第14話 称号(スキル)

昨日飲んだポーションのせいでほとんど味のしない朝食をとった俺は現在、女神様が使えるように修正した称号系スキルの習得できるもの一覧を見ている。


結構なスキルを習得できるようになっているがその中に一つ物申ものもうしたいスキルかある。


「…このスキル〈味音痴あじおんち〉って、俺は好き好んであのポーション飲んだわけじゃねーぞ?」


〈味音痴〉 習得可能ポイント 10

人が飲食するとは思えないほどのものを口にした者に与えられるスキル。


「ただ、このスキル、コスパいいんだよな〜」


見た感じ称号系スキルは基本的にスキルパネルの量が少ない。


このスキル〈味音痴〉はパネルが一つしかなく、このスキルを習得するだけで全てのスキルパネルが開かれて残りのスキルポイントは称号系スキルの解放に使えるようになる。


そしてこの〈味音痴〉の効果は【まずいものを飲食した時に味を感じづらく(酷いものは味がなくなる)】というスキル。


「これがあればめちゃくちゃまずいものも食えるようになるんだよな。

しかもポイント10で取れるからマジでコスパいい。」


あとまずいものを飲食したらポイント取れるし。


…というわけで俺はこのバカにしてるとしか思えないスキルを習得することにした。


「ええっと他に優秀なスキルは…」


〈パーティー〉に〈猛獣使い〉〈開拓者〉、〈小さな勇者〉、〈木こり〉、〈見習い建築家〉などの見習い系が今覚えれるスキルか……


「う〜む…まず〈パーティー〉はルナがいるし習得しときたいな、他は〈見習い農家〉と〈開拓者〉、〈木こり〉は取っておきたいな。」


俺が習得しようとしてるスキルはこんな感じ。


〈パーティー〉 習得可能ポイント 80

誰かと一緒に冒険をしたり戦ったりするときにバフや特殊な効果を付与することができる。

中でも『スキル共有』、これは俺のスキルをパーティーと共有することが出来る。


〈見習い農家〉 習得可能ポイント 20

農業を少しかじった程度の人に送られる称号。

続けるとやがて〈農家〉に成長することが出来る。


〈開拓者〉 習得可能ポイント 50

何もない場所を人の住めるように開拓した者に与えられる称号。

自分が開拓した場所にいるとあらゆる能力にパフが手に入る。

開拓された場所の規模が大きくなれば〈村長〉から〈町長〉、やがて〈国王〉になれるかもしれない。


〈木こり〉 習得可能ポイント 40

〈見習い木こり〉から成長したら手に入れることが出来る称号。

木を伐ったり、運んだりするときにバフが付与される。


って感じだ。


ルナとゴレさんが遊んだ影響でたんまり溜まってて、あまり使い道のない〈建築〉のポイントを中心に余裕のあるポイントを使って習得する。


〈猛獣使い〉も欲しかったけど習得可能ポイント 150は流石に無理。

ルナと一緒に戦ったら両方にバフが付与されたり、ルナに技を覚えさせたりできそうだったんだけどしょうがない


「というわけで、これでスキル習得可能だな。」


どうやら見習い系スキルは全パネルを解放して特定の条件を満たせば進化?変化?どっちかわからないけど成長できるらしい。


〈木こり〉はその前に〈見習い木こり〉というスキルがあったがそれは飛ばせたみたいだ。


……まああんだけ木を伐ったからな。



今回習得したスキルはスキルレベルが上がりやすそうなものを選んだ。


〈見習い農家〉はもうすぐ収穫時期がくるし、〈開拓者〉と〈木こり〉は木を伐ればいいし、〈パーティー〉もルナと一緒に結界の外に出れば経験値が手に入る。


「……まあ、〈開拓者〉が最終的に【国王】になれるかも、とか言う不安要素があるが…まあ何とかなるだろ。」



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さて、せっかく新スキルも習得したしレベル上げといこう。


「というわけでルナ、今から外に狩りに行かないか?」


100ポイントも支払って手に入れた〈パーティー〉をできるだけ早く育てたい、という意図もあって俺は昼飯を一緒に食べているルナにそう提案する。


