035 監察官(3)人付き合いの町
モンテマニー
「紅丸殿、先ほどは見事な剣の腕前を見せてくれて感謝する。
そこで、ルナたちに行って欲しい町についてだが、メクバール、説明を。」
メクバール執事
「ははっ。
ルナ様には、ここから北にあるキータムアンという町に行って頂きたいのです。
そこの代官は
「なにが問題なのでしょうか?」
メクバール執事
「彼の言う人付き合いとは、いじめの
俺の方が人付き合いが上手だ。
お前は
俺は
と、
「そんなことをしたら、町の
メクバール執事
「
「強いもの向けの顔」と「弱いもの向けの顔」を使い分けているようです。」
ルナ
「いますぐ、紅丸に
メクバール執事
「非常にずる
言い
紅丸
「いじめられている者を連れ出しても良いでしょうか?」
モンテマニー公爵
「ぜひそうしてやってほしい。
だが、他の者は見過ごしているのか?
もしくは、自分さえ安全なら、それで良いと思っているようだ。」
メクバール執事
「だんな様が、私の安全を守ってくださっているおかげです。」
モンテマニー公爵
「問題を見つけて、報告をくれるメクバールの働きには感謝しているぞ。
そこでだ、ルナ殿たちには
ルナ
「潜入捜査ですか?」
メクバール執事
「そうです。
ルナ殿と黄庵殿の容姿でしたら、周りの男性にちやほやしてもらえるでしょう。
紅丸殿と青兵衛殿は、背後から見守る役をお願いしたいです。
どこかに監禁されても困りますからね。」
モンテマニー公爵
「この間、渡した盾の紋章バッジは、下着につけて肌身離さず持っていて欲しい。
いざというときは、居場所を知るための発信機になる。
ただし、こちらが持っている親機にしか接続できないことに注意して欲しい。」
ルナ
「そこは
メクバール執事
「敵に捕まっても、ただのおしゃれバッジにしか見えない方が取られずに済みます。」
ルナ
「その見方をすると、長所と言えるのかもしれない。」
メクバール執事
「そして、このプレートをお持ちになってください。」
メクバール執事は、赤い太枠に囲まれたプレートを差し出してきた。
赤いプレートの大きさは、縦14cm 幅7cm 厚み1cmで、中央にモンテマニー公爵が考えた
ルナ
「これには、なにか
メクバール執事
「ございません。
ただ、
そうすれば、」
紅丸
「戦ったら駄目な相手と理解させることができて、悪人たちが
メクバール執事
「
青兵衛
「意味ないじゃん。」
モンテマニー公爵
「今は、ただの
黄庵
「つまり、悪人たちが
メクバール執事
「おっしゃる通りです。
ただ、それだけではなくて、」
モンテマニー公爵
「赤いプレートの
ルナ
「ああ、警告を無視したことにできる、と。」
メクバール執事
「「先に言ってくれたら、こんなことしなかったのに~。」
と、自分の
モンテマニー公爵
「
というジャンケンで勝つために必要なものと思って欲しい。
そして、ルナ殿たちが、この私モンテマニーが
ボクは、モンテマニー公爵の申し訳なさそうな顔を見て、申し出を受けた方が良いなと考えた。
ルナ
「ボクは、この赤い紋章プレートを受け取っておきたいと思うんだけれど、いいかな?」
「はい、ルナ様」
「はい、ルナさん」
「はい、ルナ」
メクバール執事
「ご協力ありがとうございます。」
モンテマニー公爵
「旅の無事を祈っている。
旅の
ルナ、紅丸、黄庵、青兵衛
「「「「はい。」」」」
◇
ボクたちは、北にあるキータムアンという町へと旅立った。
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