第7話 積み重ねてきた努力
頭の上からシャワーを浴びる私。温かいお湯から出てくる白い湯気が、私の露出した肌を覆い隠す。
濡れた揉み上げを耳にかけ、両手で器を作りお湯を溜める。溜まったお湯をバシャッと一気に顔へかけて、軽く洗い流した。
キュッとレバーを下に下ろしシャワーを止めた後、ふぅっと息を吐く。そして、私は頭を下へ向け私の視界には自分の胸が映る。
自分で自分の胸を見た私は、少し前の出来事を思い出した。
ミズキの気を引く為に、自分で胸を触らせたのは良いけど、思いの他異性に胸を触られる感覚が恥ずかしくてたまらなかった。
ミズキが私の胸を触っている時の瞬間、そして自分の胸を触られている時の感覚が同時に蘇ってくる。
「……………」
私はまたもや自然と顔が赤くなる。
だけど、恥をかいてまで行動をした分、私からすると大きく収穫出来た事がある。それは、ミズキの『反応』!
「やっぱり、ミサカが言ってた事………本当っぽい」
私は自分の胸を自分で触る………。
程よい重みに弾力を感じる自分の胸。そして、メイド長のミサカとのある会話が脳内で再生され始めた………。
☆☆☆
『マトイ様、突然ではありますが………女性にとって大切な要素とは、何かお分かりですか?』
『………? 女性にとって、大切な要素?』
『はい、大切な要素です』
この会話は、私がまだ小学5年生になって間もない時の事。私の教育係であるメイド長の
『んーっと………家事が出来る事?』
『まぁ、もちろんそれも大切ではありますが、女性と言えばスタイルです』
『スタイル?』
ミサカの言葉に、あまり納得がいっていなかった私は、首を少しだけ傾げる。そんな私にミサカは説明するように話を進める。
『男と言う生き物は、女の顔とスタイルをよく見ます。可愛いくてスタイル抜群の女にとても惹かれやすいものです』
『………そ、そうなの?』
『はい、マトイ様、よく考えてみてください。マトイ様の大好きな瑞希様は、立派な男の子であられます。もし、マトイ様がスタイル抜群の美人に成り上がれば、瑞希様はそれはもうマトイ様にメロメロでしょう』
『………っ! ミズキが、私にメロメロ………!』
『はい。メロッメロのメロメロです』
『ミサカ、詳しく聞かせてちょうだい!』
ミズキが私にメロメロになる。その言葉に私は目を輝かせて、食事ではなくミサカの話に全ての意識を向けた。
『えぇ、マトイ様。これは全国で共通の事ですが、男のほとんどは女のある部位に最も興味を抱きます。どこか分かりますか?』
『………えっと、分からないわ』
私はまだ幼い自分の体を見渡しながらそう答えた。すると、ミサカは自身の右手を胸の上に置くと、こう答える。
『マトイ様、それは………ここ。胸であります』
『胸………っ!』
私はミサカを真似するように、まだ未発達の自分の胸を押さえた。
『はい、女の一番の特徴はこの胸。胸が大きい女であればあるほど、男は自然と興味を惹かれ、意識し始めます。マトイ様はすでに顔立ちがとても良く、スタイルも良い。あとは、胸が大きく成長すれば瑞希様はマトイ様の事が頭から離れられなくなるほど意識し、好きと言う感情を抑えられなくなるでしょう』
『胸が………大きく………っ!』
ミサカは子供が興味を持ちやすいような口調で話し、私はその口調に見事に乗せられていた。
自分の胸が大きくなれば、ミズキが私の事を好きで好きで堪らなくなる。その言葉に私は、自分の小さな胸に意識を持っていかれるようになった。
『ミサカ、私………胸を大きくしたいわ! どうしたらいいのかしら?』
『さすがはマトイ様。判断がお早い。最も簡単な事ですよ。マトイ様は今後、体が大人の女性へと成長していく時期に入ってきます。それと同時に、胸の成長を良くする手助けをすれば良いのです』
『胸の成長を手助け………? どう手助けするの?』
私の質問に対し、ミサカはある物を私の前に出す。それは、1つの牛乳が入った紙パック。
『こちらの牛乳を、毎日朝食後と寝る前に飲みましょう』
『牛乳? 学校の給食にも出るけれど、それを飲めば胸が大きくなるの?』
『はい。牛乳には女性ホルモンを活性化させるたんぱく質が大きく含まれており、バストアップ効果がありますので、胸を成長させるのに大きく期待出来ます。簡単に言うと、胸が膨らみやすいと言う事です』
『な、なるほど………!』
私の意識は牛乳に向けられる。
『明日から毎日牛乳を飲んで、胸を成長させ、瑞希様をメロッメロにさせる。いかがなさいますか?』
『明日から牛乳を飲むわ! そして、ミズキをメロメロにするの!』
『かしこまりました』
そうして、私は朝と寝る前にも牛乳を飲む習慣を身につけた。
☆☆☆
「あれから毎日毎日牛乳を飲んで、ここまで胸を成長させてきたんだもの! ミズキに胸を触らせた時のあの反応、少なくとも意識はしていた! 私の努力は無駄じゃなかったのね!」
自分の行いに喜びを抱く私は、すっかり恥ずかしさなど忘れていた。
「ミズキの為に育ててきたこの体で、もっとミズキの事をメロメロにして、いずれはミズキと………」
私の頭の中で妄想が広がる。どんな妄想をしているのか………それは秘密っ。
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