第27話 得意属性と苦手属性

相関図を見てイマイチピンとこないエマさんに優しく説明をしていく。


「まずこの並びは不動です、光の横には火と風が来ると思ってください」


「へぇ、そうなんですね、私は風でエマさんは火でしたよね、スピカさんだけ土属性だから離れてますけど」


「なに? ルイ私に喧嘩売ってんの? ハイド様の近くにいるからって調子に乗らないでよね」


「べ、別に私そんなつもりで言ったわけでは……」


ルイは言葉を気にしたのか、少し気まずそうな雰囲気を出し始めた。


「ルイにあたんなや、かわいそうやろ?」


「まぁまぁ、スピカさん少し落ち着いてください」


「はぁ~い♪」


スピカさんはケロッとした表情で返事をした。


ルイさんをからかっただけなのだろう、


スピカさんの態度を見て、冗談だと察したルイさんはホッと肩をおろした。


「……で、ではまず光の得意な属性は闇、苦手な属性も闇です」


「へぇ、そしたら火属性は得意なのは水? んなアホな」


「エマさん、光と闇の属性は特殊なんですよ、光と闇は互いを打ち消す力があると言われてるのでこのようになるんです。火の得意な属性は土、苦手な属性は風です」


「火って水に弱そうだけどそうじゃないんだ……」


「イメージしたらわかりやすいかもしれませんね、火は土を焦がし、土は水を吸収し、水は風で自由に姿を変え、風は火を消す。勿論あくまで理論上得意な属性と苦手な属性というわけで一概に絶対不利というわけではありません」


僕は一通り説明を終えた後、相関図を残した状態で、3人に新たな訓練を課すことにした。


「それじゃ瞑想は普段の訓練に組み込みながら新しい訓練でもしますか」


「よっしゃ! 次はどんな訓練や?」


「勿論、基礎ができ始めたらいよいよ実践です」


ピースの森は凶暴なモンスターがいない分、


魔法の使い方や、戦闘時の動き方の練習をするにはもってこいだ。


基礎ができている3人なら、さらにもっと上のレベルになるに違いない。


どれほどの強さを身に着けていくのだろうか……


僕は3人の成長が楽しみで堪らなくなっていた。


僕たちはさらなる森の奥地へと足を運んだ。

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