第2話 目が覚めると、そこは異世界だった!

「んっ?」


「ここは、何処だ?」


周りを見渡すとクラスメートの大半が目を覚ましている。


「ここは何処なの?」


クラスの女子は驚いた顔でバスの窓の外を見ている。


山崎がバスの窓の外を覗き込むと、熱帯雨林のジャングルの開けた大地にバスは止まっていた。


バスの車内を見ると、担任の先生やバスの運転手の姿が見当たらない。


バスの車内は2年4組のクラスメート40名しか乗っていなかった。


「ギヤア、ギヤア!」


何処からだろうか?

獣の叫び声が聞こえてくる。


「うわっ!」


「何だ、あれは!」


クラスメートの男子が叫び声を上げた。


「あれは恐竜の集団?」


山崎が窓の外を見るとバスの周りに小型の肉食恐竜らしき生き物が100匹程群れを成して取り囲んでいた。


「ギヤア、ギヤア!」


小型の肉食恐竜らしき生き物達はバスの車内にいるクラスメートを捕食しようとしているのか? こちらの様子を伺っている。


「キヤー!」


「恐竜よー!」


クラスメートの女子達は恐怖で表情が歪んでいる。


恐怖の群れが一斉にバスの窓を頭をぶつけてガラスを割ろうとしている。


「ガシヤ!」


バスの窓に激しく亀裂が入る。


恐竜達がバスの窓を割り、車内に入って来るのは時間の問題と思われた。


「ファイアーブレード!」


バスを取り囲んでいた100匹以上の小型恐竜は激しく炎に包まれた。


白い鎧を身に纏った若い男性騎士がバスのドアを開けて車内に入ってくる。


「皆様、異世界にお越し頂き誠にありがとうございます!」


「異世界???」


クラスメートの全員が驚きの声を上げる。


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