第77話 ※説明回(読み飛ばし推奨)
『 2028年度 ライセンス試験講習教本 探索者クラン本部監修 Ⅱ 』
〇第3章 ダンジョン配信
[1-1 配信者]
ダンジョン配信を行う者達をダンチューバーと呼ぶ。
狭義の意味では浅層階を周回しながらダンジョン配信を行う者達の事をダンチューバーと呼び、冥層への到達を目指すガチ勢の配信者とは厳密には区別しなければならない。
2028年現在、ダンジョン配信はすでにレッドオーシャン化しており、ダンチューバーは個性がないと生き残れないと言われている。
また、配信者の多くは収益を上げることができず、ごく一部の者達のみが成功しているのが現状である。
なお、ダンチューバーは前日までにその日に入るダンジョンについて探索者クランへ報告する義務がある。
これにより、探索者クランの公式SNSにその日のスケジュールが掲示される。
[1-2 リスナー]
現在、ダンジョンの出現からすでにかなりの月日が経過しており、世間のダンジョンについての関心は薄れてしまっている。
そのため、ダンジョン配信を見るという行為はマイナーな趣味となっている。
かつてリスナーは戦術に長けている探索者を応援していたが、今ではアイドル性、キャラクター性が高い者を応援する傾向にある。
浅層階を周回するだけの配信を視聴する者が減らない理由としては、どんなに弱いエネミーとの戦いでも命がけであることには変わらず、画面越しの戦闘を通じて刺激的な体験を得たいという視聴者の欲求が存在するためだと考えられる。
[2-1 ダンチューバーの総数 Ⅰ]
1日に約300のチャンネルでダンジョン配信が行われており、割合としてはおおよそ以下の通りとなる。
東京・関東圏 約150チャンネル
大都市圏 約100チャンネル
その他地域 約50チャンネル
全国に存在する3分の1のダンジョンでは、1日に1人の割合でダンチューバーが潜っている計算となる。
[2-2 ダンチューバーの総数 Ⅱ]
全国の高校生の総数は約300万人。
1校あたりの生徒数は平均で600人と定義。
登録された探索者の数から割り出すと、その内一度でもダンジョン配信を行った経験のある者は1万人ほどいると推測できる。
高校生の300人に1人がダンジョン配信をした経験があるという計算となる。
[2-3 マジョリティの理論]
ほとんどの高校生は一生の内に一度もダンジョン配信を行わない。
以下が主な理由と考えられる。
命を失うリスクがあるから。
恥ずかしい行為だから。
青春時代に捧げるべきものではないから。
今から始めても稼げないから。
学校から禁止されているから。
興味がないから 等々。
[2-4 考察]
浅層階を周回する探索者が増えた理由として以下の理由が考えられる。
Ⅰ.エネミーはダンジョンから出られないという事が判明し、命がけで冥層を目指す必要がなくなったため。
Ⅱ.パーティを組む者が減り、1人での探索が主流となったため。
Ⅲ.中層階・深層階へ到達するにはハードルが高すぎるため。
Ⅳ.ダンジョンの探索は運の要素が大きく絡んでおり、浅層階を周回するだけの方が命を失うリスクが少ないため。
[3-1 配信形式]
基本的にダンチューバーは、小型ドローンを自動追尾させながらライブ配信を行う。
なお、2台の小型ドローンの使用は電波干渉が起きる可能性があるため、至近距離において2人以上が同時に配信する事は禁じられている。
パーティの場合、代表者1名が配信する決まりとなっている。
ダンジョンの内部には小型の基地局がいくつか設置されており、そこから電波を拾って配信を行う。
現在、小型ドローンを使った配信が主流となるが、身元がバレるのを防止する観点でメガネカメラ等のFPVのカメラを使用して配信を行う者も存在する。
[4-1 探索者クラン]
探索者クランの運営は、下部組織の【
ダンジョンの地下29階には監視カメラが設置されており、探索者クランは地下30階より下へ降りる者がいないか監視する責任を負っている。
なお探索者クランには、法の代行者として『ダンジョン法』を破った者を逮捕する権限も与えられている。
[4-2 神を斬獲せし誓い]
探索者クランの下部組織であり、優秀な探索者だけを集めたパーティという側面を持つ。
引き継ぎ制を採用しており、パーティのメンバーは高校を卒業するまでに優秀な探索者をスカウトまたは指名して、パーティのメンバーとすることができる。
全国のダンジョンに赴き、自由に調査できる権限を所有している。
また、ライセンス試験の監督責任も負っている。
〇第4章 ダンジョン世界の概念
[1-1 ステータス]
基本的にステータスは、「LV」「HP」「基礎攻撃力」「戦闘値」の4項目で構成される。
「筋力」「技量」「魔力」「耐久」の項目に関しては、探索者クランに登録されているすべての探索者と比較し、自動的に数値がランキング付けされる。
なお、ダメージ計算は以下の通りと考えられる。
エネミーを倒すたびに経験値を獲得し、ステータスの数値は上昇していくが、ダンジョンから地上に戻るとすべて初期値に戻る。
[2-1 スタイル]
ダンジョンに入る際、高校生だけが『スタイル』を所有できる。
なぜ高校生だけがスタイルを獲得できるのか、この問題は現在も識者達の間で議論の対象となっている。
スタイルはそれぞれが固定のため、変更する事ができない。
スタイルとはアバターのようなもので、それぞれのスタイルに合わせて見た目が変化する。
変化対象は「髪型」「衣服」「装飾」の3点となる。
[2-2 種類]
現状、8種のスタイルが確認されている。
戦士職は4種。
魔術職は4種。
[3-1 遺物]
ダンジョンで拾える遺物のカテゴリーは、武器、
遺物には「レッド」「グリーン」「ブルー」という3種のレアリティが存在する。
遺物は計3個までホルダーにストックする事ができる。
[3-2 排出率]
遺物は解放してからどんなものが排出されるかランダムで決まる。
以下の遺物を解放した場合、次の確率で魔導書が発現する。
【レッドキューブ・火属性魔法】
47.72%
19.86% 鬼焚きの魔導書 (★★★★)
17.21% スヴァローグの魔導書 (★★★★)
5.76%
5.76% 流星火の魔導書 (★★★★★)
3.69% プロメテウスによる焔群の魔導書 (★★★★★)
[3-3 備考]
遺物はダンジョンから出るとすべて消えてしまう。
アイテムの遺物から排出されたジェムは使用すると消えてしまう。
これまで拾った遺物は、ボディコンソールの図鑑にコンプ率とともに反映される。
魔導書の魔法は使用回数が決まっている。
たとえば『延炎の魔導書[4]』を手に入れた場合、4回までしか魔法は使用する事ができない。
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