第77話小熊の戦斧


 ーファミレスー


「ーーと言うわけで直美は子供の頃呪われてしまったせいで身体の成長が遅れてしまっているんです。もっともお酒やタバコなどや子供もつくれますがね。」

「そうなの。だから卓ちゃんはロリコンじゃないわよ?」

「そうなんですね。」


 あのあと戦闘をおこなった場所に居続けるのは処理班の人の迷惑になるということで三人は近くのファミレスに行く事にした。


「で?九条さんから聞いたんだが何やら妖怪が武器を持っていたんだって?」

「はい。何者かにもらったらしいです。再生する武器なので厄介でしたね。」

「なるほど。見せてもらうことは出来るかな?」

「ここでですか?一般人もいますけど。」


 そういいながら月兎が回りを見渡すとちらほらと客がいた。


「大丈夫だよ。幻術の札があるからね。」

「そうですか。」


 そういわれたのでバックとジャケットを使いながら隠していた斧を出した。


「これなんですけど。」

「少し見せてもらうね。」


 そう言うと卓は斧を手に持ち集中しだした。


「じゃあ今のうちに月兎君の怪我、治しちゃおうね。」

「あ、はい。お願いします。」


 月兎が卓を見ていると直美が月兎の隣に来て月兎を治しだした。


「…はい!終わったよ。後は失った血液を回復力させるために卓君の鑑定が終わったらごはんたべようね!」

「はい。ありがとうございます。」

「いえいえ♪」


 直美が月兎を治し終わって元の席にもどると卓が斧から目を上げた。


「ふー。分かりました。」

「どうですか?」

「はい。この斧は小熊の霊が憑いている斧ですね。」

「小熊の霊?」

「はい。月兎さんはいわく付きの作品って分かりますか?」

「妖刀とかですか?前に本郷 努さんの妖刀の付喪を見せてもらいました。」

「そうですね。そういったものがいわく付きの作品です!一般的に有名なのは妖刀村正ですね!…まぁもっとも村正は徳川家を呪ったと言われてますが実際は徳川な集めていた刀が村正です。その後実際に妖刀になるのですが…。」

「卓ちゃん?ヲタクが出てきてるわよ。」

「いけないいけない。すいません月兎さん。私こういった物に目がなくて。」

「い、いえ大丈夫です。」


 少しテンションが上がっている卓にビックリした月兎だったが話を斧に戻すことにした。


「でこの斧はどういったものなんですか?」

「はい。この斧は先程もいった通り小熊の霊が憑いている斧です。ゆかりは東北の方ですね。ある木こりが冬に小熊を拾いました。その小熊は死にかけていましたが木こりが甲斐甲斐しく世話をみたそうです。そのかいなく小熊は亡くなってしまいましたが木こりに恩を感じたので斧に憑いて木こりを護っていたようですね。その後その木こりが亡くなりこの斧も木こりの仕事場であった盛りの小屋で忘れられていたようですが最近何者かが拾って手長・脚長にわたしたようですね。」


 と卓は斧の歴史を語った。


「その斧の歴史が分かるのはさんの術ですか?」

「はい。我が物部家は物を鑑定するのを生業としている一族なんですよ。」

「なるほど。」

「いまのは遍歴覗きの術です。物の歴史を覗く術です。今からは鑑定の術をします。鑑定の術は物の名前と能力を見る術です。じゃあやりますよ。」


 そうしてまた集中しだす卓。


「ごめんなさいね。卓ちゃんってこういういわく付きの作品が大好きでね。直ぐ熱中しちゃうのよ。」

「そうなんですか。」

「分かりました。この斧の能力が。」

「どんな能力なんですか?」

「それは…。」

「その前に!ご飯をたのみましょ?」


 直美にそう言われたのでまずはみんなでご飯をたのみ飲み物も取りに行った。

 しばらくして食べ物が来たので食べながら話の続きを始めた。


「で?どんな能力を持った斧なんですか?」

「うん。…まずは名前からその斧は小熊の戦斧【こぐまのせんぷ】って名前らしい。」

「小熊の戦斧。」

「うん。どうやら手長がかなり武器として使ったようでね。木を切る斧というより武器としての斧に性質が変化したみたいだ。」

「なるほど。」

「で、気になる能力なんだけど手長が活用していた「再生」。これはたとえ刃が欠けたりおのが壊れても自動で直るというものだね。あと…」

「あと?」

「うん。実はこの斧再生だけじゃなくて「回収」の能力もあったよ。」

「回収?」

「うん。これは持ち主が望んだらどこにいても持ち主に帰ってくるっていう能力だよ。」


 という能力を卓から聞いて手長が使ってこなくてよかった~。と思う月兎だった。

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