第2話 チュートリアル


目を開くとそこは森の中であった。

「マジで意味がわからん…」


周りを見渡すがごくごく普通の森の風景で異世界感は感じられない。

それに道は無くどちらに向かって歩けば村に行けるのかもわからない。


そこに突如、少女の悲鳴が近づいてくる。

「きゃーーーー、助けてぇぇーーーーーー!!」

10歳くらいの少女が、何かから逃げている。


ふと少女と目が合う玲王

少女が玲王を見つけた途端、急旋回して玲王の方に駆け寄ってきた。


厄介事が重なり頭を抱える玲王

「やれやれ…」


女の子が玲王の後ろに隠れた。

茂みからはイノシシのような動物が飛び出してきた。


体毛は黒く逆立っており、牙以外に額には尖った角が生えていた。目測で60〜70センチはあるだろうか。イノシシよりも醜悪な見た目をしている。


イノシシが玲王に向かって突進してくる。

このままのスピードで突っ込まれたら二人ともタダでは済まない。


玲王は咄嗟に足元に落ちている石ころを2つ拾いイノシシに向かって投げた。

ビュン!!!

「!?」

想像していた以上の速さで石が飛んでいく事に驚いた。

これも転生した影響なのだろうか?


投げた石は高速で飛んでいきイノシシの右目と鼻にクリティカルヒットした。

「プギィィィ」

イノシシは痛みで立ち止まり首を振っていた。


その隙を見逃さず、イノシシの鼻に華麗な回し蹴りを入れる玲王。

イノシシはふっ飛ばされ仰向けに倒れ込んだ。


(レベルが上がりました。)

謎の声に困惑する玲王


急に女神の声が頭の中で響く

(レベルアップしたおかげで少しだけ喋れるようになりました。)

「どういうことだ!?さっきはよくも…」

(あ、あまり時間がないからあなたの能力を1つ説明するわ!手をかざして

エクスカリバーと叫んでみて!あなたが思い描くどんな武器にもなるの!!)

「そんな恥ずかしいこと出来るか!」

(元の世界に帰るにはやるしかないのよっ!!)


ピコーンピコーンピコーンとまた警告音がなる。


(やば!とりあえずハジコ村に向かってー!絶対だからねー!!)

プツンッ

一方的に伝えて消える女神


ズボンを掴みながら話しかけてくる少女

「…いちゃん…お兄ちゃーーん!助けてくれてありがとう!でもどうして1人で喋ってるのー?大丈夫??」


ふと我に返る玲王

女神の声は他の人には聞こえないようだ。


「お、お前はここで何をしていた?」

「薬草を取りに来てたの」

「1人なのか?こんな森で危ないだろ」

「ごめんなさい…」

「危ないから送ってやるよ。家はどこなんだ?」

「ハジコ村だよ!あっち!」


少女が指を指す

「ハジコ村?俺もそこに用事があったんだ。案内してくれ。」

「うん!ありがとう、カッコいいお兄ちゃん!!」


道中では少女の名前を教えてもらった。


「私ルナっ!12歳だよ!」

「玲王だ」

「その格好どこから来たの?」


よく見たら、ワイシャツとスーツのズボン姿だった。商談中か何かだったのか?

ここに来る前の記憶がよく思い出せない。


「どこだろうな。自分でもよくわかっていない」

「そっか……。」


わからないことは考えても仕方がない。とりあえずは目先の事に集中しよう。

(まずは衣食住をなんとかしないとな)


そうこう考えているうちに村の入口が見えてきた。

「あそこだよ!!」

村の中に案内される玲王

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