003 月夜と書いてルナ誕生 (3)神様への対価(たいか)

 異世界では仲間ができるのです。 うれしい。


シクペリア 神々を作った創造神そうぞうしん

「仲間になる女性がいる場所は、転生後に示すから、ひとりずつ出迎えに行ってもらうことになる。」


ルナ  月夜つきよ

「行きます。 よろこんで、どれくらい遠いところに仲間はいますか?」


シクペリア

「現実的な距離だから、1週間もあれば会えるだろう。

 3人で合計で3週間かかるかもしれない。

 待てるだろうか?」


ルナ

「大丈夫です。 いままでの人生を考えたら、待てます。

 なにからなにまで破格はかく待遇たいぐうですね。


    ただより高い物はない。


 と言います。


 わたしはなにをお返しに差し上げれば良いのでしょうか?」


シクペリア

「さすがだな、ルナ。

 カンが良いから助かる。


 ルナが考えた【性魔力理論せいまりょくりろん】の使用許諾しようきょだくが欲しい。」


ルナ

「【性魔力理論】ですか?

 【昇華律しょうかりつ】のことですよね。」


シクペリア

「そうだ。 それが欲しいんだ。」


ルナ

かまいません。

 でも、もっと良い物が多くあると思います。

 どうして、わたしの空想くうそうを選ばれたのですか?」


シクペリア

「そうだ。 わたしにとって、一番条件が良いからだ。」


ルナ

「条件とは?

 くわしく教えてください。」


シクペリア

「まず、有名なものは著作権ちょさくけん使用料しようりょうが高い。

 しかも、権利関係が複雑ふくざつだから、契約後でも苦情がでて損害賠償問題そんがいばいしょうもんだいになってしまう。 さらには、売上が多かったなら、もっと利益りえきを分けてくれと裁判さいばんを起こされてしまう。

 面倒めんどうくさいからイヤだ。」


ルナ

「神様だから、天罰てんばつやおげで、ふうじることができますよね。」


シクペリア

「それはしたくないんだ。

 神様でも特別扱いは良くないと考えている。

 慣れてくると自分を特別な存在と考えてしまい、どんどんゆるくなってだらけてしまう。

 わたしは肉体的にも精神的にも肥満体ひまんたいにはなりたくないんだ。」


ルナ

融通ゆうずうかないところが素敵すてきです。

 自分向けのルールと他人向けのルールを2つ作る二重判定法ダブルスタンダードを好む人が多いですからね。

 すみません、神様とひとをいっしょに考えてすみません。」


シクペリア

「いいや、人間は神様の劣化れっかコピーだからな。

 神様も人間も似たようなものだ。


 だから、気にしなくていい。


 それでは、使用許可はもらえるだろうか?」


ルナ

「よろこんで!

 ボクの空想が現実になるなら、うれしいです。


 とすると、魔力まりょくもと精霊せいれい御力おちからをエネルギー源にした魔法は存在しないのですね。」


シクペリア

「その通りだ。

 その魔力まりょくもと精霊せいれいを作ることができないんだ。

 ライトノベルのようには出来なかった。


 だから、ルナの理論のように、材料がある方が現実的なんだ。」


ルナ

「たしかに、空気からパンを作れと言われても無理ですよね。


 あのう?

 他にも買っていただきたい空想くうそうがあるのですが、聞いてもらえますか?」


シクペリア

「ああ、聞かせてくれ。」


ルナ

「【意識飛いしきとばし】、【怒気当どきあて】、【圧殺あっさつ】という気の技ですが・・・」


 シクペリアは真剣しんけんに話を聞いてくれた。


シクペリア

「そういう解釈があるのか、素晴らしいアイデアだな。

 それも使用していいか?」


ルナ

「もちろんです。

 そして、ボクも使える様にして欲しいのですが、どうでしょうか?」


シクペリア

「ルナの6つのスキルから発展させればできる。

 それでいいな。」


ルナ

「発展させるまで、どれくらい掛かりますか?」


シクペリア

「まあ使っているうちにできるようになるから心配しなくていい。」


ルナ

「ありがとうございます。」


シクペリア

「では、最後に、案内役ガイドと性別と容姿の話をしよう。」


 神様の望む対価が払えるもので良かったです。

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