自殺するまでの物語

夜幻 伊月

はじまり

 俺の名前は双葉 類ふたば るい

 双子の弟に双葉 琉ふたば りゅうがいる。


 今までの人生は最悪だ。

 ボロアパートで父親に暴力を振るわれる日々。

 母親は毎回変わってるから覚えられない。


 俺はどうしようもなく劣等生だ。

 小学生の頃には琉と比較されて虐められて、中学生の頃は冤罪を掛けられて虐められた。


 冤罪ってなんだ?

 って思ったやつ、俺は当時のクラス一の美人・松村 恋まつむら れんの尻を触った犯人にされたんだ。

 触ったのは琉なのに。


 俺と琉は双子だけど驚くほどに顔面に差がある。


 琉は凄いんだ。

 顔も良いし、勉強もノー勉で百点を取るし、スポーツ万能で俺には到底届かない。

 琉の周りにはいつも人垣が出来ていた。

 ただ、性格には大変難があって、兄の俺をかなり見下して暴力を振るっていた。

 父は琉の事を気に入ってたから、二人で俺に暴力を振るう事が大半だった。

 母に助けてもらった事なんて一度も無い。

 水商売の女だったり、パチンコ依存症の女だったり、メンヘラ女だったりで最悪だった。


 この世界には誰も俺の味方なんて居ない。


 ……と、底辺大学に進学するまではずっと思ってた。


 なぁ、琉。

 お前はどこに行ったんだ?

 お前が好きな女の子は、今の俺の恋人だぞ?

 もう縋るモノが恋人しかない俺を嘲笑わらえよ。


 俺は家族と縁を切った。


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