「え…まだドラゴンの肉あるんじゃないの?」


「いや、ずっとドラゴンの肉だったら飽きるって言うか、味に慣れて上手く感じなくなるだろ?」


「え〜今でも美味しいけど?」


そういえば、子どもは大人より味覚が鋭いとか聞くけど…いや、俺もまだ子どもじゃねーか。


「まあまあ、ずっと座って木彫りするのも体に悪いし行こうぜ。」


「……なんか隠してない?みのる?

前まで『あんな危険なところに行けるか。』っていってたじゃん。」


うげぇ、バレてる。

まあ俺、ドラゴンに遭遇してから結界の外にしばらく行きたくないって言ってたからな。


「……と、とりあえず肉が無くなったら困るし、ルナなら美味しい動物?が何かわかるだろ?」


「……わたしも走り回りたくなってたしいいよ。

ただ、きょうのごはんはおいしいの、おねがいね。」


「…メニュー考えとくわ。」


俺は美味しいご飯と言うリクエストにそえるような料理を考えながらルナと一緒に結界の外に歩いていった。



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「ウインドカッター!」


ルナが呪文を唱えると風の刃が飛び、俺が森に出て初めて会った鹿を真っ二つにする。


「どう、詠唱しながら魔法撃った感じは。」


「うーんと、たしかに消費魔力がなってきてる気がする。」


へぇ、確信はなかったけどやっぱりスキルが無くても〈詠唱魔法〉と〈創造魔法〉の使い分けができるらしい。


だけど、〈詠唱魔法〉をスキルと同じく消費魔力を20分の1にするには、今回で言うと『ウインドカッター』を何回も繰り返して撃たなきゃいけないみたいだな。


「みのる、かんがえごとしてないで早く収納して!」


「ああ、わかった。」


俺は時間が許す限り鹿から血を抜いて〈アイテムボックス〉に収納する。


言わなくてもわかるかもしれないが重さを減らして沢山入るようにするためだ。


「みのる、向こうにウサギいる。」


「うわぁ…あのウサギか…」


俺はウサギが鹿を食っていた風景を思い出す。


「あのウサギドラゴンや鹿と違った感じでおいしいよ。」


「へぇ、食ってみたいな。」


「じゃあ、いこう!」


そうして俺たちはしばらくのあいだ鹿とウサギをから続けた。


ちなみにウサギはすばしっこかったがルナが地面を凍らせたら何も出来なくなって簡単に倒せた。



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森で動物を仕留め、肉を手に入れるため狩りをしてると俺は一つの異変を感じた。


「?どうしたのみのる?」


「……ゴレさんが送還した。」


「え?」


俺達が外に出る時、ゴレさんには結界に残ってもらい、異変があったら自分で送還してくれと頼んである。


あの結界は基本的に俺が許可しないと入らない。


ただ、何か危機的状況にあって、俺たちに明確な敵意、大雑把に言えば俺たちをエサと思っていない動物や非人道的なことをしない人は入れるようになっている。


「ルナ、一応戻ろう。

何が入ってきたかわからない結界の中に疲れた状態で戻りたくない。」


今はまだ体力と魔力が大量に残っている。

ここに来る人がいるかわからないがあたりの動物からしてそれなりの強さを持っているだろう。


悪人は入らないようにしてるけど何処まで信用すればいいかわからないからな。


いつでも反撃できるようにしておきたい。


「うん、ゴレさんも心配だしもどろう…みのる。」


いや、ゴレさんは送還したから今はこっちにいるから心配ないんだけど…。


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作者 次回、新キャラ登場!

女神 危機的状況にあるみたいだけだ大丈夫なの?

作者 ただ食べ物が無くなっただけだから何の問題もないな。

女神 …なんだろう。すごいポンコツの波動を感じる。

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