レモネード

(1)


 初対面の君とあんなにも長く話し込んでしまったことが、僕にとっては意外だった。でも、案外芸術家というのは皆そういうものなのかもしれない。自分以外は皆お客さん、そういう立場で君も絵を描いていたのかもしれない。


 ただ、気になることが一つだけあった。君は別れ際に、毅然とした声でこう言った。


「でもやっぱり、わたしの絵には余白が必要なんだ。これは変えられないよ」


「うん。君自身のやり方を貫くと良いと思う」


 僕はなんとなくそう答えた。そう答えるのが良いような気がした。それが例え間違っていることでも。


 芸術家には芸術家のプライドがある。しかし、それは一般人であっても同じだ。誰にでも、超えられない一線、超えたくない一線というものがある。しがない生活を送っている僕にも、そういう種類の感情はあった。例えば、君との関係は恋愛関係ではない、これは今でも信じている。僕は初対面の君に対して、恋をしたのではなかった。


 根が生真面目すぎるせいかもしれない。僕は「こう」と決めたことは譲らない性格だった。例えば、任された仕事は疎かにしない。なので、先日のように徹夜仕事をやらされてしまうこともある。誰かが欠勤した。その穴埋めを頼む。そんなことを言われることはしょっちゅうだった。


 そのころの僕には、決めていることが一つあった。それは毎日レモネードを飲むということ。べつにその飲み物が好きだったわけではない。これは僕らしくないかもしれないが、その習慣はなんとなく始まった。そして、今でも続いている。


 僕の仕事はいわゆる肉体労働なので、熱がある時でも無理して出勤しなくてはいけないことは往々にしてある。というより、風邪を引いても病院に行く暇などはなかった。一度休んでしまえば、職場での信頼が失われてしまう、という事情もある。生活が不安定な立場にあるのは、君と同じだった。


 君と出会った日は、いわゆる「ダブル」というもので、昼勤を終えた後に続けて夜勤も行う、そんな日だった。だいたい朝の8時くらいから仕事を始めて、仕事が終わるのもやはり朝の8時くらい。通勤の時間を含めれば、30時間くらいは起き続けていることになる。そんなことは過去にも何度となくあった。


 やはり、僕が僕自身のことを話すのは苦手だ。それは、話が大げさになってしまわないかと危惧するせいだろう。


 その日の僕も、ダブルの仕事を終えた後だった。夕方には続けて夜勤の仕事が待っているはずだった。しかし、僕は39度近い熱を出して起き上がることが出来なかった。


 ミニマリストを気取っているわけではないが、僕の部屋にはほとんど物がない。食事も外食かコンビニの弁当で済ませていた。ただ、冷蔵庫の中にはレモンが1個だけ入っていた。それはなぜだったろう。そのころに「レモン」という曲が流行っていたせいかもしれない。スクイーザーも持っていないのに、僕はスーパーで見かけたレモンを1つだけ衝動買いしてしまった。


 しかし、それは僕にとってはまさに幸運だったと言って良いだろう。さっき言ったように、僕は39度の熱を出して起き上がるのも困難だったからだ。僕は這うようにして台所に行き、冷蔵庫の中身を調べた。食べられそうなものは、そこには入っていなかった。1個のレモンの他には。災害時の非常食なんかも、僕は用意してはいない。


 熱に火照った体は、動くたびにあちこちが痛んだ。外へ買い物に行くことなど、出来そうになかった。


(夜には仕事があるのに……)


 と、僕は思う。休むことは僕のプライドが許さない。「体力以外に僕に取り柄なんてあるだろうか」と、そのころの僕は考えていた。ただ、僕の体の火照りと痛みは、僕だけの力ではどうにも出来そうになかった。医者へ行くべきかどうか、僕は迷った。しかし、今はその体力さえない……。



(2)


 食べられるものがレモン1個しかない、というのは難問だった。日ごろから栄養管理をしておけば良かった、と僕は後悔する。コーヒーなんかを飲めば、体は余計に衰弱しそうに思えた。気力でなんとかなる状況ではなかったのだ。


 僕は僕自身の体力を過信していた。健康な人間でも時折タガが外れたように体調を崩してしまう、そういうことがあるのを僕も知らないわけではなかった。しかし、僕は日々の仕事に忙しく、そんなことはすっかり頭の中から抜け落ちてしまっていた。


(レモン1つでどうしろと?)と、僕は思う。


 先に書いたように、僕の部屋の中にスクイーザーはなかった。僕はアルコール類も飲まない。それなのにレモンを買ってきてどうするつもりだったのだろう、と思うと、途端に僕は笑えてきた。


(まるでこの時のために買ってきておいたかのようだ)


