第8話 救援の決意

数週間が経ち、アキラとリュウは日々の訓練と魔物退治に明け暮れていた。しかし、魔物の数は増え続け、二人だけでは対応しきれない状況になってきていた。村の周囲には常に獣タイプの魔物に加え、ゴブリンやオーガ、オークが現れるようになり、村人たちの不安も日に日に増していた。


ある日、村の広場に村長をはじめとする村の長老たちが集まり、緊急の会議が開かれた。アキラとリュウも参加し、状況を報告するために前に出た。


アキラが深刻な表情で話し始めた。


「村長さん、最近の魔物の増加は尋常ではありません。リュウと僕でなんとか対応してきましたが、もう限界です。村の安全を確保するためには、もっと多くの人手が必要です。」


村長は重い表情で頷いた。


「アキラ、リュウ、君たちがこれまで村を守ってくれたことに感謝する。しかし、このままでは村全体が危険にさらされる。私たちも何か手を打たなければならない。」


村の長老たちが議論を重ねる中、リュウが提案した。


「村長、近くの都市に助けを求めるのはどうでしょうか?都市には騎士団や魔法使いがいると聞いています。彼らの力を借りれば、この状況を打開できるかもしれません。」


村長は少し考えた後、頷いた。


「確かに、それが最善の策かもしれない。しかし、都市まで行くには時間がかかるし、道中も危険だ。誰か信頼できる者に書状を託すのが一番だろう。」


その時、村の行商人であるゴローが前に出てきた。彼は都市との取引が頻繁で、都市のことをよく知っている。


「村長、私が書状を持って都市に行きましょう。私は都市に詳しいし、道中の危険も心得ています。」


村長はゴローの言葉に安堵の表情を浮かべ、書状の準備を始めた。


「ゴロー、君がいてくれて助かる。急いで書状を準備するから、準備ができ次第、すぐに出発してくれ。」


ゴローは頷き、村長が書状を書き終えるのを待った。アキラとリュウもその間、村の防衛策を話し合っていた。


アキラがリュウに向かって言った。


「リュウ、ゴローさんが都市に助けを求めに行っている間、俺たちでこの村を守ろう。今まで以上に気を引き締めていくんだ。」


リュウも力強く頷いた。


「そうだな、アキラ。俺たちで必ず村を守る。助けが来るまで全力を尽くそう。」


村長が書状を完成させ、ゴローに手渡した。


「ゴロー、これが書状だ。どうか無事に都市まで届けてくれ。君の無事を祈っている。」


ゴローは書状をしっかりと受け取り、力強く頷いた。


「任せてください、村長。必ず助けを連れて戻ります。」


ゴローが出発し、村の人々が彼の無事を祈りながら見送った。アキラとリュウはその場で再び決意を固めた。


アキラがリュウに向かって言った。


「リュウ、今こそ俺たちの力を試す時だ。村の平和を守るために、全力を尽くそう。」


リュウもまた決意を新たにし、剣を握りしめた。


「そうだ、アキラ。俺たちでこの村を守り抜くんだ。カイさんがいない今、俺たちがやるしかない。」


こうして、アキラとリュウは助けが来るまで村を守ることを誓い、さらに厳しい訓練と魔物退治に挑むこととなった。村の平和を守るため、彼らは全力で戦い続ける決意を胸に抱いていた。

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