駄菓子屋
あの駄菓子屋はいつも人でごった返している。老若男女問わず多くの人が集まるその駄菓子屋は僕の生まれる少し前からあるらしい。他の駄菓子屋とは違って店頭に立つおじさん、といってもお父さんと同じくらいだから40代後半くらいのおじさんが自分で作ったお菓子を販売している駄菓子屋だ。
できてすぐは急に街に来た中年がお菓子を作って売っているだけあってみんな怪しんで行かなかったり一時期は変なものが入った菓子を売ってるなんて噂もあったけど今はすっかりこの街にも溶け込んでみんなあそこの駄菓子は美味しいって言ってる。おじさんはいつも笑顔でちょっと不気味なところもあるけど「いっぱい食べな」「家族や友達にも分けてあげな」って無料でお菓子をくれたりするんだ。とてもいいおじさんで僕も大好きなんだ。ずっと怪しんでたパパとママもこの前もらったお菓子を食べさせたら美味しい、もう一度食べたいって。今ではこの町であの駄菓子屋を怪しむような人はいない。今日も家族であの駄菓子屋に行くんだ。平日だけどみんな休みを取ったらしい。早く食べたくてたまらない。楽しみで震えが止まらない。
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