第2回カクヨム短歌・俳句コンテスト短歌の部

@kokoroyomi

団子食べ  ふと見上げれば  雨月かな  今日はハレの日  明日はケの日


時は江戸。村に一人の農民が居ったそうだ

「今日は満月、団子でも食って楽しむか」

農民はせっせっと農業に勤しんだ


~夜~


集中して団子を作る農民

しかし、農民はまだ気づいていなかった天井から響く音に

ようやく団子を作り作り終え、三方(団子を入れる器)に入れると農民は縁側へと急いで行く

農民は座るなり団子をヒョイっと持ち上げ、口へと運ぶ

暗い田んぼを見て、農民はようやく気がついた

農民の期待とは裏腹に、天を見上げると一面雲のカーペット

何とか雨は止んだものの、こんなに天気が悪ければ月は見えない。しかし、農民は月を見ていた。農民の頭がおかしい訳ではない。雨月(うげつ)の空を見て農民は

「月は前、彼処にあったよな」

農民は月を想像した

農民が想像した月は今見てきたどんな月よりも大きく、どんな月よりも美しく輝いていた

農民は思った

今日は特別な日だが、明日からはまた農業。楽しい時間はもうすぐ終わり。だが、それが良い。毎日が退屈だからこそ、特別な日が楽しく感じる。だから、今日を楽しもう。雨、雪、天変地異?関係無いね、俺の特別な日を邪魔する者は返り討ちじゃ。と、農民の自分が武士に成る想像をし、楽しんでいた

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