第77話鬼とJKと佐竹
私の誕生日から何日も、何ヶ月も順調に過ぎていった。
学校は相変わらずつまらないしこれといったものもないけど、家に帰ればユキメも鬼もいるからなんとか楽しく人生やってる。
夏は皆でお祭りも行けたし、海にも行ったなぁ。
ユキメがナンパされて「始末してくる」って言い残した時は鬼とトモナで必死に止めてたっけ。
秋は妖怪の里で味覚狩りとか言って色んな食べ物出されたし。栗ご飯美味しかった。
冬は絶対家から出ないって私が言いはったから長が無女連れて大量のみかん持ってきてくれたっけ。
「アルバム、いっぱいだな。」
そろそろ3年生に上がる。途中から写真もいっぱい撮ってきたから色々な思い出ができてきた。
2年生の1年間だけで今までの楽しみを全部取り返したんじゃ?ってほど楽しめた。
「…そろそろ時間か。」
時計を見れば現在9:30。
パタンとアルバムを閉じて本棚に戻したらお出かけ開始。
今日はあの変態佐竹に呼ばれて会うことになってる。
劇の時の頑張る発言通り、クラスが違くなっても何かと気にかけてくれてた。
そりゃもう周りも頑張るなぁって噂するくらい。
だから呼び出しに1度くらいは応じてあげてもいいと思ったんだよね。もちろん鬼には内緒で。
ユキメには相談済だから大丈夫でしょ。
「あ、日暮!」
「…ん」
「今日はありがとな!そんじゃ行こうぜ!」
「ん。」
約束の待ち合わせ場所に着いてすぐ。時計をチラチラ見て気にしてる佐竹を発見。
すっごいソワソワしてた。目が合ったら安心したって顔でかけよって来たし。
もしかしてすっぽかすと思われてた?
「あ、あのさ。手握っていいか?」
「ヤダ。」
「うっ。手厳しい…」
早く用事終わらせて帰ろうかな。
それでちゃんと、今後は会わないって話さないと。鬼が怒りそ。
―――
―
ガッシャァァン!!!
「…今、なんて言った??」
「だから。木葉はサタケってクラスメイトとお出かけよ。」
木葉が昼になってもリビングに来ねぇから体調でも悪いのか?って部屋行ったってのに。
いねぇじゃんか。
しかもユキメに聞いたらあのしつこいガキと出かけたって…。
なんで今更?
「嫁になるって約束したからって油断してると取られるわよ。マンネリ鬼」
「うぐっ!ま、まさか心変わりか?」
「さぁ?でも面倒くさそうにしてなかったから可能性はあるわね。」
「んなっ!!お、俺連れ戻して「はぁぁ!?!」うぉぉ!?トモナ!?」
「なんだよそれ!!なにしてたんだよイツキ!!」
心変わりって嘘だろ!?
たしかに最近は何もなくてマンネリと言えばそうだったかもしんねぇけどっ
だからってこんな早く見切りつけるのか!?いや木葉ならつけそうだっ
だから追いかけて連れ戻そうとしたってのにいきなりトモナが現れて俺の肩掴んでやがる。
しかも首取れそうなほどガックンガックン揺らしてっ!!
「うるせぇし痛ぇ!!これから引き止めに行くんだから離せトモナ!!」
「君が頼りないからだろぉぉ!!里はもう木葉用の宮まで用意してるのにっ!!僕も行くからなっ!!」
「あらそうなの?私てっきりイツキの宮に行くものだと思ってたわ。」
「俺もそのつもりだった!!けど木葉は別に欲しいって言ったんだからしょうがねぇだろっ。てか急ぐぞ、追いつけなくなる!!」
クッソ首痛ぇ!!
木葉の奴どこ行きやがったんだ?今から探して見つかるか?
嫁に来るって約束で安心しちまってたなんて情けねぇっ!!
木葉、他の奴のとこなんか行かねぇでくれよ!!
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