WONDER LAND〜その国で貰ったもの〜

砂坂よつば

第1話 煙に包まれて

〇私立TK学園図書室(夕方)○

  図書室で田辺智春たなべちはる(13歳少女)と田辺夏鈴たなべかりん(13歳少女)の双子が向かい合わせで椅子に座り智春は読書、夏鈴は気怠そうに携帯を眺めている。

 智春は誰にも聞こえないくらい小さな声で呟いた。

智春「不思議の国よ、さようなら。」

  智春開いた本を閉じ、感動に浸る。

智春「あぁ、いいよねぇ☺️『ふしぎの国のアリス』って、一度でいいから私もアリスの様な体験してみたぁい😌」

  夏鈴冷めた口調で

夏鈴「やめときなよ。😒体が小さくなったり大きくなったりして身が持たないって、それに喋る猫やトランプの兵士に追いかけられるんでしょ。智春の体力じゃ無理だよ」

智春「大丈夫だもん!!😣」

  夏鈴は智春の右頬を突きながら

夏鈴「絶対無理。😒昨日、体育の授業中に倒れたのはだ〜れ〜ですかぁ😏」

  智春は言い返せなかった。倒れたのは智春である。

  クラスメイトの保健委員におんぶされている姿を

  別のクラスだった夏鈴が授業中窓の外から偶然見ていた。

  心配で慌てて教室を飛び出し保健室まで様子を見に行ったのである。


○【回想】保健室(昼)○

夏鈴「先生、智春大丈夫ですか?!😥」

先生「大丈夫よ。😃ただの寝不足だから、安心して授業に戻りなさい」

  夏鈴は自分の教室に戻った。慌てて出て行ったので、

  教科の先生も心配していたが問題ないと告げると安堵し授業を再開した。

  放課後再び保健室を訪れると智春は保健の先生と談笑していた。

 【回想終わり】


○図書室(夕方)○  

  図書室のドアが開き青色ジャージの背中に卓球書かれた二人組の少年

  石神冬也いしがみとうや(13歳)と岩永秋斗いわながあきと(13歳)が夏鈴に話かける

秋斗「夏鈴、部活あるの忘れてない?」

夏鈴「ヤバっ!?忘れてた😫」

冬也「はよ、行かんと部長と顧問に怒られるで」

  秋斗と冬也図書を出て廊下に出る

  夏鈴二人の後を追いかけようと図書室を出る前に智春に声をかける

夏鈴「あたし部活行くけど、智春はどうする?帰る?」

  智春首を横に振る

智春「まだ居るよ。😃図書委員の仕事あるし…」

夏鈴「わかった、委員の仕事なんて適当に片づけて早めに帰るんだよ~。じゃあねぇ👋🏻」

  智春は夏鈴に向かって手を振る。

  夏鈴が図書室から出たのを見届けた後、テーブルを拭いたり

  破れた本の修繕をしている。

智春「よし、今日はここまで」

  帰る準備をし読んでいた本を返却しようとした瞬間、本から白い煙が

  立ち始めた慌てて手で煙を消そうとする。

  咳き込む智春、意識が遠のきその場で倒れむ


〇迷いの森入り口(朝)○

  小鳥が高い木の上からチチチと鳴く生い茂る草の上で倒れている智春が居る。

  周りに3匹のリスが集まっていた。

  1匹のリスが話出す

リスA「人間だ」

リスB「女の子だ」

リスC「生きてるのかな?」

リスB「クルミで確かめてみる?」

  リスBが持っていたクルミを智春の頭にコツコツとリズムよく叩く

  智春目が覚める頭がズキズキする何かにぶつかった衝撃だ。

  痛む頭を押さえながら辺りを見渡す

智春「頭・・・いたぁ。😣あれ?ここどこーーーーーー!?😱」

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