スパイ・ティーチャー

倉部改作

未完のイコン

prologue

 泣いているひと、悲しんでいるひと、あきらめているひと。

そんな私たちのスマートフォンやパーソナルコンピュータに先生たちはやってきて、私たちに思い出させてくれる。

 ほんとうにしなければならなかったことを。


 彼らは思い出させてくれる。

 自分にとって、本当はとっても、大切なものを。


 この奇跡を成し遂げるその代わり、彼ら先生は世界に知られてはならない。

 先生たちは、私たちの秘密のヒーロー。

 私たちの夢を、幻想ファンタジーを、だれよりもあきらめない、ふつうのひとたち。

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