第57話 勇者選抜試験2
ゲイリック王子がボス部屋に辿り着いた。
レッサードラゴンにどうするかと見ていたら、剣を取り出した。
剣は眩く光る。
聖剣の類か。
それとも魔剣か。
とにかくゲイリック王子は難なくレッサードラゴンを切り裂いた。
魔道具勝負か。
プライドは捨て去ったらしい。
つまらん。
危機に陥って覚醒するとかしてみろよ。
それが勇者ってものだろう。
スェインは休みを取っていた。
寄って来る虫を斬り払っていれば、そりゃ疲れるよね。
座って目を瞑っている。
寝息が聞こえた。
虫が飛んで来ると剣が煌めく。
そして虫が切断された。
その間も目は開かない。
こいつ、寝てるのに攻撃しているのか。
それは俺が諦めた技。
やっぱりこいつは凄いな。
ちよっと憧れる。
どれだけ、訓練したらできるんかな。
うん、こういう奴が勇者になりそうだ。
本体は
そろそろボス部屋だな。
次のボスは、レッサーファイヤードラゴン。
火を吹く。
サクッと行きますかね。
「
うん一撃だ。
レッサードラゴンには負ける気がしない。
問題は
そうなったら銃に頼るしかない。
一か八かで大砲という手があるが、外してしまうような気もしてる。
スェインがボス部屋に到達した。
スェインはレッサードラゴンに苦戦している。
剣が通らないのだ。
名剣を使っているわけではないようだ。
剣がついに折れた。
スェインは使っていた剣とそっくり同じ物を収納魔法から取り出した。
数打ち品のようだ。
スェイン頑張れよ。
お前は俺にはできない技を身に着けた男だ。
こんな所で死ぬなよ。
そして、集中力が切れたのか、ドラゴンの尻尾に打ちのめされて壁に叩きつけられた。
死ぬのか。
だがスェインは前かがみながらも倒れない。
剣も放さない。
スェインの魔力が剣に集まる。
剣は太陽のようになった。
スェインがビビるドラゴンを切り裂いた。
やっぱりこいつは勇者だ。
土壇場で覚醒しやがった。
スェインはなんとかポーションを飲んで、レッサードラゴンの死骸を収納すると寝転がった。
しばらく見ていたがなかなか起きない。
死んだんじゃと思ったら、寝息が聞こえた。
そして、10分ほど経ったら、何事もないように起き上がった。
剣を掲げて魔力を込めると、剣は輝いた。
あの技を物にしたんだな。
ゲイリックの剣と似たようなものを自力で再現するとは凄い奴だ。
さて、俺は早くも3階層のボス部屋だ。
プリンクは相変わらず虫の死骸拾い。
ダンジョンて死骸はすぐに消えるものなんだけど、これの判定というかそういうのは、魔力でやっている。
「ふははは、勝ったぞ。勝った。ライドの上を行ってやった。悔しがる顔が今から楽しみだ」
プリンクは気持ち悪い笑顔だ。
どんな作戦だよ。
そして、俺の分身は見た。
プリンクが虫の死骸を男達に渡して、男達からリザード系のモンスターの死骸を貰ったのを。
えっと、虫って売れるんだな。
しかし、まあ。
死骸を買って自分の点数にしようというのはちょっとせこい。
せこいというか。
不正だろう。
他人を邪魔するのもいけないが、他人に助けてもらうのも禁止されている。
俺が
こんなに長く残るとはプリンクも考えなかったかも知れないが、まあプリンクに有利に働いたな。
それなりに運は持っている奴だな。
さあ、3階層のボスだ。
こまで来るのに2日掛かった。
ここのボスは、レッサーロックドラゴン。
翼のないドラゴンだ。
防御力が凄いという感じのドラゴン。
「まいどお馴染みの、
やっぱり一撃だ。
ゲイリック王子と、スェインは順調に進んでる。
そろそろ第2階層のボス部屋だ。
ゲイリック王子はレッサーファイヤードラゴンに到達。
炎のブレスに近寄れない。
盾の魔道具を使っているから無傷ではあるけど。
じわりじわりと近寄って、光る剣で足を切り落とした。
そしてブレスがやんだ時にジャンプして首を切り落とした。
身体強化のスキルは役だっているらしい。
もはや人外の動きだな。
ゲイリック王子に遅れてスェインも到達。
レッサーファイヤードラゴンにブレスを吐かれると、スェインは居合の構えから一閃。
ブレスを切り裂いた。
そして、胴体を太陽剣で切り裂いた。
お見事。
ゲイリック王子より今のところはスェインの方が強いな。
やっぱり借り物の力では駄目か。
俺も借り物の力は嫌いだ。
自力でなんとかしたいと常々思う。
さて俺は第4階層のボス部屋の前に立った。
別名、死の4階層。
俺の
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