組まれますので、それでお見かけしたことがありました。
心理学者のユングがプライベートで描いてた絵が出展されていた年だった記憶があります。
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