第30話 もっと知りたいな
「なんか、照れちゃいますね」
夢が現実になった私は、不意に笑みがこぼれてしまう。
「なんか改まると、私まで恥ずかしくなっちゃう。これも全部萌音ちゃんのせいだからね?」
「私、なんかしましたか?」
「……散々人をイかせ恥ずかしい姿を見せて、よくキョトンとした顔ができるよね」
「あ……」
羞恥に顔を染める霧先輩に、私もボっと顔が赤くなってしまった。
しっかし、よく私の体力についていけたなー。
体力に自信があると言っていた和奏でさえギブアップするくらいなのに、最後まで付き合ってくれた霧先輩は、
「もしかして、性欲強いです?」
「強い方だとは思うよ……相手が居なかったから、誰かと発散するのは初めてだったけど」
やっぱりそうだ。
あんなに一回一回を激しくしたのに、連続で何回もシていたからどうでないかと疑っていた。
あのイキ狂い方と私についていけるくらいの体力……。一体、一人でどれだけシているのか気になってくる。
相当性欲が強くて、頻繁に自慰行為をしていないとあんなの耐えられるわけがない。
それに、霧先輩は人とするのが初めてだというのだから、伸びしろがあって調教するのが楽しみになってくる。
「恋人になったからこそ、もっと萌音ちゃんのこと知りたいな」
不純極まりないことを考えている私の横で、霧先輩はピュアなことを言ってくる。
「NGはなしなので、なんでも聞いてください!」
「なんでもか~。今後の二人の関係がより良くなるようなこと聞きたいんだよね」
「より良くですか……。なんだろう、私の元カノの話とか聞きます? なんで別れたとかを聞けば、私たちはこうはならないぞ! ってなりません?」
「私は聞きたいけど、萌音はその……話して大丈夫なの?」
「大丈夫です! もう私には霧先輩という恋人がいるので!」
前までは言いたくなった。
知られてどう思われるかが不安で堪らなかったし、私自身も色々と思い出してしまったから。
でも、もうその心配はいらない。
私には、かけがえのない存在が出来たのだから。
霧先輩との恋人を成就させるにも、そのことを知ってもらえた方がいい。
和奏とのこと、私の性欲が人一倍強いこと、その欲求を毎日でも満たしたいこと。
引かれるかもしれないと、ちょっと怖い気持ちはあるけど。
それよりも、霧先輩に知って欲しい。
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