048 ドラゴンさんはストレスがたまっている

 エメラルドドラゴンさんに、吹っ飛ばされたボクを受け止めてくれたのは、細身ほそみ黄庵おうあんだった。


黄庵

「ルナさん、大丈夫ですか?」


ルナ

「黄庵、ありがとう。」


 黄庵は、腕をいためてつらそうにしていた。


ルナ

「待っててね。 黄庵。

 【万能ばんのう治療ちりょう呪文じゅもん スリーカー】」


 黄庵の腕の傷がなおった。


ルナ

「黄庵、助かったよ。

 いまは、月夜ではなくて、昼だからね。

 無理をさせちゃったね。


 でも、ありがとう。」


 紅丸は、苦戦くせんしていた。


ルナ

青兵衛あおべえ

 エメラルドドラゴンさんのほのおを、【音色の算盤そろばん】でふせいでくれないか?」


青兵衛

「おまかせください。」


 ボクは、エメラルドドラゴンさんにかってった。

 またしても、炎をかれた。


ルナ

「ボクは、紅丸べにまるとちがって、相手をする価値がないってことだな。」


青兵衛

「買い取れません。」


 青兵衛が、買い取り不可ふかの 1バーシルを、【音色の算盤そろばん】にはじれると、炎がエメラルドドラゴンに反射はんしゃされた。


ルナ

「紅丸! 決めてしまって!」


紅丸

「【り】」


 紅丸が、まとに剣で打撃だげき斬撃ざんげきを与えると、エメラルドドラゴンは倒れて気を失っていた。


ルナ

「紅丸、黄庵、青兵衛。

 みんなのおかげで助かったよ。

 ありがとう。」


紅丸

「はっ、ちからがおよ範囲はんい幸運こううんでした。」


黄庵

「いえ、月夜なら良かったのですが。」


青兵衛

「【音色の算盤そろばん】に感謝かんしゃですね。」


ルナ

「さてと、係員かかりいんさん。」


係員B

「ひい、すいません。

 なにとぞ、なにとぞ。

 穏便おんびんにおませください。」


ルナ

有効打賞ゆうこうだしょうなんだけれど、エメラルドドラゴンのうろこ ひとり 3枚、合計12枚を欲しいなあ。」


係員B

「もちろんです。

 それなら、わたしの判断でお渡しできます。」


 ボクたちは、エメラルドドラゴンのうろこ 合計12枚を手に入れた。


ルナ

「ありがとう。

 で、再発防止策さいはつぼうしさくだけれど、エメラルドドラゴンさんはストレスがたまっているようだね。

 お休みは、1週間に何日あげているの?」


係員B

「6日働はたらいて、1日休みです。」


黄庵

「少ないですね。

 5日働いて、2日休みにしませんか?」


係員B

「それは、わたしでは決められません。

 責任者に話してください。」


ルナ

「じゃあ、呼んできてよ。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る