閑話 とある吟遊詩人の奮闘記・・・その5
△月○日
今日もまた、ルイちゃんの熱い想いを聞いた。一生懸命に話すルイちゃんがとても可愛いんだけど、熱心に語る様子を見るとやっぱりちょっと嫉妬してしまう。
でも相手はまだとても小さい子供らしい。『竜王(幼生体)』のシーラちゃん。
仲間になるならないは別にして、絶対に助けてあげたいと思った。
△月✕日
マーダ神殿にて『薬師』の第二職業を授けてもらった。とても嬉しい。これで私は今まで以上にパーティーに貢献出来るようになれるかと思うと胸が高鳴る。
ちょっと!!!
ルイちゃん!!!
なんてことを!!!
こんな事日記には書けない。
△月△日
『進化の泉』にて、ザックが『黒チョコザ』に、チョコが『チョコ・ザ・クイーン』に進化した。
進化する時のやり直しの度に沈んでいくチョコの、哀しそうでうらめしげな顔が忘れられない。私もルイちゃんに、髪の毛の色が変わっただけで知らない人だと言われたとしたら、ショックで寝込んでしまうだろうから気持ちはよくわかるよ。
でもルイちゃんも本当はチョコだとわかっていたけど、
私のチョコがさらに可愛く神々しくなったのはとても嬉しい。輝く銀色の羽根はとても艷やかだし、胸元のいい匂いはますます強くなった。抱きしめて
あ〜、チョコザ可愛い!
△月□日
海岸に現れるクラゲの群れの中に銀色に輝くメタルジェリー。歩く姿はユーモラスかつシュールだけど、その素早さは侮れない。更に強力な魔法を連打してくる上位種のはぐれメタルジェリー。
ルイちゃん発案の『偽剣シリーズ斬り』で、イーリアスさんがバッタバッタと斬り伏せていたけど、まともに戦うならどう攻略すればいいのだろうか? まだまだ勉強する事は多い。
△月◇日
ブーグリの勇敢な戦士グリ君と出会った。とても可愛くて良い子だ。私達ともすぐに仲良くなってくれたし、心がとても純粋なんだろうな。
ジャイアントワームの討伐が終わると、グリ君はグラヨちゃんにプロポーズして見事に受け入れられて結婚していた。グリ君グラヨちゃん、おめでとう。
イチャイチャしているところを見ると羨ましくなるね。……実は私もルイちゃんに、プロポーズされているんだけど、ルイちゃん自身は知らない事なんだよなぁ。その事を言ったらルイちゃんはどういう顔をするんだろう?
△月♡日
ツジンシーハの街で、またもやアイス君達と遭遇してしまった。世界は広いというのに何故出会ってしまうのだろうか。
アイス君が聖竜王ファーヴニルを討伐するのをやめる事を受け入れてくれなくて、突然ルイちゃんに斬りかかってきたけど、返り討ちにされたら大人しく引き下がってくれた。アイス君、少しは落ち着いたのかな?
それなのに……それなのに!
ネアとローザが、あの大き過ぎる胸でルイちゃんを
そう思っていたら、ネアが
アイス君がネアと大魔王が仕掛けた『呪いの鉄仮面』に
だけど魂が傷ついているらしく、いつ目覚めるかわからないらしい。ちゃんと元気になって、再び立ち上がってくれるかどうか不安だ。
ルイちゃんがザックに乗って飛び立ってからしばらくすると、緑色の髪をしたとても可愛い女の子を連れて戻って来た。シーラちゃんだ。とても元気が良くて笑顔が素敵だ。良かった、無事に保護できたみたいだね。
シーラちゃんの第一声は「お友達になってください」だって。ふふふ、可愛いなぁ。よろしくねシーラちゃん。
とても可愛いと思っていたシーラちゃんなんだけど、
最後にはファーヴニルと白い光で繋がって、『せいせい破』という技で特大の桃色の光を打ち出し完全な浄化に成功していた。なんというか、凄すぎて凄いとしか言えない。流石はルイちゃんがどうしても仲間にしたいと言う程の人だね。
聖竜王に戻ったファーヴニルはその後聖地を浄化して消えていったけど、シーラちゃんとはいつでも話が出来る状態らしい。シーラちゃん、ひとりぼっちじゃなくなって良かったね。私達もいるからね。
……調合薬『ドレインチッス』をネアの胸にかけて吸い取ってやったのに、戦闘が終わって部屋で確認したら増えていなかった。少し位吸い取れていればいいのに。
ネアのような罠を仕掛ける者がいつ現れるかわからないので、もうこれからはルイちゃんを一人でお風呂に入らせる事は絶対にやめよう。少し恥ずかしいけどルイちゃんの安全の為に、いつも一緒に入る事に決めた!
△月☆日
ビーギン村に帰るミューズ号の中で、『いんまのしっぽ』を使って調合の新たなレシピの研究を始めたら、すぐにルイちゃんに見つかって止められた。
私が魔に汚染されたら困ると言って『いんまのしっぽ』を取り上げられたけど、ルイちゃんは大きな胸にデレデレしてるくせに……
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