第20話 2ndダンジョン Ⅳ

「スタイルチェンジって、僕はそう呼んでます。スキルによってスタイルを書き換えることができるんですよ。だから、僕は適性のある遺物キューブを選んで使うことができるんです」


:ん?

:はぁ?

:書き換えるとかwwせっこwww

:またよくわからんチート設定が出てきたw

:スタイルチェンジ・・・?

:勝手に名付けんなw

:ほうほう

:エネミーもいい迷惑やんw

:スキルってなに?

:アニメの観すぎだろコイツww

:語るねぇ

:マジで何者なん?


「口で説明してもわかりづらいと思いますので。実際にやってみますね」


 試しにスタイルを書き換えてみることに。




 暗殺者アサシンから別のスタイルへ変貌するようにイメージを膨らませていく。

 

 煌びやかな閃光が頭の中で弾けたその刹那。



 ジャァァァン!



 よし。

 弓士アーチャーにスタイルチェンジできた。


 一度カメラに向けて手を振ってみる。


「どうでしょうか? 僕の姿見えてますか?」


:おおおおおおお

:腕が見えるぅー

:!?

:ええww

:エデンって実在したのねw

:なんか感動

:うそぉぉぉ~~~

:体が透明じゃなくなった!?

:まじでスタイル変えてるやんww

:すごっw


 どうやらリスナーさんにも信じてもらえたみたい。



 そのとき。


「「「アッアッオーーーウ」」」


 森林タイプの通路の奥から。

 珍しいエネミーの集団が姿を現した。

 

(あれは・・・構造体ベルゼビュートかな)


 ブロックで構成された形態で宙に浮かび、状況に応じて姿を変えてくる敵だ。

 人の姿を模倣したり、ほかのエネミーを真似たり。


 その怪異な見た目から戦いを避ける探索者も少なくないみたい。

 

 しかも、厄介なことに。

 敵は今地形の恩恵を受けて、通常よりも速いスピードで攻撃を仕掛けることが可能だったりする。


 考えるよりも先に手が動いた。


 亜空間から呼び出したホルダーをその場に展開させると。

 ストックされた[弓]のブルーキューブを1個取り出す。


「虚無の奥底より響く幾何学の鎖を解き放ち、真実の輝きを我に宿せ――レリーズ!」


 ============================


 【青薔薇の狩弓】


 色鮮やかな薔薇を配合して造られた美しい弓。

 主に狩人が使用し、射撃の反動をそのまま腕に伝える。


 [武器効果]

 敵に命中すると追加ダメージ+15%


 [レアリティ] ★

 [種類] 武器ウェポン

 [系列] 弓

 [攻撃力] 200

 [重量] 1

 [必殺技] ブリーズブラスト


 ============================


(星1か。まあこれは仕方ない)


 ウェポンのキューブを途中で拾えただけでも感謝しないとね。


 すばやく矢を装填すると、狙いを定めて瞬時に放つ。


「必殺技――ブリーズブラスト」


 ビュゥゥ!


 それは見事にエネミーの図体に突き刺さった。

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