クラスメイト

天川裕司

クラスメイト

タイトル:(仮)クラスメイト



▼登場人物

●高嶺健二(たかみね けんじ):男性。27歳。独身サラリーマン。

●梶川直也(かじかわ なおや):男性。27歳。健二の高校時代の級友。

●郷田優斗(ごうだ ゆうと):男性。27歳。健二の高校時代の級友。

●長岡久則(ながおか ひさのり):男性。27歳。健二の高校時代の級友。

●町田 登(まちだ のぼる):男性。27歳。健二の高校時代の級友。

●葉山信二(はやま しんじ):男性。27歳。健二の高校時代の級友。

●緑川夕子(みどりかわ ゆうこ):女性。27歳。健二の高校時代の級友。

●宮川幸人(みやがわ ゆきひと):男性。27歳。健二の高校時代の級友。卒業手前の夏休みに海の事故で他界している。


▼場所設定

●健二のアパート:都内にある一般的な民営アパートのイメージで。

●街中:IT企業など居酒屋など一般的なイメージでOKです。


NAは高嶺健二でよろしくお願いいたします。

(イントロ+メインシナリオ+解説:ト書き・記号含む=2695字)



イントロ〜


皆さんこんにちは。

皆さんは思い出の写真とか持ってますか?

みんなで共有できる暖かい思い出とか良いものですよね。

今回はそんな思い出にまつわる意味怖のお話。



メインシナリオ〜


ト書き〈会社にて〉


俺の名前は高嶺健二。

ここ都内のIT企業で働く独身サラリーマンだ。

今年27歳になる俺。

まだ結婚の兆しはなく、付き合ってる彼女もいない。


健二「あ〜俺も良い人と出会って、明るい未来とか築けて行けたらなぁ」


最近の夢はそれ。


周りの友達には結婚してるヤツも居り、

最近は晩婚とか言われてるけど

やっぱり俺は自分の家庭を持つ事を夢に見ていた。


ト書き〈電話〉


そんなある日の事。


健二「おお!梶川か?久しぶりだなぁ〜♪」


久しぶりに高校の級友から電話がかかってきた。

俺達は社会人になってからみんな忙しかったようで、

なかなか連絡を取り合う事も出来ないでいた。


梶川「よぉ健二♪元気にしてっか?今度さぁみんなで集まって飲み会やんね?実はもう何人かに声かけてんだよ。すでに4人集まったぜ♪」


健二「おお、イイなぁ♪」


みんな高校の時の同級生で、

俺達は久しぶりに集まろうって事になった。


仕事の都合を見計らい、とりあえず今週末の土曜日。

場所は都内の居酒屋で、

その後は俺のアパートにみんな集まって

2次会にしゃれ込もう〜

なんてそんな計画。


健二「やっぱ持つべきものは友だなぁ〜♪」


一応みんな独身で彼女もいない。

つまり同じ立場のヤツらばかり。

まぁそんなヤツらが一緒に集まるから楽しいわけだ。


俺はそれからルンルン気分で週末まで過ごしていった。


ト書き〈当日〉


そしてその週末の土曜日。

飲み会当日がやってきた。


俺はとりあえず半日だけ仕事があって、

そこから居酒屋へ直行。


(居酒屋)


