第17話 体育祭のはじまりはじまり・・・

今日は俺の通う高校で体育祭が行われる。


校庭はまさに体育祭らしく派手に仕上がっている。


しかし、学校行事ってのはいくつになってもワクワクするもんだな。

こう見えて小学生の頃は徒競走で1番だったからな!


内の学校の体育祭は高等部と中等部の合同で行われる。

その為、当然ルカも俺らと共に出場する。


「やったあ!私と涼くん同じ紅組だよ!」


「それはよかったな・・・」


とりあえず、入場門に向かい、校庭で生徒代表の選手宣誓を聞いて最初の競技が始まった。

最初は高等部1年のと競争からだ。


当然俺が出場する。


緊張するな・・・。

リハーサルの時と違って今日は本番だし・・・。

もっとも一番に気になっているのは・・・。


「涼太!ファイト!」


「ルカちゃんもねえ!」


俺の父さん母さんが恥ずかしいほど大きな声を出して俺とルカを応援してやがる。

他の保護者が冷や汗出てるくらいドン引きされてるよ・・・。


「位置について・・・」


俺は、1番最初のランナーとして先に走る事になっていた。


「よーい・・・」


パァン!


ピストルの合図と共に俺は走り出した。


それも必死で・・・。


それ故か、何とか1位になれた・・・。


「涼くんかっこいい!!」


「やったぜ!」


大袈裟・・・って言いてえが・・・

1位取れて良かった・・・。





次は中等部の3年生による借り物競争だ。

中3の競技だから当然ルカも出るんだよな・・・


あれ、ルカの奴キョロキョロしているけど何でだ?

誰か探しているの・・・


「涼く~ん!」


「ブウ!!!!」


探してたの"俺"かい!!


「涼くん!私頑張るから見ててね!」


ウインクして応援するようにせがまれたよ・・・。

でもまあ一応応援しておくか・・・


「ルカ!頑張れ!」


ま、借り物競争って徒競走と違ってお題を持ってこれるかによるけどな・・・。


(あ、ルカがこっちに来た・・・お題でも取りに来たか?)


「涼くん!来て!」


「え?」


ルカが俺の手を取って連れて行こうとしている・・・?


だが、走行している内にゴールに着いた。


一体お題は何だったんだ?


「んでルカ、お題は・・・って・・・」


「これ、完全に涼くんに合っている!」


ルカが見せたお題は・・・。


『好きな異性ひと』だった・・・。


なんだよこのお題!?

誰だよこんなお題入れたの!?


しかもルカこいつ、真剣な顔して堂々と連れて来たよ・・・。

やり切った顔でゴールしたよ・・・。

しかも1位だぞ・・・。


周囲の眼が色んな意味で痛い!


体育祭、まだまだ続くんだよな・・・。

俺の身体持つかな・・・。


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