2日目
第9話 日課
早朝、廻は日課のランニングのついでにペンダントをポストに入れようと封筒を持って家を出た。指定された場所はいつものランニングルートと被っていたからである。
「はっはっはっ」
少し焦りがあるのか呼吸が乱れ必要以上に体力を使ってしまい指定された家に着いた時には息を切らしていた。
「はぁはぁやっとついた。あとはこれを」
ゴトン
廻はペンダントを入れた封筒をポストに投函した。ペンダントがポストの底に着く音で廻の緊張は熔けその場に座り込んだ。しばらくして息が整うと水を一気飲みしてからシェアハウスに帰っていった。仕事を終えた達成感や開放感からかいつもよりも軽やかな足取りだった。
シェアハウスに戻ると今日の朝食当番のフィリップが目玉焼きとトーストを作っていた。
「おかえりなさい。もうすぐできるので手を洗ってから皆を起こしてきてください」
「あぁ分かった」
洗面台で手を洗い、皆の部屋をノックして声をかけて朝食の時間であると伝える。いつもの流れだ。
ただ今日は違った
「ないっ!」
知夜の声がシェアハウスに響き渡る
(あぁペンダント盗んだのがバレたのか。さすがに気付くよな)
廻は心の中で冷たくそう思いつつも人が大切にしていたものを盗んだという罪悪感が重くのしかかった
朝食を済ませてから住民総出で探したが見つかるはずもなく。知夜は「行くところがある」と言い、イラつきからか乱暴に玄関扉を開けて何処かに行った
それに時間を割かれた為朝の作戦会議は中止、3人は今日することを確認し各々の行動へ移った
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