第38話 歌の力
『
これだ!!
『ファンサ5』には
そして、ゴルゴンダは聖属性を無効化するように自分で超魔屍鬼に耐性を付けたと言っている。という事は······殆どのボスに備わっている、状態異常を無効化する、いわゆるボス耐性を持っていないかもしれない! しかも魔法と歌は系統が違う!
「エリー! 『かえるの歌』だ!」
「はい! 『かえるの歌』!」
♪か〜え〜る〜の〜う〜た〜が〜♪
ミス!
「もう一回!」
「ファファファ、何をやっているのか知らんが無駄な事よ! そろそろ絶望したか? 超魔屍鬼よ! 誰でも良い、まずは動きの悪い奴から一人だけを狙い続けて殺してしまえ!」
「かえるの歌!」
♪か〜え〜る〜の〜う〜た〜が〜♪
ボワン!
超魔屍鬼が、二メートルのカエルへと変化した!
「いよっし!! さすがエリー! 破邪の剣! 後はなんとかしてくれ!」
『わしの出番やな! イーリアス! 聖魔石まで届くように大きくなるさかい、しっかりと突き刺したれ!』
「承知! 行くぞ!」
イーリアスが自分の身体がカエルにめり込む勢いで、真紅の破邪の剣を超魔屍鬼カエルに突き刺した!
「な、なにが······!? 何が起こっているのだ!? 超魔屍鬼はどこに消えた!?」
『よっしゃ! 大きくなった儂をよう見とけよ! おおぉ〜! 届いた! 聖魔石に繋がったで! おほおぉぉぉ! きたぁ! エネルギーをどんどん吸い取ったるで〜!』
破邪の剣の柄頭の白と黒の光がより強く、濃くなり、剣全体に纏っていた真紅もより濃い色へと変化した。
超魔屍鬼カエルのサイズが目に見えて萎んでいくのがわかる。
「な、なにが······!? ま、まさかそのカエルが!?」
超魔屍鬼カエルが1.5メートル大にまで萎んできたところで、死霊魔王ゴルゴンダが気付いたようだ。
「者共、何をぼーっと見ておる! 出あえ出あえ〜! 人間共を始末せよ!」
死霊魔王ゴルゴンダの呼びかけで、後方の離れた位置に残っていた残り千体程のアンデッドがこちらに殺到してきた。
そうこうしている間に、超魔屍鬼カエルは一メートル程の大きさになり、白と黒の光が消滅した。
『ぐえぇっぷっ! あー喰いすぎた! 腹がパンパンや』
破邪の剣がそう言いながら、真紅の刃を更に伸ばした。カエルの身体から真紅の刃が飛び出してきた。そのままイーリアスが剣を振るうと、超魔屍鬼カエルは真っ二つとなり光のエフェクトと共に消えていった。
「最後の千体は高レベルのモンスターをアンデッドに変化した最精鋭だ! ボロボロのお前たちに耐えられるかな!? 者共やれ! 人間共はもう虫の息だぞ! 我は城でさらなる侵攻の準備をしてくる! ファファファ! ファファファ!」
死霊魔王ゴルゴンダがそう言い残すと、黒いモヤが人型から分散してかき消えた。やはり本体では無く、分身体若しくはホログラムのような存在だったようだな。ゴルゴンダは自ら敵のいる所に出てくるタイプではないからな。
だがこちらにも余裕が無いのは事実だ。超魔屍鬼戦は心身をすり減らす戦いだった。仲間達も皆、肩で息をしている。
「チャクラ!」
チャクラを使い、もう一度気合を入れ直した。チャクラを使うと、アイテムとは違い、なんとなくだが心も回復するような気がするんだよな。
俺が仲間を護る!
こちらも『けり』を放ち先頭のモンスターに突っ込んでいき、敵の勢いを弱める!
流星のようなエフェクトと共に突っ込んで、敵先頭をなぎ倒した後は、その場に踏み留まってひたすら殴る!
ドドドド・ドドドド! ドドドド・ドドドド!
ドドドド・ドドドド! ドドドド・ドドドド!
イーリアスも復帰してきてくれた!
ザシュ! ザシュ!
頼もしい存在だ!
二人で並び立って敵を防ぎつつ、アンデッド達を光のエフェクトへと変えて行くが、一体一体が手強い!
明らかにこちらが押されているのが、じりじりとゴジョオン側へと後退していることからも解る。
なんとかこの局面を打開する方法はないかと考えながら、再び『けり』を放とうとした瞬間、エリー、チョコと何かが繋がった!
「イーリアス、前は頼む!」
素早く、後方のエリー達の所まで戻り、再度『けり』のモーションで流星のエフェクトを発生させつつ······
「エリー! チョコ!」
「はい!」「ぷえっ!」
「「アルティメットユナイトスキル、『主の翼を』発動!」」
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この少ないヒントで、これから繰り出すアルティメットスキルが、わかってしまう人がいたら、もう全部伏せ字にするしか無いですね。(^_^;)
作者の考えがよめてしまうよ、という猛者の方、予想コメント求む!
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