第2章 美女1人目 紅姫

009 紅姫に会おう(1)剣士 紅丸

 ボク《ルナ》は、冒険者食堂で買った弁当を持って、広い草原まで来た。


ルナ

「よし、まわりには誰もいないな。


    ママ、ただいま。」


 なにもない草原に見慣れたドアがあらわれた。


 ボクは家の中に入って、買ったお弁当を冷蔵庫に入れた。

 そして、明日の朝に備えて、炊飯器でご飯を炊くタイマーセットをした。


ルナ

「お米 1.5ごうに、押し麦をスプーン三杯、小豆あずきをスプーン一杯。

 たっぷりと水を吸わせたいから、2時間後に炊きあがり予約したぞ。

 異世界転移しても、元の世界のご飯が食べられるなんて、一番幸せだな、ボクは。」


 ブー、ブー、ブー という警報音けいほうおんが聞こえた。


ルナ

「なんだろう? 掲示板けいじばんほうだな。」


 3人の美女に出会ったときに使う予定よてい共有きょうゆうスペースにある掲示板を見た。


掲示板

「紅姫が近くに来ています。

 紅姫は倒れています。

 迎えに行きますか?

 YES / はい 」


ルナ

「ギャグだろうか?

 どちらもYESの意味じゃないか?

 強制イベントだよな。


 紅姫べにひめというからには、きっと美しいんだろうなあ。

 楽しみだ。」


掲示板

「いつ迎えに行きますか?

 いますぐ / 5秒後」


ルナ

「はい、いますぐ迎えに行きます。」


掲示板

「では、ドアを目的地もくてきちちかくに出現しゅつげんさせます。

 しょうしょうお待ち下さい。

 周囲に人がいないことを確認しました。


 ルナ いってらっしゃい。」


 ボク《ルナ》は、外に出た。


ルナ

「   ママ、行ってきます。」


 ドアが消えた。


ルナ

「近くに紅姫が倒れているって、どこにいるのかな?

 見える範囲に居てくれたらいいけれど。」


イウラ《ガイド音声》

「ルウナ、聞こえる?」


ルナ

「イウラ、いいタイミングに感謝かんしゃだよ。

 ぼくの仲間になる予定の紅姫べにひめが近くにいるはずなんだ。

 どうやって探そうか?とこまっているんだ。」


イウラ《ガイド音声》

「ルウナ、簡単かんたんよ。


 あなたがのぞんだスキル、能力向上呪文 【トゥート】をとなえればいいわ。」


 ボクは、能力向上呪文 【トゥート】をとなえた。


ルナ

「ここから、500mくらいの気配けはいが分かるよ。」


イウラ《ガイド音声》

「じゃあ、ルウナ、がんばってね。

 紅姫と仲良くなってね。」


ルナ

「待って、待ってよ。

 ボクは紅姫の顔や姿を知らないんだよ。」


イウラ《ガイド音声》

特別とくべつヒントをあげるわ。

 シクペリア様を女性にした感じの容姿ようしよ。」


ルナ

ほかにも情報じょうほうしいよ。」


イウラ《ガイド音声》

あまえたらダメよ。

 ルウナのたましいが成長しなくなっちゃうからダメよ。

 教えられないわ。


 大丈夫よ。

 ルウナなら、できるわ。


 じゃあねー。」


ルナ

「わかったよ。

 ありがとう。 イウラ。」


イウラ《ガイド音声》

「またね。 プツン」


 イウラとの通信つうしんれた。


ルナ

「ようし、紅姫べにひめさがそう。」


 ボクはこころをしずめて、紅姫べにひめ気配けはいを探し始めた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る