健二「よぉ〜〜みんなぁ!久しぶりぃ〜♪」


梶川「おぉ来たかぁ〜♪」


もうみんな集まっていた。

でも梶川はあれから10数人に声をかけたらしいが

結局みんな仕事で都合がつかず、

その日に集まる事ができたのは

初めに電話をかけた4人だけ。


郷田、長岡、町田、葉山らがその時来ていた。

みんな高校時代に思いを馳せて

懐かしい話・思い出話に花を咲かせた。


郷田「ふぃ〜、すっかり酔っ払っちまったなぁ」


長岡「おいおい、これから2次会だぞ〜」


町田「健二のアパート、今日行って大丈夫なんだよな?」


健二「ああ、全然OK♪」


葉山「よーし、酔いもイイ感じに回ってきたし、そろそろ健二ンとこ行くかぁ〜」


ト書き〈健二のアパート〉


てな感じで、みんなイイ気分のまま店を出て、

そのままてくてく俺のアパートまで歩いて行った。


その店から俺のアパートまではそんなに離れておらず、

大体15分ぐらいで着く。

そしてアパートに到着。


葉山「ふぁ〜〜、なんか眠くなっちゃったよ俺ぇ」


郷田「オイオイなんだよ、これからじゃねーかよ♪」


梶川「ハハw」


俺はとりあえず買い置きしておいた

ビールを冷蔵庫から持ってきて、

みんなの前に並べて2次会が始まった。


またここでも話す事と言えば高校の時の事。

思い出話は尽きないものだ。


町田「そう言えばお前、緑川にずっと惚れたんだよなぁ〜」


健二「えぇ〜、ンな事ねーよぉw」


緑川夕子も俺達の高校の時の同級生で、

確かにいっとき俺は彼女に惚れていた事がある。

でも片想いで終わった。


郷田「あいつキレイだったもんなぁー」


町田「そうそう、あいつに惚れてたヤツ他のクラスにもいたって話だぜ♪」


そんな話をしている内に、

彼女がどんな顔をしていたのか

もう1回みんなで見てみたくなり…


健二「ああ、アルバムならあるぜ♪」


梶川がアルバムの事を聞いてきたので

俺はすぐ押し入れから高校の時のアルバムを持ってきた。


健二「これこれ♪」


とりあえず思い出のアルバムをめくっていき、

当時の記憶をみんな甦らせていく。


町田「あーいた!緑川!やっぱ今見てもキレイだよなぁ」


郷田「ほんとほんとw健二が惚れてたのも分かるわ♪」


健二「だから惚れてねーってw」


そうして彼女を確認した後、

学園祭や修学旅行の時の写真、

そしてクラス写真、集合写真なんかをずっと見て行った。


町田「ほんと懐かしいよなぁ〜」


郷田「社会に出たら、こう言うのが宝物みたいに思えてくるよな」


でもその集合写真を見ていた時、俺は少し違和感を覚えた。

卒業式の直前に撮ったクラス全員が写ってる集合写真。


健二「そう言えばさー、宮川のヤツ今頃どうしてんのかなぁ」


アルバムを見ていてふと思い出したヤツの事。


宮川も俺達のクラスメイトで、

あんまり目立たないヤツで

高校時代はそんなに遊ばなかったヤツだけど、

何となくアルバムを見ている内にヤツの事を思い出してしまった。


郷田「何言ってんだよ、あいつは夏休みん時…」


町田「確か海水浴場で事故に遭って亡くなったろ」


健二「あ、そうか…」


すっかりド忘れしていた。

今日みんなで集まっていたからかもしれない。


あいつも今頃どっかで働いていて

またそのうち高校時代の友達を

集めてこんな風に飲み会する時、

その時こそ絆を分かち合おう…

なんて思っていた自分がいた。


級友が亡くなるのなんて誰もが認めたくない事。


でもあいつの事をいっときでも

忘れていた自分を俺はその時責めた。



解説〜


はい、いかがでしたか?


健二と梶川は高校時代の級友を呼び集め、

居酒屋で飲み会したあと健二のアパートまで行き

そこで2次会を楽しんでいました。


そして思い出話や恋愛話、当時の事を思い出しつつ

そのアルバムをみんなでどんどんめくって行きます。


その時クラスの集合写真が出てきましたね。

でもそれを見た時、健二は違和感を覚えました。


そして次に思い出したのが

同じクラスの友達だった宮川の事。


でも健二が彼の事を周りに聞いてみた時…


「あいつは夏休みん時、海水浴場で事故に遭って亡くなったろ」


と郷田と町田に諭されます。


それで健二も思い出し、その事をド忘れしていた自分を

あとで心の中で責めました。


でも、おかしいですよね。


その直前に見ていたクラスの集合写真では、

「クラス全員が写ってる集合写真」

とある事から誰1人欠ける事なく、

宮川もそこに写って居たと言う事。


そう、健二が違和感を覚えたのはこの為でした。

そして宮川の事を思い出したのもその写真を見たから。


その集合写真は「卒業式の直前に撮った」とある事から、

もうそのすぐ後にはみんな高校を卒業する日を迎えます。


宮川が亡くなったその夏休みと言うのは、

話の流れからみて高校の時の夏休みの事。


つまり卒業から随分前の

夏休みに亡くなっていたのに関わらず、

卒業の記念写真に宮川が写ってる事はあり得ません。


みんなこの日集まって飲んでるのが楽しそうに見えたので、

宮川もついそれに参加したいと思い、

そんな風に記念写真に写ってたのかもしれませんね。


動画はこちら(^^♪

https://www.youtube.com/watch?v=F83k6dxJBtU&t=66s

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

クラスメイト 天川裕司 @tenkawayuji

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