第96話 朝の儀式がレベル6に!? (ちょいエロ)

 俺達ルイパーティーは、火の大輝石のある『ソーア大火山』で有利に戦えるようにするために、有益なアイテムを回収しにクス島に散らばるダンジョンを巡っている。


 新たにパーティーに加入したシーフのミイナミーニャのスキル『ぬすむ』の成功確率と『運』ステータスの関係性の検証、そして転職後まだ間もないイーリアスのレベル上げも兼ねている。

 

 多くのファンサシリーズのファンがすでに知っている通り『ぬすむ』は非常に重要なスキルだ。なぜならば、この世界には『ぬすむ』でしか入手できないレアアイテムが数多くあるからだ。


 運を上げると『ぬすむ』の成功確率が大きく上がったので、皆と相談してミーニャに全ての『運の種』と『運のタケノコ』を使い切る事にした。その結果、ミーニャの運は177にまで上がった。


 普通ではありえない数字に、俺のマニア心がくすぐられてニヤニヤが止まらない。更に運が限界突破するとクリティカルヒットがより出やすくなり、回避率が上がる事もわかった。いい事ずくめだ。




 クス島でやる事にもめどがついたので、内陸のインフーユの街にやって来た。ここに来た目的は、連続してのダンジョンアタックの疲れを癒すためだ。

 

 この街は温泉の街なので、普通ランクの宿屋でも気軽に格安で温泉に入ることができる。俺達は、モンスター退治をしまくっていてリッチだから、街で寝る時くらい遠慮なく最高級の宿屋に泊まるけどな。その方が料理にも期待できるし。


 カサンドラも含めたパーティーの皆で、和風旅館の高級料理に舌鼓を打っていると、ミーニャが俺に聞いてきた。


「それにしても、ボスはなんでもよく知っているにゃね。初めて入るはずの街やダンジョンなのになんで知っているにゃ?」


 あー、これは恒例の、俺の前世の秘密を言っちゃった方が良さそうだな。パーティーとして多くの戦闘を乗り越えたから、ミーニャの人となりもだいぶ分かってきたし問題ないだろう。一応シーラの魔竜王の話とゲームの話は伏せておこうか。


「実は、話せば長くなるんだけど、かくかくしかじかで······幼女の見た目をした自称神様に、若い女の子の身体にいたずら心で変えられてしまったんだ」 


「にゃにゃにゃ!?」

 

「そして色々なジョブを経験して魔王を倒すという体験を空想の世界で何度も繰り返したんだよ。自称女神様の力でね。だから俺は、この世界のモンスターや、ダンジョン、ジョブやスキル、アイテムやステータスの事、それにイベントの事をけっこう知っているんだ」


「にゃ!? 冗談······じゃなさそうだけど、ちょっとすぐには信じられないにゃ······結局ボスは女と男どっちなのかにゃ?」


「はいはーい! いつもお風呂で見てるけど、ルイお姉ちゃんはどこからどう見ても女の子だと思いまーす!」


 シーラもこの話を聞くのは初めてなんだけど、ちゃんと前世が男って理解できてるのかな?


「そうにゃね、あちしも水浴びの時に見たけど完全な女だし、わけがわからなくなったから、もう女でいいですにゃ」

 



 食事を美味しくいただいたので、次は名物の貸し切り露天風呂だ! 俺が真っ先にお風呂へ向かおうとしたら、むんずとエリーとイーリアスに首根っこを掴まれてしまった。

 

「ルイちゃん? ルイちゃんは先にお風呂に行くの禁止でしょ? 絶対に私達と一緒に入るようにしてね」

 

「そ、そうだったね」


 ネアに殺されかけたことで、そういうルールがあるんだった。


 あい変わらずシーラはすぽぽぽ〜ん! と服を脱いでお風呂に突撃していった。慌てて後を追いかけるカサンドラは、いつものようにたっぷりとゆれている。


 周囲を警戒しつつ、シュルシュルとサラシを外していくイーリアス。そしてほほを赤らめつつもスパッと裸になるエリー。


 更に新加入の白猫ちゃんは、ネコみみとネコしっぽのみが猫っぽいタイプの獣人さんだった。お胸のサイズは俺より少し小さい位だから、まあまあの大きさだね。ぷりんとしたお尻の付け根からしっぽがフリフリとゆれている。


