第23話 発見
釣り針に餌をつけて海に投げて待ち、竿が引いたら引き上げる。
まあ普通に釣りをしているわけだが、なぜあんなに釣りが下手くそだった俺が普通にできるようになっているのかというと〈見習い漁師〉というスキルを開放したからだ。
………こんなことをしてもルナとベリルのほうが上手いからな、どんだけ俺に釣りの才能がないんだって話だよ…まったく。
まあ今はそれはおいておいて、この海岸に来てから大体1か月の時間がたった。
ルナとベリルはほぼ毎日海に潜っているが、未だに地図に書かれた【宝】は見つかっていない。
ちなみに俺は海に潜らず陸地で木を伐ったり、家を建てたり、ちょっとした畑を作ったりしてスキルのレベル上げをしていたわけだが別に【宝探し】を2人に丸投げして、サボっているわけじゃない。
一応俺も海で呼吸できる魔法を〈水魔法〉のスキルパネルから3週間くらいの時間をかけて習得したが、ベリルに『なんでそんなにへたくそなん?』と煽られるレベルで魔法を使いこなせなかったので俺は留守番になった。
……ちなみに1日で使えるようになったルナは例外として、俺も3週間という短い時間で海で呼吸できる魔法を使えるようになっているのだがベリルがそのことに触れることはなかった。
まあベリルがルナの前で使った魔法をルナがすぐ使えるようになったり、なんかよくわからない難しい魔法を新しく創ったりしてたから多分感覚バグったんだろうな、かわいそうに。
俺がボーっと釣りをしながらそんなことを考えていると浜にルナとベリルの二人が戻ってきているのが見えた。
「戻ってくるの早いな…なんかあったのか?」
俺は今している釣りを中断して二人のところに歩いて行った。
—————————————————————————————————————
俺が戻ってきた2人に近づくと2人の会話が聞こえてくる。
「…してもびっくりしたね、あんな場所があるなんて。」
「確かにそうね。
だからこそあそこで間違いないと思…お、ちょうどよかった。」
ベリルは近づいてくる俺を見つけると、いったん話を区切り2人でこっちに歩いてきた。
「おう、2人とも戻ってくるの早かったな、海竜にでも会ったのか?」
「いやそんな奴がここにいるわけないでしょ…多分。」
「…ねえリルおねえちゃん、かいりゅうもドラゴンみたいにおいしいのかな。」
「仮においしかったとしても私は戦いに行かないからね、無駄に強いし。」
確かに、俺ももう一回あのレベルの奴と戦いたくない、ていうかあの時出てきたオオカミ…ユキがいないと多分勝てない。
「まあとりあえず海竜はいなかったってことで話を戻すけど、なんで早く戻ってきたんだ?
【宝】を見つけたにしてはそれっぽいものは何も持ってないけど…」
俺はそう言いながらルナとベリルを見る。
2人とも出発前と持っているものはほとんど変わっていない。
しいて言うなら御飯用の魚を捕まえてきたくらいだ。
「んーまあそうだなー、結論から言うと私たちが早く帰ってきたのは【宝の地図】に示されている場所らしきところを見つけたからよ。」
—————————————————————————————————————
ルナとベリルが戻ってきて少し時間が経った頃、『色々話したいことはあるが腹が減った』ということで俺は急いで料理をし、俺たちは早めの夕食を食べていた。
ちなみにメニューは野菜スープにドラゴンとその他の合い挽きハンバーグにルナがとってきた魚の塩焼きだ。
「「「いただきます(〜す)」」」
そう言うと2人は勢いよくご飯を食べ始めた。
2人に話を聞こうと思っていたが、どうも昼飯を食っていないらしく食の手が止まらない。
ご飯の時間を邪魔するのも悪いなと思ったので2人の食の手が収まるまで待つことにした。
……………
「それでなんだっけ、海の中に洞窟を見つけたんだっけ?」
俺はようやく手が止まった2人に料理をしながらもうっすらと覚えている情報を聞く。
「うんそうだよ!なんかね、うみの中なのに水がなくて息もできる不思議な場所だったし、まわりが青い光に照らされてて綺麗だった。」
片手に焼き魚を持ちながら、テンション絶好調のルナが元気よく身振りをしながら教えてくれる。
「そうそう。あと、奥に重そうな石の扉があってそこに『シレンヲウケルナラバ-マリョクヲナガセ』って書かれてあった。」
「何それ、なんか試練があるってこと?」
「さあ?でも試しに魔力を流してみたら普通に開いたよ、扉。」
「なんで勝手にやってんだよ。
俺仲間はずれみたいになってるじゃん。」
重そうな石の扉が開くところ見たかったんだけど?
「知らないよ、そもそもあんたの魔法が下手すぎるのが悪いでしょ、ねえルナちゃん。」
「まあ、かんたんなまほうだったしねー。」
「「いや、それはない(から)」」
「?そう??」
………………
「…まあ話戻すけど、明日からの目標はその洞窟の試練を突破するってことでいいの?」
「まあそうなるね。」
「それじゃあ、明日からみのるも連れて洞窟に行くの?」
「……いや、2人とも疲れてるだろ何日か休憩しよう。
俺も俺で色々準備したいしそっちの方がいいだろ。」
流石に未知の場所になんの準備もせずに行くのは怖いしな。
「…じゃあとりあえず5日休憩と準備の時間ってことにしよう。」
「了解、出発は5日後ね。」
「わかったー!」
そんなこんなで俺たち(ルナとベリル)は5日間の休憩を取ることになった。
—————————————————————————————————————
作者 どうも皆さん、大変長らくお待たせしました。
女神 待ってる人別にいないんじゃないの?最新話から1ヶ月以上更新してなかったんですよ?
作者 まあ、ここから更新頻度上げていくつもりだから。
女神 どれくらいに?
作者 週1以上くらいに。
女神 もっとかけ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます