ゴメンナサイの里佳子

@k0905f0905

第1話

「ゴメンナサイ!」

わたし、陣里佳子はだてやすいきょうで

おとこたちをふりまくっているわけではない。

要するに運命のひとがどうしても見つからないのだ。

友人の葛西奈美子にいわせると、これは

わたしが高望みしすぎるからだというのだが、

いいえ、そんなことは決してない。

男たちのレベルが低すぎるのだ。

「里佳子さん。ボっ、ボクは里佳子さん以外の

女性など眼中にありません。どうか、ボクと

おつきあいしてください」

目の前の手を差し出した男性は

妙にモジモジしている。

わたしの理想はもっとワイルドで

野性的な人なのだ。

「ゴメンナサイ」

わたしはもうしわけなく思いつつも

思い切りまた頭を」下げた。

「ヒィーン」

男性はいきなり泣き出して今夜くびを吊りそうな

そんな顔をして逃げるように去って行った。

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