第24話 アクアリウムと彼女

モール内で開かれている魚の展示会に足を運んだルカと俺。

中には綺麗な水槽アクアリウムがたくさんあった。


チンアナゴにカクレクマノミ、きれいな海の生き物が無数の水槽の中で泳いでいるのを見て心が顕れて行った。

でも、俺よりも一番喜んでいたのはルカの方だった。


この展示会、来てよかったかもな・・・


「ーー涼くん見て!このチンアナゴ、ハート作ってるよ!可愛いね!」


「そうだな。恋人同士カップルなのかな?」


みたいな?」


「いや、俺らはさすがにまだ・・・」


「まだ・・・?何?」


「いや、何でもない!」


何言ってんだ俺は?

何が『まだ・・・』だよ!?

まだ・・・何なんだよ・・・!?


と、とにかく、次行くぞ!!





進んでいくと、スタッフらしきお姉さんがマイクを持って何か喋っていた。


「こちらの10匹のチンアナゴが今からハートを作ります。そのハートマークを背景に恋人同士で写真を撮ると永遠に結ばれると言う噂があります!ぜひ背景に写真をどうぞ!」


(すっげぇ~嘘臭え~・・・さすがにルカもこんな話・・・って)


「写真撮って下さ~い!!」


意外にノリノリだああああ!!


「涼くん!ほら!写真撮ってもらおう!」


「ーー分かったよ・・・」


観念して俺はチンアナゴを背景バックにルカの隣に立って写真を撮ってもらった・・・。


しかも撮ったのは俺のスマホとルカのスマホの1台ずつであった・・・。







ーー帰り道。


ルカがさっきの写真を幸せそうに眺めていた。


「おいルカ、歩きながらスマホを見るのはーー」


「涼くん!」


「ん?」


「今日は私に付き合ってくれてありがとう!本当はお買い物だけだったけど、可愛いお魚さんが見れて楽しかったわ!」


「・・・そうか・・・」


そう言ってルカは満足したかのような笑みを浮かべていた。


俺も正直なんだかんだ言って、楽しかったな・・・。


ルカの水着の試着も見れてちょっとは得したが・・・。


いや、よこしまな考えは捨てて・・・。


「涼くん!」


「ん?」


チュッ!


(えっ!?)


満面の笑みのルカがいきなり俺の唇にキスをしてきた!?


だが、何故だろう!?

驚が薄い・・・。

この前のあの濃厚なキスディープキスを経験してしまったからか・・・!?


「やっぱり涼くんは私が世界で一番好きな人だよ!絶対お嫁さんになるから!!」


「まったく・・・」


何だかんだあったが・・・


今日は良い休日になったかもな・・・

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