第2話・君の変わる印象

三善春風が転校してきてから1週間。

休み時間、窓の外を見る。別に意味はない。

そして厨二病でもない。

こうやってまた1年が終わって次は大学は、ないかなぁ。

じゃあ就職?そしたら死ぬまで働くのかな、今の日本だと。

18歳までの青春。生まれた時からの記憶なんてないから小学生からとかして12年か。

短いよなぁ。その間に何かしなくちゃと思うしこの自由を満喫しなくちゃと思うけど思ってる間に考えてる間に終わっちゃうんだろうな。

やりたいか、何だろう。

「あーえっと佐藤さん?」

死角から声がする。振り向くと三善春風。

佐藤さん??

「私佐藤じゃないけど」

「あー外れたー!ごめんなさい!まだ、みんなのまま名前覚えてないからよくある苗字言えば当たるかと思って」

凄いな!どんな一か八かだ!メンタル鋼か!

「私は二織です・・・」

「あー二織さん!覚えました!」

「・・・何か用が??」

「はい!音楽室を教えて欲しくて」

「音楽室??」

音楽室は3階一番奥の教室。口で説明してもまだ分からないだろうな。

「一緒に行こうか」

「え!ありがとうございます!」

音楽室に着く間に聞いてみた。

「何で音楽室??」

「あーえっとピアノあるかなーと」

あるだろ、どの学校の音楽室には。

音楽室に着くと三善はまっすぐピアノの所へ。

「うんうん。良い感じー」

私は帰るタイミングを失ったので見てる事にした。

そして三善は躊躇なく鍵盤に指を叩きつけた!

ただの音が鳴り響く!

「な!?」

何やってんだ!?壊すの!?

叩きつけた指はそのまま鍵盤を撫でる様に曲を弾き始める。

曲は聞いた事ないものだった。

クラシック?にしては激しいような、流行りの曲の今っぽさも感じない?

曲は分からないけど曲調は分かる。

ロックだコレ!

ピアノでロックを弾き始める三善!

こんな学校にあるちゃとしたピアノでロックも驚いたけどそれ以上に第一印象オドオドした守ってあげたくなるタイプの三善がロックを狂気の様な笑顔で弾く姿に驚いた!

曲は4分くらい。1曲弾き切った。

「あースッキリ!」

ポカンとする私。

「あーえっとごめんなさい!うるさかったですよね!」

「い、いや大丈夫・・・・三善さんが何か凄くてビックリした」

「あーこれは私のストレス発散方法なんですよ」

「ストレス??」

「はい、転校して環境に慣れないストレスです!」

ぽやーっとしてる様に見えたし天然かと思ったらストレスあったんだなぁ。

「さっきの曲何??」

「あーこれ私の好きなインディーズバンドの曲なんですよ」

「へー」

インディーズバンドかそりゃ知らない訳だ。

「良い曲だね」

「!そう思いますか!?」

三善の突然の私の目の前までの瞬間移動!

近い!何か甘い良い匂い!

「う、うん!思う!思う!」

「じゃ、じゃあ!今度一緒にライブ行きませんか!?」

「・・・・はい?」

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