022 青紫の商才(2)表の本業と住居
月夜
「出かける前に、
紅姫
「どうぞ、この通り持っています。」
黄花
「えっ? 銀色の
い、痛くないのですか?」
紅姫
「ええ、まったく問題無いわ。」
月夜
「ごめん、なにか忘れている気がしたんだ。
いまから、鍵を渡すからね。」
ルナは、掲示板の前に掛かっている鍵を取り外した。
月夜
「黄花?
左腕を出してくれる?」
黄花
「こ、こうですか?」
黄花は恐る恐る左腕を差し出した。
月夜は黄花の左腕の手首の内側に鍵を押し付けた。
すると、鍵が黄花の体内に入って行った。
黄花
「えっ? 痛くない?
どういう仕組みですか?」
月夜
「わからないよ。
神様が作ってくれた仕組みだからね。
ボクたちが覚えておくべきことは、カギを落としたら、家の中に入れない。
鍵を落とさないために必要なことくらいかな。」
黄花
「不思議なことが、いっぱいですね。」
月夜
「本当にそうだね。」
紅姫
「家の外に出たら、見えなくなるから安心してね。」
黄花
「それを聞いて安心しました。
じゃあ、トイレも済ませたし、外向きの服装に着替えたから出かけようか?
紅姫
「はい、月夜様」
黄花
「はい、月夜さん。」
月夜たちは、家の外に出た。
月夜
「出かけるときは、ママ 行ってきます。
家に入るときは、ママ ただいま。
という合言葉が必要だからね。
ためしに、黄花さんが言ってくれるかな?」
黄花
「ママ、行ってきます。」
家のとびらが消えてしまった。
黄花
「ま、まって待って、家の中には大事な医学書がいっぱいあるのよ。」
紅姫
「黄花?
ママ、ただいま。
と言ってみて?」
黄花
「ま、ママ、ただいま。」
家の扉が再び現れた。
黄花が扉を開けると、家の中を見ることが出来て、ほっとした。
月夜
「どうかな?
すこしずつ慣れていってね。」
黄花
「は、はい。」
紅姫
「じゃあ、扉を消しましょうね。」
月夜、紅姫、黄花
「「「ママ、行ってきます。」」」
紅姫 紅丸モード
「ここからは、ルナ様、
ルナ
「紅丸、黄庵、ギルドまで歩くよ。」
紅丸、黄庵
「「はい。」」
◇
ルナ
「ふたりとも
あの家の
だから、あの家への出入りは、誰も見ていない場所でしなければいけないんだ。」
紅丸、黄庵
「はい。 わかりました。」
ルナ
「そして、ギルドの依頼をこなすこと以外の本業が欲しいと思っている。」
紅丸
「本業とは、お仕事のことですね。」
ルナ
「そうだよ。 【夏みかん】という名前の可愛いお茶屋さんを始めたいんだ。
美味しいお茶とお菓子を出して、くつろぐお店を夢見ているんだ。
美味しいお茶とお菓子に、2000バーシル
合計で 3000バーシル
くらいにして、前払い制にしようと考えているんだ。」
ルナは、夢見る乙女のような顔をしていた。
紅丸
「
ルナ
「ボクのお茶屋さんをいっしょにして欲しかったけれど、それも名案だね。」
黄庵
「わたしは、医者をする場所が欲しいですね。」
ルナ
「そうだよね。
そのためにも、公開できる住居が必要だね。」
紅丸
「そのために、ギルドで稼ぐのですね。」
ルナ
「その通りだよ。」
黄庵
「ギルドは
紅丸
「ルナ様と拙者がいるから安心して欲しい。」
黄庵
「ルナ様、紅丸様、よろしくお願いします。」
◇
ボクたちはギルドに着いた。
受付嬢
「月夜様、お待ちしていました。
実は、ぜひ引き受けて頂きたい依頼があるのです。」
ルナ
「あー、そうなんだ。
その前に、ボクの新しい仲間のギルド登録とパーティ申請をお願いできたら、うれしいな。」
ボクは社交辞令の笑顔をしたつもりだったけれど、できなかったようだ。
受付嬢
「し、失礼しました。
そのように
受付嬢は、黄庵のギルドカードを作ってくれた。
受付嬢
「お医者様ですか、ルナ様の仲間はすごい方ばかりですね。
剣士の紅丸様もすごい方ですが。
というものでしょうか?」
ルナ
「御縁をくれた神様には感謝しているよ。
続けて、パーティ申請もお願いします。
黄庵は初めてのことだから、プロである受付嬢さんから説明をお願いできると助かります。」
受付嬢
「かしこまりました。
パーティ申請は、運命と金銭と物品を共にするという
パーティ加入時の資産状況、心身の健康状況と
パーティ脱退時、つまり、パーティを抜けるときの資産状況、心身の健康状況に
良くない差があるときは、ギルドから
こうすることで、タダ働きを防ぐとともに、ぼろぼろの状態でパーティから追い出されることが無いように監視しています。」
黄庵
「ご説明ありがとうございました。」
黄庵のギルドカード作成とパーティ加入が無事に終わった。
受付嬢
「では、ルナ様。
パーティ名を考えて頂きます。
3人で相談してください。
そのあとで、こちらの依頼を聞いて頂けますか?」
ルナ
「わ、わかりました。」
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