 などと、のんきなことを考える。その間も、体は熱と痛みで火照っている。


 スクイーザーがなければ仕方がなかった。僕は包丁を使ってレモンを薄い輪切りにしていく。そして、これも部屋の中に1つしかないコップに、渾身の力を込めてしぼっていく。コップの底には、5ミリメートルほどの高さにレモンの果汁がたまった。


 僕は力を使い果たしたかのように、コップに水を注ぎこむ。そして、その手製のレモネードを一気に飲み干した。砂糖などで甘み付けをする、という考えはその時の僕にはなかった。何よりも、砂糖などを入れれば吐き出してしまいそうだった。


 全身から汗が噴き出す。僕は倒れ込むようにしてベッドに横になる。そうして、眠ったのはどれくらいの時間だったろう。多分、20時間ほどは眠り続けたのではないかと思う。僕にとっては何年かぶりの病気――風邪だった。


 職場からは携帯電話に留守電が入っていたが、電話が鳴ったことにも僕は気づかなかった。ただ、死んだように眠っていた。翌日に目を覚ますと、一番に職場からの電話が入った。


「おい、どうした」


 と上司が言う。「やっとつながったよ……」と、背後の同僚に声をかけているのが耳に入った。


 上司は怒っているのではなさそうだった。僕が日ごろから無理を聞いてくれることを、彼も知っていたからだ。突然に連絡がつかなくなって、彼はごく普通に心配をしてくれていた。というより、「僕が死んでしまったのではないか」と、職場の全員で焦ったそうだ。そういうことを、僕は後で職場の同僚から聞いた。


「済みません、起きられなくって……」


 と、かすかに僕は答える。熱は引いているのが分かった。しかし、全身のけだるさはそのままだった。


「電話したの、知ってたか?」


「知りませんでした。済みません」と、何度も謝る。


「いや、良いんだって。穴埋めは利いたから」


 僕は上司の優しさに感謝するとともに、再び気を失いそうになった。しかし、そういうわけにも行くまい。


「今日は出られるか?」


「出ます」


 と、僕は答えていた。


「勢いだけでやってるとそうなるから、気をつけろよ」と、上司。「ちゃんと食ってるのか?」


「昨日は何も……」


「そうか」――どうやら、彼にもそうした経験があるようだった。若い時には誰もが無理をするものだ。若い僕が言うのは変だが、上司は様々な仕事を経験してきただけあって、人生の山や谷を見尽くしてきていた。若い部下が病気で倒れることを、無下に罵倒してみせたりはしない。


 その日の仕事はなんとかこなすことが出来た。結局、僕が穴を空けたのは1つのシフトだけだった。僕の後輩が代わりに仕事を受け持ってくれたらしい。そしてその日が、僕がレモネードを飲むことを日課にした最初の日だった。それは、僕にとってはお守りかおまじないのようなものでもあったろう。幸い、その日以来仕事を休んだことはない。



(3)


 僕が君と出会った日にも、僕は自分の部屋に帰ってきてレモネードを飲んだ。今ではしっかりとスクイーザーも用意してある。そして、ベッドに横になる。その時ふと、僕はあることに思い当たった。


(お互いの名前を聞いていなかった)


 ということだ。


(こんなことは芸術家の世界ではよくあることなんだろうか?)


 と、僕は悩む。


(僕は余白……。僕は彼女にとっての余白だったのだろうか)


 しかし、僕は君にとっての余白ではなかったらしい。というのは、2度目に君に会った時にも、君は僕のことを覚えていたからだ。


 運命がそう決めたのだろう。僕が君と2度目にあったのは、街中でのことだった。僕と君の家がどうやら近くにあるらしい、ということはなんとなく僕も気づいていた。だから、もう1度出会えるのであれば、やはり平瀬川の河原でだろう、とそう思っていた。しかし、予想というのは常に裏切られるものなのかもしれない。


 国分こくぶ通りというのは、S市のほぼ中央にある通りだ。ターミナル駅からは離れているものの、この街では一番の繁華街になっている。昔は色町だったそうだが、今ではファッション雑貨のお店や飲食店などが立ち並んでいる。若者向けの街だと言って良かった。


 君はその同伴者といっしょに、国分通りを南に向かって歩いていた。つまり、僕のいるほうへ。その同伴者というのは、どうやら君のルームメイトらしかった。


 君の姿を見かけた僕は驚いた。君は前回会った時とは違って、フォーマルな感じの黒いワンピースに、カーディガンをはおっていた。それがどうやら、君が正装する時のいでたちらしい。後で話してみて分かったことだが、君は今度個展を開く画廊の下見と契約に行っていたのだった。


 フォーマルな格好をしていても、君の様子は子供っぽく見えた。それは、君の同伴者がいかにも大人っぽい様子をしていたからかもしれない。彼女はビジネス・カジュアルにパンプスを履いていた。いかにもOLという感じがする。どうやら、君とそのルームメイトとは同業者、つまり画家というわけではなさそうだった。


