十八時

 夕日の後頭部を掴み山の底へ沈める。夕日から噴きあがる汗と唾と涙が空に染みては夕焼け。鎮魂の空色を待つ。

 烏が電線に群れる。顔を見合わせる彼女ら。

 腕の時計。

 蚕の入れ墨。

 足元。

 地団駄。

 こんな事ならと涙を吐く。

 脳が、眼底が、舌が泣いている。

 腸からやってきた嗚咽が喉を借りて笑う。

 私もつられて笑った。

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