罪人機士アルファの刑務備忘録〜機械仕掛けの罪人、崖っぷち王女の騎士となる〜

七篠樫宮

“王国約定”

まず初めに記す、人類は敗北した。


我々は許されぬ大罪を犯した。


それ故に地上という楽園を手放す事となり、生態系の頂点の玉座を差し出す事となった。


種の存続の為、我は約定をわした。


蒼きそらを捨て、地の底に身を寄せ合う事をよしとした。


いずれ生まれるひなの為、自ら殻の中へとかえる事となった。


未だ天は遠く、太陽は見えず、大地は限られ、我らの逃避行は終わらず。


天は人の下に何も造らず、我らの上に立つは怪物のみ。


人類は戻らなければならない。


暗闇の中で、怪物に怯え潜む時代を乗り越えねばならない。


結ばれた約定は今も尚ここにありて。


我らは告げる。ここが我らの最果ての終着点であると。


我らはこいねがう。ここが汝らの飛翔の始発点にならんことを。



:建国王ノア著『王国約定録』第一節より引用


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