 君のほうでも僕を見て驚いたのだろう。


「あら、この前の……」


 と言った。君は横を向いて同伴者と顔を合わせる。


「この人はね……」


「ああ、あんたが荷物持ちをさせたっていう」ルームメイトは淡々と答える。


「えっとね、この子は△△ちゃん……それで、こちらは」と、言った後で君は悩む。


 どうしても僕の名前を思い出せないのだろう。それはそうだ。僕たちはお互いに名乗りあっていなかったのだから。僕は思わず噴き出した。


「〇〇、もしかしてこの人の名前知らないんじゃないの?」


「そうかもしれない。そうなのかなあ」


 3人は思わず笑った。


「僕は✕✕。君は〇〇って言うんだね」


 2人の言葉を引き取って、僕が言った。それが初めて、僕と君とが名乗りあった瞬間だった。僕の中に、君という人間のイメージが広がっていく。名前というものは大事だ。


 僕はやはり夜勤明けで、君は北山通にある画廊からの帰りだった。国分通りを少し進んだ先には、マルエツという書店がある。同伴者と画廊へ行った帰り、君はそこで画集などの本を漁るつもりでいた。ところへ、僕が偶然通りかかったというわけだった。僕はと言えば、どこかのファーストフード店にでも入って、食事をするつもりでいた。


「ねえ、せっかくだから」と、君が言う。


「あなたにお供してほしいみたいだよ」と、ルームメイトの女性。


「良いよ。今日も僕は午後は暇だから」


 僕は芸術家たちの馴れ合いに慣れていない。初対面で話をしたり、家までついて行ったり、2度目でショッピングにつきあう、そうした経験は今までなかった。しかし、そうしても良い、という気分に僕はなっていた。やはり徹夜明けというのは、大胆になったり、寛大な気持ちになる。



(4)


 1つだけ気になったのは、君の同伴者がなぜOL風の格好をしているのか、ということだった。画家の道は諦めてしまったのだろうか。僕は尋ねてみる。


「あなたは絵を描かないんですか?」


「ああ、あたしは止めちゃったの」


 君のルームメイトはそっけなく答えた。芸術家になる道というのは、そんなに簡単に諦めてしまえるものなのだろうか、と僕はいぶかった。詳しく聞いてみると、今は会計の勉強をしているということだった。すでに簿記1級の資格は取ってある。将来は公認会計士になるつもり、と彼女は答えた。


 僕が君のルームメイトと話している間、君はずっとにこにこしていた。自分が中心人物になりたい、という性格ではないらしい。そのことは僕にとっては意外だったけれど、ほっとした。この前のようなペースに巻き込まれては困る、とも思っていた。3人で歩いている間、君はずっと無言だった。


 マルエツという書店に入ると、君はまっすぐに洋書が置かれている本棚へと向かっていった。そこには、海外から輸入された画集が並んでいる。国内版の画集では見ることが出来ない絵も、洋書であればある程度先んじて見ることが出来た。


 僕は、画家と言えばゴッホやルノアールの名前しか知らない。しかし、君はジャン=ピエール・カシニョールやベルナール・カトラン、レオノール・フジタといった名前を挙げていく。カシニョールくらいなら、どうにかその名前を聞いたことはあった。しかし、その他の名前は僕が初めて耳にするものばかりだった。


 その中でも、君はベルナール・カトランの絵がお気に入りらしかった。画集のページを指さして言う。


「この人の絵ってね、見かけによらず厚塗りなの。サイズも大きいし、構図がシンプルなのに大胆で荒々しいんだ」


 その顔はほころんでいた。「いつか自分もこんな絵を描いてみたい」という顔つきだった。


「〇〇って、大判の絵は描かないよね?」


「材料代が高くつくから……」


 君は恥ずかしそうに言った。キャンバスのサイズで言えば、君の絵は10号から15号くらいまでの絵が多い。大きなものでも、20号を超えるものはそう多くはなかった。このキャンバスのサイズに関する知識は、僕がもっと後になってから学んだものだ。その時にはまだ、30センチメートルとか40センチメートルとか、通常の単位でしか大きさを測ることが出来なかった。君によれば、ベルナール・カトランは2メートルを超えるくらいのサイズの絵も多く描いているということだった。


「ねえ」と、君は言う。


「今、この本棚がバーンってバクハツしたら、面白いと思わない?」


「何言ってんの、〇〇?」


「いやさ、この本棚がバクハツして、画集から絵の具が飛び出して、それが店内にばらまかれるの。面白いと思わない?」


 何が面白いのか、僕には分からなかった。画集が爆発しても、決してそこから絵の具が飛び出してくるわけじゃない。ただ、印刷物が木っ端みじんになるだけだ。芸術家の想像力というのは、こんなものなのだろうか、と僕は不思議がる。


