それいけ☆町のおもちゃ暗殺屋さん!

SEN

それいけ☆町のおもちゃ暗殺屋さん!

台本:SEN  声劇2人台本(不問2人) 所要時間:10分









店主

「うぃーん。……いらっしゃい」


学生

「え…(今絶対自動ドアの音口で言ってた~)」


店主

「何の用だい?」


学生

「あ、えっ…とバイトの面接に来たんですけど……ここ、町のおもちゃ屋「めるへん」で合ってますよね?」


店主

「間違いなくここだが……あのチラシを見て来てくれたのかい?」


学生

「はい!とても可愛いチラシで気になって」


店主

「ありがとうあのイラスト俺が書いたんだ」


学生

「あ、え、はへぇ~(3歳児ぐらいが描いたとばかりぃぃ)」


店主

「では面接しようか。背後に気を付けてそこにかけて」


学生

「はい!え?背後……あ、これ履歴書です」


店主

「お、履歴書不要とチラシには書いていたのにわざわざ持参したのかえらいな。そういう心がけが依頼主に好かれるから、グッドだ」


学生

「ありがとうございます!……って、え依頼主?…あ、履歴書不要って書いてましたか?」


店主

「あぁ、自分で書いたから間違いない……ほら」


学生

「………え」


店主

「ここ」


学生

「?」


店主

「ひらがなで」


学生

「……あ……あーほんとだ(だまし絵みたいになってるぅぅ)」


店主

「まぁある分にはやる気が感じられるからいいと思う。ポイントUPだ」


学生

「あ、ありがとうございます(なんかポイントはいったぁぁ)」


店主

「では拝見させてもらうよ……ふむふむ…ほぅ?英検も持ってるんだなぁ」


学生

「はい!子供が好きなので将来は海外で小学校の先生になろうと思っています」


店主

「……実にいい。更にポイントUPでリーチだ」


学生

「あ、ありがとうございます(なんかリーチになったぁぁ)」


店主

「で?この店を選んだ理由は?」


学生

「家も近く子供が好きだからです」


店主

「正直に答えた方が身のためだぞ」


学生

「え」


店主

「命にかかわると言っている」


学生

「あ…えっと(言ってねぇし怖ぇぇぇ)……時給1800円に惹かれました」


店主

「え……あれ…そう書いてた?」


学生

「はい……えっと、ここに」


店主

「……あ…ごめんこれ800円なんだ」


学生

「あ、え…でもかなりの濃い字で1が」


店主

「筆が当たっちゃってたのかもごめん」


学生

「あ…いえ、あ、はい。大丈夫です(筆で書いてたのかぁこれぇ)」


店主

「……ごめん800円だけど…大丈夫?」


学生

「や…うーん」


店主

「だよね……まぁ内容によっては特別報酬金とかも付くことはつくけど」


学生

「そうなんですか?」


店主

「C級で5本…B級からは両手ぐらいかなぁ」


学生

「え?…C級?5本?えっと」


店主

「ターゲットだけど……あぁまだ未経験だよねぇ。まぁそっちは後々でいいよ」


学生

「あ、はい(そっちってどっちぃぃ)」


店主

「で、いつからこれる?今から体験だけでも大丈夫?バイト代出ないけど」


学生

「大丈夫です!」


店主

「よかったよかったじゃまず護身用渡しておくよ」


学生

「はいってぇぇぇぇぇぇええええ!?ここここここれ鉄砲ですよぉぉぉ!?」


店主

「……そうだけど?……え…本物と思ったの?」


学生

「え本物じゃないんですか」


店主

「モデルガンに決まってるじゃない何言ってんの?子供達が遊びに来たりするからそれで対応してあげて」


学生

「あ、そういうことですか」


店主

「台本のタイトルにだまされちゃいけないよ」


学生

「なんのはなしですか?」


店主

「さて…じゃぁとりあえずプラモデルの棚の整理かなぁ…プラモデルとかは好きかな?」


学生

「はい!お恥ずかしい話ですがカンプラとかはいまだに作ってます」


店主

「大人になっても子供心があるのはいいことだよ。俺も趣味でドック作ったもん」


学生

「ドック?犬ですか?」


