君のいない世界なんて

キア

1話目 夢からの目覚めそして出会い



「どうして…どうして…!」


「なんで…僕を…」


「なんでって…私が怜のこと守りたかったからかな」


「でも、怜が無事で良かったよ私は怜のこと守れて良かった」


彼女はそう言ったまるでもう生きることができないようなことを


「もしも私が居なくなってもちゃんと生きてね」


「ねぇなんでそう言うことを言うんだよ…!」


(クッソ…出血が多い救急車はまだなのか…?)


「ねぇ怜あのね、多分私助からないんだ」


彼女はそんな衝撃なことを言った


「なんで…」


「だって沢山出血してるしさ頭も打っちゃったし正直喋るのも辛いんだ」


「じゃあ「喋るなって言うよね」」


「ッ!」


「ねぇ怜…私とさ出会えて幸せだった…?」


「うん…幸せだったよ」


「そっか…良かった…」


「あ…れ…ねぇ怜どこにいるの…?真っ暗で何も見えないよ…」


彼女は視覚を失う…そう…それは死に近づいたから


「僕は…ここにいる、君のとなりにいるよ」


そう言って僕は君に抱きついた


「…あぁ暖かいなぁ……もうきついや…」


「ごめんねもっと一緒に居れられなくてさ…」


「もっと怜と一緒に居たかったな……」


「さよなら…怜…」


「さよなら…なつき…」


そう言ってなつきは静かに眠るように死んだ


「僕だってもっと一緒にいたかったよ…」


「僕は君に救われた僕のこと救ってくれてありがとう…」


「でも僕は君のいない世界なんて…生きていける自信無いよ…」


───────────


「はっ!え…?ゆ…め…?」誰なんだろう…あの女の子見たことないし…怖いな妙にリアルな感じだったし」


「夢の中で何があったんだっけ…女の子がいたのは覚えてるんだけどそこからがよく分からない…」


「そういや今日って何日だ?」


「4月3日、朝8:15分」


「あれぇ?今日入学式じゃん学校は8:30登校…こっから学校まで約25分…」


今日は入学式がある、そう…間違いなく遅刻だ…


「やべぇじゃん!!クッソのんびりしてる場合じゃねぇ!」


走って走って走りまくる、もう僕の頭の中には夢のことはほとんど残っていないだろう。


「8:28分ギリギリ着いた…疲れた…よく間に合った僕ナイス過ぎ」


「んで、クラス表ってこれか」


「1-2か…メンバー少し見とくか知ってるやついないけど…」


そう言ってメンバーを見た


「ん…?雨色なつき…?どこかで聞いたことあるような気がする…なんでだろう」


違和感を覚えた知らないはずなのに何故かその名前を聞いた事があるかのようだ


「ここがクラスか…」


ガラガラとドアを開けるそして自分の席を見つける


「出席番号1番後ろだからわかりやすいな」


そう言ってカバンを置く


そしたら先生が入ってきた


「まずは入学おめでとう早速、入学式に行くから廊下に並んで」


先生はそんなことを言った


入学式


「新入生の皆さん入学おめでとう」


(どの校長も大抵同じこと言うから飽きる今日見た夢のこと考えておくか)


いろいろと考え事をしてる内に入学式が終わった


「さて、これからお前たちに自己紹介をして言ってもらいたい」


「さて、最初は雨色頼んだ」


「わかりました先生」


彼女は黒板の前に立った


「私の名前は雨色なつきです。よろしくお願い致します。」


彼女は笑顔でそう言った。そうしたらクラス中が騒いだ


「なぁめっちゃ可愛くね?」


「それなあの笑顔は反則」


「ねぇねぇ雨色さんさめっちゃ可愛いよね!」


「わかる〜ほんと可愛いよね!」


「はいはい静かにな」


(多分クラスの中で1番可愛いんだろうな、僕にはあんまり関係無いけど)


どんどん色んな人が自己紹介をやった。そして僕の番がやってきた


「最後、夜桜お願いな」


僕は先生に向かってコクって頷いた


そして黒板の前に立った


ただその時、嫌な感じがした睨みつけられるようなそのような目で見られているとそう感じた


僕は怖かった…右手を左手首に掴んで一旦深呼吸をして僕は言った


「僕の名前は…夜桜怜です…よろしくお願いします」


拍手が送られたそして僕は早歩きで自分の席に戻った


「さて、今日はもう終わりだ明日は教科書配るからペンを持ってくるように、じゃあ帰っていいぞ〜」


(あ、え?挨拶しないの?普通するんじゃ…まっいっか)




自己紹介する時、睨みつけられるような感じがしたんだよな…僕なんかしたのかな…


そう考えながら歩いてると…


「痛った…」


誰かとぶつかった


「あっ!えっとすいませんお怪我はありませんか…?」


「大丈夫で…す…?」


「雨色さん…?」


「えっ!夜桜さん!?」


(やっぱりかっこいい…タイプなんだけど…)


「雨色さんは、お怪我はありませんか…?」


「わ、私は大丈夫ですよ!」


(…ん?なんか焦ってる…?大丈夫かな…)


「あ、私帰らないと行けないので失礼しますね」


「帰り道気をつけてね」


「また学校でお話しましょう〜」


「え、あ、うん、話そうバイバイ」


なんか、すごいや



**************



「んー!!」


私、雨色なつきは今枕に顔を埋めて悶絶している


「夜桜くんかっこかわいいんだけど?かっこよくて可愛いってもう最高じゃん!!」


「誰かに取られる前に私のものにしないと…」


プルルルと電話がなった


「ん?誰からだろ、あ、瑠美からだ」


同じクラスメイトの星月瑠美からだった


小中高と今までずっと同じクラスで親友だ


「やっほ〜瑠美〜」


『やっほ〜なつき〜』


「どうしたの?急に電話なんて」


『あ、迷惑だった?』


「うぅん全然!迷惑じゃないよ!」


『そっか、なら良かった』


『んでね、電話した理由はね、なつきさ夜桜さんが自己紹介する時ずっと見てたでしょ』


「え…なんで知って…」


『そりゃだってあんなに睨みつけてるんだもん、』


『夜桜さん怖がってたよ?若干震えてたし』


「うそ…かっこかわいいから見惚れてて…」


『あっもしかして一目惚れしちゃった感じ笑?』


「ち、違うし!ただ見てただけだって」


いや…さっき私のものにしないとって考えちゃったから。多分一目惚れしちゃったんだよなぁ瑠美にバレないようにしないと


『ふふ、そっか』


『あのさ話変わるんだけどさ』


「うん」


『この街の都市伝説知ってる?』


「都市伝説?しらない」


『知らないの?結構有名だけど、あのね、ずっと愛し合っていたら天国でも会えて来世でもその人と恋仲になることが出来るって言う都市伝説しらない?』


「そんな嘘みたいな都市伝説あったの?」


私は初めてそんな都市伝説を聞いた。


『あるんだよ。ロマンチックだよね〜ずっと愛し合えるなんて…』


「そうなのかな」


『なつきには分からないか〜この気持ち』


「え…?バカにしてる?」


『いやいや、バカにしてないよ、いずれわかる時が来るから安心して、それじゃまた学校で』


「バイバイ」


ずっと愛し合えるね…ほんとに愛し合える人が私にはまだいないから瑠美の言ったことがあんまり理解出来ないや、でもその都市伝説が本当なら私は………

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