笑えない!?500年後の日本人は皆、サトウさんになるらしい! 知っていましたか?
冒険者たちのぽかぽか酒場
第1話 名字サバイバルゲームで、500年後の日本はどうなる?
「あと500年したら、日本人は皆、サトウさんになるかもしれない!」
おとなりに住む、「夫婦別姓」について大学で教えたりしているお姉さんが、面白そうなことを言いはじめた。
が、実は真剣。
「私には、わかった。選択的夫婦別姓の制度にして、結婚した夫婦が別々の名字を名乗れるようにしないと、サトウさんだらけになる!」
な?
何てことを、言うんだ。
お姉さんは、説明する。
「日本人は、まだ、完全には、夫婦別姓を認めているわけじゃないよね?結婚したら、夫婦が、必ず同じ姓を名乗ることになっているでしょ?これって、世界的にも珍しいこと。それでさー」
これだけで、ピンとくる人もいるかな?
「結婚したら、夫婦が同じ姓を名乗らなければならない」
それ、名前サバイバルゲームじゃないか!
「夫婦どちらかの結婚前の名字が、1つ消えることになる」
ほら!
サバイバルゲーム!
お姉さんは、得意顔。
「日本で1番多い名字は、サトウ。でね?今、日本の名字のうちサトウの占める割合が、リアルに増加してきているんだよね」(←ホントです)
やがては、日本中がサトウの名字で独占される。
その意味でこのまま夫婦別姓の日本ルールが続くと、今から500年ちょい後に、日本人の名字が100%サトウになるという。
「どうしよう…」
お姉さんが、困り顔。
「あのさ」
「何ですか、お姉さん?」
「500年後に荷物を配達する人を思うと、気の毒すぎ」
「え?」
「まずい、まずすぎる…」
「どうしました、お姉さん?」
「サトウはサトウでも、どのサトウさんに配達すれば良いのか、わからなくなるから」
なるほどね。
さあ、日本の未来予想図を展開させようじゃないか!
見よ!
これが、500年後の日本の配達だ!
ピンポーン…。
「はあい」
「サトウさんに、お届け物です」
「配達員さん?」
「はい」
「でも、それ…」
「はい」
「誤配にならないか、心配」
「心配?」
「本当に、うちのサトウでおまちがえありませんか?」
「え、どういうことでしょう?」
「実はね、配達員さん?」
「はい」
「このあたりに住んでいる人は皆、サトウという名前なんです」
「それじゃ、心配ですね」
「配達員さんも、大変でしょう?」
「まあね。俺の名前も、サトウですから」
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