店主

「ううん格納庫」


学生

「あ、プラモデルで格納庫まで再現してるんですね!すげぇ」


店主

「いや?本物だよ?写真あるよー…ほら」


学生

「…うわカタパルトまであるすごーい(趣味の範囲越えて軍なんだがぁぁ)」


店主

「スーツもあるよ」


学生

「モビルまでもかぁ」


店主

「まぁ最近はスクランブルもないな」


学生

「どこからの依頼でです?」


店主

「言うと君を消さないといけなくなるからプラモ片付けようか」


学生

「えぇ片付けましょう」


店主

「そういえば名前聞いてなかったね…履歴書に書いてたけどあれは何て読むの?」


学生

尾餅屋大輔おもちやだいすけと申します」


店主

「あ、おもちやさんね…よろしくね」


学生

「はい。店長のお名前をお聞きしてもよろしいですか?」


店主

「二つ名?コードネームでいい?」


学生

「え、あ……はい」


店長

「極冷の狼」


学生

「カッコいいですねもぅ動じませんよ」


店長

「ん?まさか俺のコードネーム知ってる?」


学生

「いえ知らないです」


店長

「だよね…今まで聞いたやつは消してきたから」


学生

「プラモ片付けましょう」


店長

「片付けよう」


学生

「ん?このカンプラの量産型シムだけ凄い重たいですね」


店長

「あぁごめん中身違うわそれ」


学生

「え?」


店長

「M29」


学生

「M?品番かなんかです?」


店長

「44マグナムって聞いたことある?」


学生

「こっちのクァミコンも片付けましょう」


店長

「片付けよう」


学生

「うわぁ…これ懐かしい」


店長

「クパーソルチャーね~昔みんなやってたよね」


学生

「難しかったですよね」


店長

「やっぱり戦闘機はターゲット狙いにくいし扱いにくいよねぇ戦車がいちば──」


学生

「店長」


店長

「ん?」


学生

「もぅ色々覚悟して聞くんですけどいいですか」


店長

「……なんだい」


学生

「店長って裏の方ですよね」


店長

「……なぜ…わかった」


学生

「いやそりゃわかりますよ溢れ出てますもん」


店長

「隠しきれていると思ったがそんなにか」


学生

「えぇそりゃもぅ肉汁のよぅに」


店長

「今肉汁関係ないよね」


学生

「いや例えですよ」


店長

「しかし……どこまで知っている?」


学生

「どこまでって今までのいきさつをダイジェストで見るとそりゃぁもう簡単ですよ」


店長

「そんな能力があるのか君は」


学生

「ないですよ例えです」


店長

「まさか君は…俺をやりにきた刺客か?」


学生

「はぁ…そうだとしたらどうします?」


店長

「やはりか……君がうぃーんって言って入って来たところから怪しいとは思っていた」


学生

「うぃーんって言ったの店長ですからね?」


店長

「まぁいい……で、何で決着つける」


学生

「こいつで」


店長

「……まったく……俺たちらしいやり方だな」


学生

「俺もそう思います」


店長

「セットは完了だ……いざ…勝負!」


学生

「くっ…この!……あっ割れた!あ、あ」


店長

「ちょ……やるな?わっ!くそっ!あ……負けた」


学生

「僕の勝ちですね店長」


店長

「数々の英雄を葬って来たこの私で勝てないだと……」


学生

「上には上がいるとはまさにこのことですね」


店長

「やはりパルーンハイトではだめだ…ドクマリだ」


学生

「それはずるいですよ店長あ、お客さん」


店長

「うぃーん」


学生・店長

「いらっしゃいませーめるへんへようこそ刺客様」





 完












  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

それいけ☆町のおもちゃ暗殺屋さん! SEN @sensensenkou

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る