第17話 対峙

会議室に足を踏み入れると、香織の心臓は激しく鼓動していた。部屋には、冷たい緊張感が漂っていた。大嶋理事が机の向こうに座り、その鋭い目で彼女を見つめていた。香織は深呼吸をしてから、大嶋理事の前に座った。


大嶋理事: 「三田村さん、今日は何のご用件ですか?」


香織の心の声: 「この男がどれだけの悪事を働いてきたのか…。彼の表情には一片の後悔も見られない。」


香織: 「大嶋理事、あなたのこれまでの行動についてお話ししたいことがあります。」


大嶋理事は一瞬表情を変えたが、すぐに冷静さを取り戻し、軽く笑った。


大嶋理事: 「私の行動についてですか?具体的には何のことでしょう?」


香織の心の声: 「彼は何もかも分かっているはずだ。それでもなお、こうして平然と振る舞っている。」


香織: 「最近の不正取引に関して、あなたが関与している証拠が出てきました。これについて、説明していただけますか?」


大嶋理事の目が一瞬だけ揺らいだ。しかし、すぐにその表情は固く引き締まった。


大嶋理事: 「不正取引?一体何のことを言っているのですか?私は何も不正なことをしていない。」


香織の心の声: 「彼は本当に無実だと思わせるほどの冷静さだ。だが、私たちには証拠がある。」


香織は机の上に書類を広げた。


香織: 「ここにあるのは、あなたが関与している取引の詳細です。このトラックが運んでいたもの、その全てがここに記されています。」


大嶋理事の目が書類に向けられると、その視線は一瞬固まった。しかし、すぐにその表情は冷たく硬いものに戻った。


大嶋理事: 「これが一体何の証拠になるというのですか?これだけでは何も証明できません。」


香織の心の声: 「彼はあくまで否認し続けるつもりだ。でも、私たちは諦めない。」


香織: 「大嶋理事、これだけではありません。他にも多数の証拠があります。それら全てがあなたを指し示しています。」


大嶋理事はその言葉に反応し、微かに眉をひそめた。


大嶋理事: 「なるほど。あなたはどこまで知っているというのですか?」


香織の心の声: 「彼の動揺が見える。これは私たちが優位に立つための機会だ。」


香織: 「私たちは全てを知っています。そして、それを公にする準備もできています。あなたが今ここで全てを認めるなら、少しは状況が変わるかもしれません。」


大嶋理事は深く息を吸い、しばらくの沈黙の後にゆっくりと口を開いた。


大嶋理事: 「あなたが何を考えているのかは分かりませんが、私は無実です。これ以上の話し合いは無駄でしょう。」


香織の心の声: 「彼は最後まで抵抗するつもりだ。でも、私たちは諦めない。正義を貫くために。」


香織: 「分かりました。ですが、私たちは諦めません。真実を必ず明らかにしてみせます。」


大嶋理事は冷たく微笑み、軽く頷いた。


大嶋理事: 「それならば、どうぞお好きなように。私は何も恐れていません。」


香織の心の声: 「この男の冷酷さに負けるわけにはいかない。私たちには正義がある。」


香織は深く息を吸い、決意を新たにして会議室を後にした。彼女の心には、強い信念と仲間たちの支えがあった。

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