第十八章 お、お、お、お、お、お、おば、おば、おばk、

 虎二にコテンパンに怒られた。まぁ途中で美紀や、瑠奈がフォローしてくれたけぇとりあえずは何事もなく済んだ。

一日ぶりの夕食を食べて風呂に入り、そんで自分の部屋に戻る。実に2か月ぶりだ。久しぶりにベッドに横たわった。


———これからどうしたものか・・・

今後のことを少しばかり考えておると、わしの部屋の窓がガラガラ・・・と開いた。む?窓が開いた?わしが無意識に窓を開けた?


「ばぁ!!」

「ぎゃああああああああ!!!」

「いや、驚きすぎだって!」


窓から顔を覗いてきたのは幼馴染の美紀じゃった。


「ごめんごめん、ちょっと眠れないからさ」

「家が隣じゃからって窓から侵入してくるなよ」


 実はこういうのは日常茶飯事じゃった。美紀が眠れないと言い、窓からわしの部屋へ侵入してくるんじゃ。それで添い寝したりしておる。確か始まったのが小学校4年生の時じゃったか?かれこれ6年これが続いておる。

そして今日も添い寝しておる。いくら幼馴染でも添い寝することがあるのじゃろうか・・・わしは前世に幼馴染などおらんかったからわからんが・・・


「ふふっ」

「ん?」


 誰かの笑い声が聞こえた気がしたが気のせいじゃろうか?まぁ気のせいじゃろう。わしはとりあえず眠りについた。



◆大場 美紀◆


「寝ちゃった・・・」


 次射が寝た後、こっそり起き上がった。さっき笑い声を聞かれてしまって焦ったが、やはり鈍感。気づかずにそのまま寝てしまった。

———フフフフッやっぱり気づかないわね。じゃあ今のうちに頬にキスくらいして戻ろうかしら!


「ふふっ」

「え?」


 誰かの笑い声が聞こえた。絶対に次射の声ではないし、私がしゃべったわけではない。ましてやここには私たち2人以外誰もいない。まさか・・・


「お化け!?」


 その瞬間、冷や汗が私の頬を伝う。いや、待て待て待て。きっと幻聴よ。うん、幻聴に違いな・・・


「ふふふっ、かわいい」


———!?うそでしょ!?本当にお化け!?とにかく次射を起こさないと!!


「次射!起きて!!」


———もう!早く起きてよ!!私は次射を揺さぶるが何も反応がない。次射は一度眠ったら全然起きてくれない。ええい!!こうなったら!!

私は次射に抱きつく。いつもなら(次射を落とそうとするとき以外は)こんなことはしないが今はそんなことどうでもいい!


「次射ぃぃぃぃ!!おきろぉぉ!!」

「・・・・・・ん?」


やっとの思いで次射が起きたので私は次射にありのままを話す。


「次射!お、お、お、お、お、お、おば、おば、おばk、」

「いったん落ち着け」

「おば、おばk、お、おばけ!!」

「お化け?」

「コクコクコク」

「お化けねぇ・・・・・・」

「コクコクコク」

「それって・・・」

「ふふっ」

「ひぃぃぃ!!」

「これか?お化けっていうのは」

「コクコクコク」

「なるほどな・・・」


 そうつぶやくと次射が歩き出して部屋のドアを開けた。そこに聞き耳を立てていた瑠奈さんがいた!


「やっぱり瑠奈か・・・」

「あちゃ~ばれちゃったか・・・」


え?次射のお母さん!?じゃああの笑い声、瑠奈さんだったの!?


「なんで聞き耳を立ててるんだ?」

「いやぁ~美紀ちゃんが部屋に入っていった気がしてね。ちょっと覗いていたのよ」

「恥ずかしい・・・・・・」

「そしたら次射ったら美紀ちゃんに手も出さずに寝ちゃうから。キスの一つくらいしてもよかったのに」

「自分の部屋でそんな堂々とやんないわ。はぁ~、もう寝る」


「もうちょっと聞かせてよ~」という瑠奈さんの言葉を無視して自分の部屋に戻った。

瑠奈さんにいろいろ問い詰められたがその後、無事に逃げ出すことができた。


私は自分の部屋に戻ってベッドに潜った。

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