伝えたかったのか…?
天川裕司
伝えたかったのか…?
タイトル:(本怖)伝えたかったのか…?
▼登場人物
●横田哲司(よこた てつじ):男性。20歳。私立大学生。
●金里智美(かねざと ともみ):女性。20歳。哲司の彼女。本編では「智美」と記載。
▼場所設定
●某私立大学:都内にある一般的なイメージでOKです。
●街中:交差点などこちらも必要ならで一般的なイメージでOK。
ト書き〈大学の図書館〉
俺の名前は横田哲司。
今年で20歳になる大学生。
俺には今付き合ってる彼女がいて名前は智美。
智美とはこの大学で知り合い、それから交際がスタートし
今年で2年目。
俺達はよく大学の図書館に来ていた。
そこが第2のデートスポットみたいな感じになってて、
お互い読書好きながらこの静かな空間が良かったのだ。
今日も図書館の書庫で待ち合わせをしていた。
ト書き〈メール〉
哲司「おっ、智美からだ♪」
メールが来た。
(メール内容)
ごめんね、今日はちょっと遅くなっちゃってる
哲司「ハハ、あいつらしいなぁ。ちゃんとこんな細かな事までメールしてくるんだから」
図書館に居るから気を遣ってメールしてくれたんだろう。
それからもメールはちょくちょく来ていた。
でも何となく不思議に思う。
急いで来てる筈なのにメールの回数が多い。
それに思い出話なんかもして来ていたこの時の智美。
哲司「こんな状況で何でこんなこと言ってくるんだろ?」
みたいな事をメールでちょくちょく言ってくる智美を見ている内に、
何となく変な感じがしてきた。
ト書き〈トラブルからオチ〉
それから1時間、2時間、3時間経っても智美は来ない。
さすがに俺も業を煮やして、図書館を出たり入ったりしていた。
すると外が騒がしい。
何だろうと思って偶々見つけた友人に聞いてみると、
どうも女の子が大学から近くの交差点で車にはねられたと言う。
そんな状況でもあったので、俺は智美の事が心配になった。
そして大学構内から外に出て情報を得ようとした時、
割と早く最悪な情報を手にする事ができてしまった。
交差点ではねられたのは智美。
「え!?」と思いながら俺は自分の携帯の、
さっきまで届いていた智美からのメールを見返す。
メールの文章はそのまま。
「できるだけ早く行くからね」
「今日はちょっと寒いね」
「テッチャンと出会った時のこと思い出しちゃった」
「2人で初めて行った遊園地覚えてる?」
でもその時、不思議に気づいた。
さっきの違和感の正体だ。
哲司「なんだこの着信時間?…しかも逆になってる…?」
最初に来たメールの着信時間は昼過ぎの1時半。
次に来た着信時間は昼の12時40分。
そしてまた次に来た着信時間は11時47分。
最後に来たメールの着信時間が午前10時40分。
文章にばかり目がいって、時間に気づかなかった。
そして今は午前10時46分。
智美のメールは未来から来ていた事になり、
その時間をずーっと追っていくと
智美が交差点ではねられた時間になっていた。
そしてそれを確認するのを待っていたかのように、
智美から来ていたそのメール達は
フッ…フッ…フッ…っといった感じに薄れるようにして消えて行ったのだ。
証拠が残らないからそれを誰かに見せる事ももう出来ない。
そして更なる不思議。
智美がいつも使っていたスマホは、
俺がさっきまで図書館で座っていた椅子の隣の席の机の中。
そこにあった。
携帯だけがここに来ていたみたいで、
なんでこんな現象が起きたのか?
それが未だに解らない。
動画はこちら(^^♪
https://www.youtube.com/watch?v=jOFaUbpDL_s&t=61s
伝えたかったのか…? 天川裕司 @tenkawayuji
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