「この子っていっつもこういうことを言い出すんだよねえ」


 と、君のルームメイトが言った。彼女も僕と同意見らしかった。君が今言ったことは、あまりにも突飛だ。


「2人ともツマンナイなあ。芸術って、生きているんだよ。この本の中のインクがさ、突然に命を持って、絵の具に変って、わたしたちの顔が絵の具まみれになって……そういうのって、楽しいと思うんだ」


「だからわたしは絵を止めたの。絵描きをやっていると、どんどん心が絵が侵食されていくから」


「それで諦めたら駄目なんだよ。その先へ行かないと……」と、君。


「あんたの絵は売れると思うよ。だって、絵に侵食されているから」


 君のルームメイトは、どこか冷めている感じがした。僕は、そのそっけなさだけは気に入らなかった。せっかく知り合ったから、ではないが、僕は君の画業を応援したかった。



(5)


 僕の勤めているのは、インテリアやエクステリアを受注して受け持っている会社だった。と言っても、主に請け負っているのは店舗のインテリアなどで、お店の壁紙を張ったり、ショーケースの陳列を考えたりする仕事だと思ってもらえれば分かりやすいだろう。その他に、デパートのイベントのデコレーションや、クリスマスツリーの飾りつけなんかを行うこともある。


 その日も、あるお店の内装を手がけてきた帰りで、僕はまだ食事を取っていなかった。マルエツ書店のフロアの奥には、茶源堂という喫茶店がある。僕たちは3人でそこに入ることに決めた。君と君のルームメイトはすでに食事をしてきたらしく、アイスティーとホットコーヒーを注文した。僕は、腹の足しになるものを食べたくって、ミックスサンドとレモネードを注文する。


「レモネードが好きなの?」と、君。


「まあね。癖になっているんだ」


「もしさ、レモネードの雨が降ってきたりしたら面白いよね」と、はしゃいで君が言う。


 それに対して君のルームメイトはクールだった。


「あんたはまたそういうことを。あんたの場合、レモネードというよりレモンサワーでしょう?」


「わたし、お酒飲みじゃないよ。もしくはさ、蛇口をひねったらレモネードが出てきたり……」


「そういう突拍子もないことはよく考えつくよね」


「何よ、あなたはビジネス・オンリーでしょう?」


「もう芸術の世界からは離れたの」


 単純な馬鹿話、と言っても良かった。それでも、2人の会話は芸術家の会話、という感じがした。あの線が1ミリメートルずれていた。もう5ミリメートルくらいの幅を出せば良かった、などという話を聞いていると、僕の仕事にもつながる考え方、物の見方だと思えてきた。そういうことであれば、僕も話題に乗っていけるかもしれない。


「そう言えばさ、『根なし草』ってあるじゃない? あれって、本当に根のない草だったら面白いと思うんだ。夜になると、こっそりと後ろを追いかけてくるの。枝分かれした茎の部分で歩いてさ……」


「今度はオカルト?」


 さすがに僕は苦笑した。どうやら、芸術家のアイディアというものは尽きないものらしい。「無尽蔵」という言葉を僕は思い出していた。そう。芸術家には無尽蔵な想像力がある。それに比べれば、僕のしている仕事に必要な想像力などたかが知れていた。僕は芸術家にならなかった自分を幸運だと思った。とても僕の神経では耐えられる仕事ではなかっただろう。


 僕はサンドイッチを口に運ぶ。君のアイスティーとルームメイトのホットコーヒーは、ほとんど減っていないようだった。2人とも話すことに夢中になっている。それはどこか恋する者同士の会話を思わせる。次から次へと話題が現れては消えていく。それに対して、君のルームメイトは的確に反応していく。2人の信頼関係を僕はうらやんだ。


「そう言えばさ、わたしたちアドレスの交換をしていなかったじゃない?」


「アドレスって、メールアドレスのこと?」


「そう」


「お互いに名前すら言わなかったもんね」


「今度個展に来てよ。だから連絡先を教えてほしいんだ」


「良いよ。でも、君の絵を買うお金は持っていないかもしれない」


「良いんだよ。そうやって口コミが広がれば、絵を買ってくれる人もだんだんに増えていくから」


(そういうものなのだろうか)と、僕は思った。


 僕は2人にメールアドレスと電話番号を教え、2人分のそれを自分の携帯電話に記録する。スマートフォンは持っていなかったので、LINEの交換をすることは出来なかった。2人とも、なぜかそのことを残念がっている。どうやら、普段の会話はLINEを使って行っているらしい。僕は僕なりの想像力で、そう考えることにした。


 茶源堂のレモネードは甘かった。おそらく、蜂蜜か液糖が入っているのだろう。僕はきっと、家に帰ってから口直しをしなくてはいけないだろうと思った。しかし、その店のレモネードの味は、僕にとってはずっと忘れられないものになりそうだった。

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