 あの尻尾。いつか思う存分にモフりたい。


 俺も遅れないようにあっという間に裸になった。相変わらずけしからん胸だ。ひょっとしたら少し成長しているかもしれない。


 


 温泉は良いなぁ。

 最高だ。

 日々の疲れがとれるよ。

 

 お風呂でこうしてのんびりと、皆が楽しそうにしているのを眺めるのはとても良い時間の過ごし方だなぁ。



 

 その日はみんなで仲良く同じ部屋の、たたみの上にしかれた布団で眠った。


 そして翌朝。


 いつものように日の出と共に起き、いつものようにまずは自分自身のけしからん胸を一もみしてから、仲間と共に朝の儀式を開始する。


 そう、恒例の早朝トレーニングの時間だ。


 いつもの筋トレ一式をした後に、エリーの要望通り、今日も念をたっぷりと込めてもむ。好きな人にもんでもらうと大きくなるというのが迷信じゃなければ、俺とエリーの仲ならば、かなり効果があるはずだ。


 その次は俺がお世話になる番だ。俺のハニトラ対策の為にイーリアスとカサンドラが優しくほほえんでくれている。今日もありがとうございます。


 内心でお礼を言っていると、「にゃ、にゃにをやっているのにゃ!」という声が聞こえてきた。


 ミーニャだ。この白猫は普段ねぼすけなので、シーラよりも遅く起きる。


「皆で朝のトレーニングをしているんだよ」


 俺は、間髪入れずキリッと言い切った。こういう事は強気で、さも当たり前であるかのように言わなければいけない。そうじゃないと、いかがわしい事をしていると勘違いされてしまうからな。


「み、みんなちょっとおかしいにゃ!? 女同士でも普通は胸をもみ合ったりしないにゃ! あ、あちしがぼっちだったから知らないだけなのかにゃ!?」


「普通はって言われても俺達のパーティーじゃこれが普通だからな……」


「し、知らなかったにゃ……毛づくろい的な事を人間のパーティーもやるのが普通だったのにゃ。ど、どうすれば良いのにゃ!? あちしはパーティーの中でまでぼっちは嫌なのにゃ!」


「うーん、別に無理して胸をもんだりもまれたりする必要はないんだけどな。あ……じゃあミーニャのしっぽと耳を毛づくろいしてあげるよ」


「そ、それなら全く問題にゃいですにゃ。良かったにゃ、胸はちょっと恥ずかしいにゃ」


「あ、じゃあ私も一緒にやってあげるね!」


「私もやろうか」


「私もしっかりと手入れしてあげますね」


「わたしもお耳としっぽのお手いれやる〜!」


 いつの間にか起きていたシーラもまざりたいようだ。


 皆の目が猫の目よりもらんらんとしている。どうやら俺だけではなく、みんなしてミーニャのもふもふを狙っていたようだ。 


 ミーニャをごろんと布団に寝転がした。


「あっ! ちょっと! にゃにゃ〜ん!」


「そ、それはやりすぎにゃ! にゃあ〜ん!」


「あ、そこ……き、きもちいいにゃあ〜!」


「にゃは〜ん!」 


 


 とても幸せな時間が過ぎた。楽しい事をしていると時間はあっという間に過ぎてしまう。


 いつもよりも念入りだった朝の儀式は終了し、皆で飛空艇ミューズ号に乗り込んだ。次の目的地は北西だ。極熱ごくねつ魔王ソージーンを倒すための最終兵器お助けキャラをスカウトしに行こう。





―――――――――――――――――――――――――――――



 ミーニャも朝の儀式の洗礼を受け、真の仲間となりました!(笑)


「面白かった!」

「続きが気になる!」

「今後どうなるのっ・・・!」


 と思っていただけましたら


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https://kakuyomu.jp/works/16818093077952549761


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