第2話 思春期

この日オーナーの美沙に呼び出された住民が共同スペースのリビングに集められていた。リビングで待つ美沙はかなり深刻そうな表情をしていた。アリシア以外の住民が全員揃うと美沙は重い口を開いた

「最近アリシアの態度が素っ気ないのよ」

それを聞いて住民はほっとした様子を見せた。それも当然、普段明るい美沙がこんなにも落ち込んだ様子だったためもっと深刻な話かと思っていたのだ。

「それただの思春期じゃないですか?」

香織が軽い口調で言う、廻はそれに同意する様子を示す。それでも美沙は納得がいっていない様子で

「フィリップ君!あなたならわかるでしょ!アリシアが「フィリップお兄ちゃんと結婚するだ〜」って言わなくなってもう半年よ!」

フィリップははっとした表情を見せ小さい声で「確かに...」と呟いた

「確かにじゃねーよ!」

隣に居た知夜がフィリップの頭をひっぱたきながらツッコミを入れた。

「そうだな半年前まで言われてた方が異常なんだよな...」

天を仰ぎながらそう呟いたフィリップは少し悲しそうな表情をしていた。


「ともかく!アリシアの様子がおかしいから。皆で調べて欲しいのよ」

感傷に浸るフィリップを尻目に美沙が切り出した。

「まぁいいですよ。ちょうど学校の方も暇ですし。そうだよね廻」

「あぁそうだな」

「私はいつでも暇だよ〜」

「私もだ...」


「よかった。とりあえず明日からお願いね!」

4人は呆れながらも美沙からの依頼を受けることになるのだった

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